奨学金を10年かけて返済した
先月、23歳から始まった返済が終了した。
半年ごとに10万円。10年間かけて200万円余りを無事に。
感慨深かった。幼少期からの記憶がフラッシュバックしてきた。
僕は、6歳のころから母ひとり子ひとりだった。
小学の時から習い事もさせてくれた母。
高校では、卓球(部活)の遠征で、2,3万円の遠征費がかかることもしばしば。
用具費だって、卓球を知らない方からすると意外と掛かる。
決して楽ではなかったけど、母は僕の「やりたい」を尊重してくれた。
大学は地元の県立大学に行くという選択肢が妥当だった。
推薦入試で合格した高三の秋、無利子の奨学金がとれた。
その理由は、事実として、それなりに成績もよく、素行も問題なかったから。そして何より、片親だったから。
当時の僕は、「やった!」と思っていた。
「ラッキー♪」くらいに軽く捉えていた。自分の将来の負担が少しでも減るから。
大学在籍中、そのお金は、僕からは直接は感じられない。
授業料に充てていたから。
社会人になって、払い始めた。
半年に10万円という金額の大小を捉えるかはそれぞれだが、
僕にとっては大きかった。
大きく感じたお金を、毎回、10万円ずつ銀行の窓口に持っていった。
自動引き落としにすることもできたけど、それはしたくなかった。
僕にとって奨学金の返済は、母が僕を大学まで入れてくれた、
その感謝の気持ちを持ち続けることにつながったから。
僕にとって奨学金の支払いは、
母が僕を育ててくれたことを、軽視しないための儀式だった。
そして32歳になった僕は、先日、その儀式の最終回を終えた。
少しの達成感と、大きな使命感を覚えた。
後者は、我が子に対するもの。
我が子を育てることに対する使命感を、最後の窓口で体感した。
僕にとって家族とは、醸成されていくもの。
意志を、価値観を、親子で紡いでいきたい。
次の世代にとって最高だと思えるように、
今の世代(=自分たち)が思考と行動をしていきたい。
10年前の記事はこちら。
今日の記事をすべて書き終わって、いつものように10年前の記事を探した。
冒頭、母親の話を書いていた。不思議なタイミングだなー。
お母さん、元気でいてください♪
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