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#072 読書ログ:『KPIマネジメント』とは何か? 他6冊レビュー

さて、年度末は根回し・調整・計画とドロドロとしたことが非常に重要な時期だと思っています。これらを遂行する際にあたってKPIマネジメントという概念は大事な観点だなーと思ったので感想をまとめます。

▼今月の注目書籍(KPIマネジメント)

さて、今回焦点にしたい書籍はこれです。

KPIマネジメントがお家芸であるリクルート社で実践されていた方の本です。実践を最重視するスタンスが感じられ、読みやすさと応用のしやすさは随一ですね。 

内容に関してはKPIのそもそもの概念から始まり、設計する際の留意点や必要な流れ、実際の運用方法や、拡張したナレッジマネジメントまで割と関連するようなことを広くさくっと扱っています。

▼実践ポイント(KPIマネジメント)

個人的に特に実践的だなーと思ったのは以下の3点

①KPIは設計ステップがある
②社内で流行る共通言語を作れ
③ナレッジマネジメントに繋げる

特に注目したいのは『①KPIの設計ステップ』です。

今までを振り返ると、往々にして数値目標があまり説明もなく降りてきて機械的に数字のマイルストーンをおいて“はい、おしまい!”ということがしばしばありました。

これが打倒な目標ラインであれば良いものの、大体はあまりその数的根拠がわからないままにおりてくるので現場メンバーとしては府に落ちない。という状況に陥ります。

この問題を解決するためにはどうすればいいか?本書の設計のステップに分解して課題点を考えます。

<KPIマネジメントの正しいステップ> 
STEP1 KGIの確認(関係者と合意)
STEP2 ギャップの確認
STEP3 プロセスの確認
STEP4 絞り込み
STEP5 目標設定(ここでKPI)
STEP6 運用性の確認
STEP7 対策の事前検討
STEP8 コンセンサス
STEP9 実際の運用
STEP10  継続的に改善

なるほど、こうみると課題点が明確になります。それは何かというと往々にして

”いきなりSTEP5からはじめる“

傾向がある気がするからです(少なからず今までの自分の身の回りでは…)。これでは現場は府に落ちるわけがありません。そのため、個人的に最重要であると考えるのは

“STEP1の関係者間の合意”

です。これがないまま見切り発車するケースが多いです。一方でこれができないと感じる壁も最近わかりました。おそらくは以下の2点です。

☑︎組織発表から計画策定までの時間が短い
☑︎意思決定者間の好き嫌いで歩み寄りがない

問題は後者です。

いわゆる社内政治や裏である出世レースなど、見えない力が働いて合意がとりにくいというやつです。特に自分のチームで成果を出したい。という想いが強いほどに連携する機運がなかったりします。これは残念ながら完全に人依存です。

とはいえ、ここをクリアしてはじめてSTEP2以降が機能するわけですから、もうこれはどんな手段を使ってでも歩み寄りをしながら、STEP2以降を一緒に作るというプロセスを踏まないといけません。

また、『②の共通言語作り』においては、簡単にいってしまえば如何にして「シンプル化するか」だと思います。例えば設定する目標値も精緻な値ではなく分かりやすさを重視するのはなるほどといった感じです。

 9984万 → 1億! (イチオク!)
 543.6万   → 555万!(ゴーゴーゴー!)

記憶に残りやすい方が社内でもバズりやすく、共通言語化しやすいというのは意識していないと出来ないなと思いました。

そして『③のナレッジシェア』においても、TTP(徹底的にパクる)するという共通言語を基に、とにかくメンバー間で技を盗み合わせて切磋琢磨させられるか、という観点はどんな業界でも転用可能だと感じました。

そういったこともSTEP8、9、10の方では意図的に仕組み化していくというのは意識したいと思いました。

上記のように、KPIマネジメントというと、言葉の意味はわかるが、実践するとなると何がポイントかイマイチよく分からないという方にはオススメです。まずは自分なりに実践してみようと思います。

▼感想ちょいメモ(BCGデジタル経営改革)

目の前の組織課題を俯瞰した視点で整理したく読了。 そもそもデジタルの意味する手段の分解から、日本組織における組織的課題がどこで、なにをどう変えるべきか非常にわかりやすくまとめられている。 「あるべき事業構造、開発の流れ、意思決定・体制のあり方、人材育成、活用すべき技術と取り入れ観点等」経営視点でめちゃくちゃ整理されます。

▼感想ちょいメモ(捨てる力)

仏教系の教えを行動に落とす際のポイントをサクッとまとめた本。非常に浅く広く扱っているので、深みはない一方でライトに読めるので、ビジネス本・仏教入門としては割と良いと思う。 特に「あるがままを受け入れつつも中道を生きる」という考え方は個人的に好きで、7つの習慣に通じるものがあります。

▼感想ちょいメモ(出会い系サイトで本勧め)

普段よまなさそうな本を敢えて読んでみた。 タイトルの通りで、著者が色々な人にあって本をすすめまくるという話。会話調の記載が多く臨場感があるため、今の自分では体験しないようなことを疑似体験できる的な面白みはある。そして本の人への勧め方が想像以上に真面目で、実際に紹介されている本とその特徴を追うだけでもちょっとした学びになる。

▼感想ちょいメモ(まんが日本の偉人伝)

偉人伝を時短で網羅的に見たく読了。 結果的に当初の目的を満たしており、かつマンガで読みやすく仕事後で疲れている時などもマンガを読むテンションで読めて非常に満足できる本でした。個人的に鎌倉時代あたりの人物とやったことが、頭の中で一致していなかったので学びなおしにもなりました。

▼感想ちょいメモ(二宮翁夜話)

二宮尊徳の言行録。現代でも応用できうる考え方や哲学などが詰まっている。 孔子の論語を引用することがちょくちょくあるが、まさに論語を噛み砕き実践して日本ナイズされたものといった印象。全体を通して体系だっているわけではないが、わりと網羅的にポイントをおさえられるので、ちょくちょく流し読みしたい一冊。

▼感想ちょいメモ(報徳記)

更に二宮尊徳の具体エピソードを知りたく読了。 上巻から一貫して弟子が振り返るエピソード集みたいなもので、分かりやすく読みやすい。短編集のようなもので、どのエピソードも二宮大先生が諭して改心させていくさまが読んでいて何ともいえない爽快感がある。


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