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富士山一周〜ロングライド大会初挑戦記〜


2024年5月5日。
人生初、ロードバイクでロングライドの大会に出てきました!
※ロングライドとは、一般的に100km以上の距離を走ることを指す

去年のGWにロードバイクをはじめ、それ以来月2ぐらいで横浜や多摩川沿いを走ってました。

長い距離を走る大会に出たい!
それが2024年の目標の一つ。

今回出場したのは「富士山一周チャレンジライド」という大会で、山梨県の山中湖村からスタートし、反時計回りに富士山の周りをぐるっと一周、約110kmを経て山中湖に戻ってくるコース。

見ての通り、前半に大きな下り坂がある一方で、後半は登り坂に次ぐ、登り坂。

こんなんほんまにいけるんか?この1年で、100km以上走ったのは1回だけ。普段は10km〜せいぜい50kmくらいしか走ってないし、登り坂を延々と登ったことはほぼない。

他のもうちょい楽そうな大会でも良いかもしれん。だが、ロードを始めて1年の節目であること、連休中の開催であること、そして

富士山の周りを走ってみてえ!!!

これ。
これや。

やるからには、ビビって置きにいくのではなく、面白そうな大会に出てみたい。

ということで、数ヶ月悩んだ末、この大会に出ようと。

ルールは至って簡単。

制限時間(8時間)以内に、コースを一周してスタートに戻ってくること。

ただそれだけ。途中で好きなだけ休んでも良いし、ご飯を食べても良い。

読者の皆さんは「8時間もあったら余裕じゃね?」と思うかもしれん。

これがなかなか難しい。

俺が普通に走ったら、大体22km/h〜26km/hぐらいのスピードになる。単純計算すると5時間以内でゴールできることになるが、交通規制を行う大会ではないため、信号で止まる。信号で止まっている時間も含めて、平均17km/hくらいのスピードになる。コースの長さ(110km)を17で割ると、大体6.5h。ここに、休憩時間と、登り坂の分を含めると、下りで加速する分を差し引いても、8時間は割とギリギリぐらいになるんじゃないかと。

前半でできるだけ力を温存しつつ、余力を残して、後半を頑張る。当たり前やけどこの作戦でいくしかない。

てなわけで、5月5日午前9時。山中湖の会場に続々と集ってくるチャリダーたち。その数なんと約100人。


「3、2、1、スタート!」の合図で順番にスタート。長い1日が幕を開ける。

タイムを競う大会ではない。にも関わらず、スタートの瞬間の緊張感。胸が高鳴ってくるこの感じ、いつぶりか、もはや分からん。

山中湖沿いはこんな感じ。
(これは大会前日撮った写真。レース中は写真を撮る余裕はありません。)

なんなんこの景色

最高すぎんか?

俺が普段、家の中でPCをポチポチ、ミーティングをしている瞬間も、この光景は、この光景としてここに存在している。そんなことを考えると不思議な感覚になってくる。

前半は割と快調に進む。

ペース的には、25km/h〜28km/hくらい
これまで、ほぼソロで走ってたから、普通に前の人に付いていけている自分に感動した。笑

俺けっこういけるんじゃね!?!?笑

そういう風に気持ちが高揚してくると、どんどん調子に乗ってしまう。

左手に富士山を拝みながら、マイナスイオンがいかにも濃厚っぽそうな森の中を駆け抜け、、、

最初のボーナスポイントに突入。
延々と、下り、下り、下り。

普通に55km/h近く出てたなありゃ笑
もはや車並みでっせ。

快晴の空、富士山が悠然と佇むその麓、大自然の中を、風を切り裂きながら、己の全身で駆け抜けていく。これ以上に、心地よい瞬間があるだろうか。いや、ない(断言)

まあ、一言で言うと気持ち良すぎたわ笑

なんやこれ余裕やん、と。笑

途中の休憩ポイントでアイスクリームを食べ(参加者には1500円分のチケットが配布され、道中の指定された飲食店で使えるようになっている)

ウイダーとカロリーメイトでチャージし再スタート。

スタートしてから3時間ぐらいで、コースの約半分を通過。

なんやこれ余裕やん。

だがしかし!!!!!

あ、足が重い。
普通に漕いでるのに、全然進まへん。
ギアを軽くしようとするが、これ以上軽くならない。

あかん、これはあかんやつや。調子に乗りすぎた。一旦休もう。

ロングライドで最もおそれるべきなのは、ハンガーノックに陥ることである。簡単に言うと、身体が充電切れになって動かなくなること。長時間運動し続けることにより、低血糖状態になることが原因らしい。

一旦ハンガーノックに陥ると、かなり長い時間動けなくなる。それは大会においては、ゴールできなくなるということを意味する。

というわけで、日陰でウイダーとカロリーメイトを再チャージし、しばし休息。(ってかカロリーメイト、パサパサしすぎて食うのしんど過ぎやろ。絶対チョイス間違えてるわ)

20分ほど休むと、身体の感覚がかなり戻ってきた。さあ、登り坂に向かって再スタートや!

