【ツアレポ】お気に入りの春服を漆黒の黒へ!名古屋黒紋付染職人と「染め替え」体験ツアー
こんにちは、大ナゴヤツアーズです。
今回のツアーレポートは大正8年に創業された名古屋黒紋付染の山勝染工におじゃましました。「お気に入りの春服を漆黒の黒へ!名古屋黒紋付染職人と「染め替え」体験ツアー」です。
それでは2019年5月18日(土)に開催した時の様子を中心に、ちょっとだけお伝えしますよ。
受け継がれてきた深みのある黒
尾張藩の武士から始まったとされ、長年守り引き継がれてきた伝統の技が日本の伝統的工芸品に指定されている名古屋黒紋付染。「山勝の黒」を探求し、その黒は「新品より黒い」とまでいわれる山勝染工では、着物文化に根付いていた染め替えを、今の時代にかなった方法で受け継いでいます。
「失われつつある日本の風景を残したい」
今回のガイドは山勝染工の中村さん。伝統工芸で培われてきた技術を活かしたいと、着物以外にもファッションブランドの商品開発など新しい取り組みをされています。はじめに、紋章や名古屋黒紋付染の起こりのお話を伺いました。
学生に「自分の家の家紋は何ですか?」と質問すると、ほとんどの人が答えられないそうです。昔は紋付き袴に必ず家紋が和服の文化が失われていくなかで、家紋の文化も一緒に失われてつつあるのだと言います。
袴の模様は「染めない場所」によって出来上がります。その方法はいたってシンプルで圧力を利用しており、昔の人の知恵に驚かされます。
黒く染める
お持ちの服をどうして染め替えることにしたのか伺ってみると、形は気に入っているけれど色が褪せてしまって外で着るのをためらっていたという方が多いです。中には、アイロンがけのときに焦がしてしまったという方も。そんな想いに応えるのが、この染め替えの技法です。
熱に弱いとされるボタンをはずすなど、下準備をしてから隣の工場へ。
まずは汚れを落とします。
その後、服を黒へ染めていきます。職人さんに手ほどきを受けながら、自分で染料につけさせていただきました。黒一色の染料だけでは十分な深みのある黒がでないので、古来より紅下染めが行われてきました。生地の5%程の紅の染料を熱湯に溶かして染液を作り、それを染浴槽に入れ生地を染める方法です。長年経験のある職人にしか分からない染料の調整が行われていました。
名古屋めし20選に選ばれたうどん
染料につけている間はお昼ご飯!工房から歩いてすぐのうどん屋さん「正盛」は名古屋めし20選に選ばれています。みなさんお好みのメニューを選びましたが、多くの方が、お店自慢の味噌煮込みうどんをいただきました!
漆黒によみがえる
いよいよ「漆黒」とご対面です!中村さんが「どこにいっても負けない純粋な黒」と胸を張る、先祖から受け継いだ黒が自分のものに。鮮やかだったシャツも、ご覧の通り「漆黒」になりました!アイロンの跡もわかりません。思った以上のできあがりにみなさまから歓声が上がります。
ツアー後は山勝染工の商品もご購入できますよ!
持ち寄った服はそれぞれに思い入れがあるものです。そんな気持ちに寄り添うように「本物の黒染」と同じ技法で染めてもらうお気に入りの服。見違えるような出来上がりに、これまでよりもずっと愛着が増しました。
――――――――――――――――――――――
開催地:愛知県名古屋市
ガイド:中村剛大さん / 山勝染工株式会社
ガイドさんHP:山勝染工株式会社
⇩ これから開催のツアーはこちら
※ツアーの内容や体験内容はレポートと異なる場合があります。