見出し画像

週刊わたしの映画メモ『さらば、わが愛 覇王別姫』

今週の映画メモ。今週はもう…ハマスタでの試合が連日あって…試合のあとは、反芻したり、現地のファンの方が撮影した画像や動画を楽しんだり、なかなか忙しくて…映画を観る時間が…

そんな中なんとか観たのがこちらです

『さらば、わが愛 覇王別姫』
監督:チェン・カイコー

ずっと観たかった作品。でもなかなか機会がないなあと思っていたら、U-NEXTに入っていました!ありがたや~

京劇の世界に生きる二人の男性のお話です。母に捨てられ京劇の養成所に入ることになった小豆、そこでいじめられがちだった彼をいつもかばってくれた兄貴分の石頭。厳しい修行を乗り越えて、蝶衣・小樓と名前を変え人気俳優に上り詰めます。いつまでも二人で舞台に立ち、一緒にいたいと願っている蝶衣の思いをよそに、小樓は娼婦の菊仙と結婚。時代の流れにも巻き込まれつつ、二人の関係が変わっていき…というお話。

前半は京劇の養成所で過ごす少年期のお話なのですが、あまりの厳しさに圧倒されました。ちょっと盛りすぎらしいですが、その厳しさはもはや虐待。稽古の厳しさもあるし、この世界でやっていくには…という、大人から少年への到底許されない行いも存在している。蝶衣がどんな場所で何に耐えて大人になったのか、そばにいる小樓の存在がどんなに大きいものなのかがよく分かります。

そんな大切な小樓とずっと一緒にお芝居をしていきたい、どんなときも一緒にいたいのに、彼は娼館で出会った菊仙と結婚してしまいます。

この菊仙と蝶衣。同じ男を愛したライバルではあるんだけど、お互いの悲しいとか辛いとかに気付いてあげられるのは小樓じゃなくて、蝶衣であり菊仙なんだ…と感じる部分ちらほらあって、悲しくもあり美しくもありとっても印象に残りました。でも友だちにはなれない。相容れないけど、なんて表現していいかわからない絆みたいなものがある感じ。

小樓は良くも悪くも普通の人だと思うので、その普通の淡白さみたいなのと、蝶衣・菊仙の濃い味の激しい愛の差がまた良かったです。ヒロイン(と言っていいのか)二人の愛、キレイなだけじゃないところも含めて私はとても好きです。

そして蝶衣を演じているレスリー・チャンがもうずっとすばらしい…私は『ブエノスアイレス』で初めて彼を知り、あれもとっても好きです。映画を観ている時にはあのちょっと寂しそうな顔がすごく魅力的だと感じるし、観終わったあとには、もう彼は映画の中にしかいないんだったと思い出して切なくなっちゃう。見るたびなんかギュッとなってしまう役者さんです。

この『さらば、わが愛 覇王別姫』は1993年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しているのですが、この年は『ピアノ・レッスン』も同時に受賞しているそう。すごい年!確かにこの2作どっちか選んでと言われても困っちゃう。両方にあげちゃお。たまたま『ピアノ・レッスン』も最近観たところだったので、この情報におおっ!となりました。


そんな感じで今週は1本だけなんですけど、すごく大きな1本でした。観終わってから「そういえばあのとき…」と思い返すシーンが多くていつまでも味がする…。

来週はベイスターズの試合はあるもののビジターゲームで、スカパーなど未契約の私は見られなさそう。残念。速報を追いつつ、映画を何本か観られたらいいなと思います。家で試合が観られるとやっぱりペースが落ちるのだなあ!と早速思い知った一週間でした。

野球も私なりに楽しんではいるのですがまだまだ知らないことばかり!今年は詳しい友だちができるといいな~

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?