ここから、ゴールに向けて2つの大きな峠を越えていかなければならない。

時間は13時を回り、うだるような暑さの中、決死に足を前へ前へと進めていく。

ほんまに、延々と登り坂。

これは、前を見過ぎたらアカンやつや。気持ち的にだいぶきつい。

どうやら、キツいのは皆一緒。道の途中、所々で休息しているチャリダー達。

何とか1つ目の峠を登り切り、2つ目のボーナスポイント(下り坂)に突入。御殿場市内を駆け抜け、最後の登りへと向かって足を進めていく。

最後の登りが始まる直前に、チケットが使えるプリン屋で休息。

そこで、おっさんが死にそうな顔をしながらプリンを食べていた。

俺「あの坂ほんまキツかったっすね」

おっさん「修行僧になった気持ちでしたよ。こんなにキツいとは思わなかった。」

俺「ほんまにそうですよね。この後の坂、もっとキツいみたいですし、もう勘弁して欲しいですわ」

おっさん「そうなんですか?タダでは帰らせてくれないということか。。。」

修行僧

そうか、我々は修行僧なのか。

何をしてわざわざ、こんな苦しいことをするために、はるばる自転車を漕ぎにやってきたのだろう?

そうか、修行だったのか。

これは、己の精神と肉体を鍛え上げるための修行だ。

そうとでも思わない限りやってられないぜ。

そんな訳の分からないことを考えながら、山中湖へと向かう最後の登り坂に差し掛かる。

通称、心臓破りの坂。(俺が勝手に決めた)

実は、前日レンタカーで山中湖へと前乗りする際に、同じ道を通っていた。その時は、まさか翌日この道を走ることになるとは思いもしなかった。

制限時間は一刻一刻と迫ってくる(残り約2時間を切った) 距離にして約18kmほど。

満身創痍の身体と、心臓破りの坂。
延々と登り坂が続く。

後ろで漕いでる関西弁のおっさん「さっけの坂で十分やったやんけ!」

おっさんキレとるやんけ。
そりゃそうや。

なんやねん、この鬼畜コースは笑
前半で散々良い思いさせといて、そりゃないぜ笑

だが、文句を言っている暇はねえ。

ここまで来たからには、絶対に時間内にゴールしてやる。行くしかねえ!!!

とにかく、なるべく止まらずに漕ぎ続けるしかない。止まってしまうと、当然その分タイムロスしてしまう上に、また漕ぎ始めるのにエネルギーがいる。

どれだけ遅くても良い、足を進めてさえいれば、必ず時間内に辿り着ける。

うおおおおおおおお!!!!!

無。

その瞬間、もはや思考というものは存在していなかった。もはや人間ではい。

己の腕と足と、全身を食いしばって、ただひたすらに、上の方へ、上の方へと向かっていくだけ。

ただ今を生きる動物のように。

その時、あるフレーズが俺の頭の中で流れ始めた。

息を切らしてさ
駆け抜けた道を
振り返りはしないのさ
ただ未来だけを見据えながら
放つ願い

閉ざされたドアの向こうに
新しい何かが待っていて
きっときっとって 僕を動かしてる


精神力、気力、意地。

この坂を登り切るのに必要なのは、多分そういうことでしかない。

日々の暮らしの中で、これほどまで苦しい瞬間、それでも、絶対に乗り越えたいと思えることが、果たしてどれだけあるだろうか?

いや、ない(断言)

そして、16時22分。


俺のこの表情で悟ってくれ笑
制限時間を38分残してゴール。

いや〜まさかこんな壮絶な闘いになるとは思わんかった。一言では語れなさすぎて、この長文になってるわけやからな。笑

チャリ乗ってるだけでこんな面白い経験ができるとは思わんかった。そして、クタクタになった時の身体の感覚、溢れ出るような自己肯定感と自信、苦しみを乗り越えたからこそのこの感覚がたまらんな。

改めて思ったけど、至極当然のことやけど、目標を持つって大事やな。それも、これは流石にキツいんちゃうかな?いや、でもほんまに頑張ったらいけるんじゃね?ぐらいのレベル感のやつね。

てなわけで、長くなりましたが、この辺でロングライド大会初挑戦記を締めたいと思います。

新しい運動を始めたい
緊張感や爽快感を味わいたい
修行僧になりたい

そういう人がもしいたら、是非一緒に走りましょう。

それでは!!!


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