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週刊わたしの映画メモ『恋愛適齢期』『あしたのパスタはアルデンテ』と映画おしゃべりポッドキャストのお知らせ

今週の映画メモ…の前に、いつもお世話になっている木村はるかさんとの映画トークポッドキャスト・ムビストの第二弾が公開になりましたのでお知らせです。

年明けから春にかけて二人で観た映画
『哀れなるものたち』
『僕らの世界が交わるまで』
『ボーはおそれている』
『落下の解剖学』
『ゴールド・ボーイ』
『ビニールハウス』
『成功したオタク』

についてあれこれおしゃべりしている音声です。3ヶ月程度の間に二人でこんなに観たのかと思うと嬉しい。しょっちゅう遊んでもらっています。
それ観た~とか、観てみよう~とか、これは観なかったんか??!?とか、何かあればコメントなどいただけると嬉しいです!

というわけでここから今週の映画メモです。


『恋愛適齢期』
監督:ナンシー・マイヤーズ

以前「逆に観ない種類の映画ってなんですか?」という話題で盛り上がった時にものすごい勢いで「ラブストーリーは観ない」と言った方がいて、ラブストーリーになにか恨みが?となんとなく印象に残っていました。視聴作品を選んでいる時にふと思い出して、目に止まったこのタイトルがいかにも恋愛の話っぽかったので観てみることに。大好きなジャック・ニコルソンが主役だし。

ジャック・ニコルソンが演じるのは、恋愛対象は20代に限る!なイケイケおじいのハリー。若き恋人のマリンちゃんと、彼女の別荘でロマンチックに過ごす予定でしたが、彼女のママ・エリカ(ダイアン・キートン)と鉢合わせに。恋愛というか、生き方そのものについてあまりにも考え方の合わないハリーとエリカ。そんな中ハリーは心臓発作を起こし倒れてしまいます。すぐに動くのは危険ということで、しばらく別荘で療養することに。なんやかんやと、エリカと二人の生活が始まってしまうのでした…というお話。

印象に残っているのは、とある人物がうまくいかない恋愛に大泣きするシーン。誰でも、いくつになっても、恋がうまく行かなかったら大きな声で喚いて泣いていい。しかもその大泣きでエネルギーを放出しながら仕事に打ち込んで見事に昇華させるんです。良い。大人だって泣いてわめきながら仕事をしてもいいんだ…!(?)その様子が痛々しいけどキュートで大好きなシーンです。

この作品の名言として有名らしい「たとえうまくいかなくても、愛から逃げてはダメ」というセリフも素敵だなと思いました。誰かを愛して、その結果傷ついたとしても、その痛みこそ生きるということ。恋愛に限らず、人間やっぱり傷つきたくないからつい予防線を張ってしまうこともある。でも傷ついて分かることってたくさんある。予防して小さく生きるより、傷ついたら大泣きしてそれすら力にする生き方、いいなあ…となんだか勇気が湧きました。

あと倒れたハリーの主治医として登場するキアヌ・リーブスがちょっと言葉を失うほど美しくて良いです。キアヌ・リーブス、私の中で何かと戦っている姿の印象が強めなので、白衣を着てて、優しくて、しかもエリカに恋心を寄せることになるキャラクターなのですごくこう………夢みたいでした。この作品から彼の部分だけ抜き出してずっと再生し続けたいくらいちょっと良いです。ちょっと……良いです(言葉を失っている)いや~~~~~~良いです。恋。

『あしたのパスタはアルデンテ』
監督:フェルザン・オズペテク

この作品、タイトルがなんか良いですよね。声に出して読みたくなるタイトル。しかし原題は『Mine Vaganti』で「危険人物」とか「浮遊爆弾」とか、何をしでかすかわからない人や物という意味だそう。ぜんぜん違う…!

そんな意味深タイトルの主人公は作家志望の青年トンマーゾくん。実家はパスタの会社を経営していて、トンマーゾも「経営の勉強をする」という名目でローマに出ているのですが、大学ではこっそり文学を専攻。ついでに恋人は男性。どちらも実家の家族が知ったら大騒ぎになること間違いなしの爆弾です。久々に実家に戻ったトンマーゾは、この秘密をついに打ち明けるつもりなのですが、その話を聞いた兄がトンマーゾより先にみんなの前で兄自身の秘密を暴露してしまいます。その内容に一族は阿鼻叫喚。トンマーゾも自分の話をする雰囲気ではなくなってしまい、あれよあれよと兄が継ぐはずだった会社の経営を任されることに……というお話。

このお話、扱っているテーマは重ためなのですが、なんともカラッとしていて軽やかです。イタリアの気候…!時折入るクスッと笑えるシーンとか、音楽も軽妙で笑わせてきます。実はこの作品を観るのは二度目で、前に観たときも面白かったな~とは思っていたのですが、内容をまるっと忘れてしまっていて…新鮮に楽しみました。

トンマーゾと兄の他にも、みんな何かしらの秘密を抱えて、何かを我慢して生きています。そういう意味での原題なのかなあ、と見終わって感じました。作中でその中の一つの爆弾がドカン!となってエンディングに向かっていくのですが、終わり方がすごく印象的で私は大好きです。夢みたいなパーティーシーン。あの人もこの人もみんな自分らしく踊れたらいい。

私はこの監督の別作品『異人たちの棲む館』が妙に好きでして、こちらも終わり方がとっても素敵。フィルマークスなどを見てもあんまり知られていないようで、配信もされてないみたい。私も2回DVDをレンタルして観ました。これもまた観て感想をお伝えしたいな。引っ越した先のお家に劇団丸ごと幽霊が住みついていて、芝居の練習とか見せてくる!!!というお話です。おもしろそうでしょ。なんでこれ…配信ないんだろう……配信お願いしますU-NEXTさん…


と、こんな感じで今週は2本です。冒頭でご紹介したムビストでも少し話したのですが、このnoteをつけ始めてから、どの作品も自分なりの「ここが良かったな」をちゃんと覚えていられるようになりました。note以前にも手書きのノートにメモはしているのですが、それもある時期から。観た記録はされているけど、感想が一切残っていない作品が実は結構あって、『あしたのパスタはアルデンテ』はそのうちの1本でした。なんとなく覚えている作品もあれば、本当に何も思い出せない…というものもあるので、過去に観た作品も合間を見て拾い直していきたいな~と思っています。いろいろ観るぞ~

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