【ツアレポ】うつくしいうつわに恋して。暮らしの道具、白磁食器ツアー
こんにちは、大ナゴヤツアーズです。
今回のツアーレポートは、
5度のグッドデザイン賞を受賞し、「型」という響きからは想像ができないほど、丁寧な手仕事でつくられる深山の現場におじゃまさせていただいた「うつくしいうつわに恋して。暮らしの道具、白磁食器ツアー」。
それでは2019年5月11日(土)に開催した時の様子を中心に、ちょっとだけお伝えしますよ。
「型」についてのお話
瑞浪市で採れる土は粘土分が少なく、何度も焼くことで強くなるという性質が磁器に向いていたため、昔から洋食器の一大生産地として産業が花開きました。
型を使用していると聞くと大量生産に向いていると想像してしまいますが、意外にも電動ろくろが1日に3000個ほど作れるのに対して、200個程度。さらに、職人さんの手で一つ一つの工程を丁寧に施しているため、意外にも手作業がたくさんあるのだとか。
鋳型に土を注いでつくる鋳込み形成では、わずかに注ぎ口の跡が残るのそうで、「ここが鋳込み口ですね」と柴田さん。「イコミグチ」。ついつい口に出したくなる名称にみなさんしばらくハマっていました。
形も大きさもさまざまな型が工場内に所狭しと保管されており、これらは一定回数使用すると廃棄になるそうです。型といってもずっと使えるわけではないんですね。
焼成工場へ
深山では、焼くことで光沢や質感がでる釉薬を素焼き状態で一度吸着させています。非常に吸水性が高いため、釉薬をつける際には、一回でムラなくつける必要があります。数回に分けてしまうと、場所によって吸水性が変わってしまうんだそうで、この時は特別に釉薬つけ体験をさせてもらいましたが、むずかしい!
銅板転写はペリーが来航したころからあるとてもクラシカルな技法で明治中期に主流だった手法です。しかひし、手間がかかるため20年前にはほとんど使われなくなっていた技法だったそうなのですが、見た目の美しさや焼き物の味わいが出ることから、深山では再びこの技法での生産を始めたのだそうです。
磁器の白さを追求するために、美濃地方ではさまざまな土をブレンドして白さを出しています。また、薄さと釉薬によって光が優しく透けるうつわは、磁器でありながらまるで白いガラスのようです。ガラス質を多く含んだ素材を1350度で焼くことでこのような仕上がりになるのだそうです。
銅版転写体験
最後はさきほど工場で見た銅板転写の体験。転写シートを巻き付けて水をつけた刷毛でトントントンと転写をしていきます。一見簡単そうな作業ですが、模様のつなぎ目が綺麗にぴったりと合うようにしたり、力の入れ具合によって綺麗に転写されなかったりと繊細な作業です。
店頭で見かけるプロダクトとしてつくられたものにも、職人一人ひとりの手が丁寧に加わっており、その工程と現場を見ることで、より一層の愛着を持てると感じました。お土産にもらったイゾラパレットプレートはみなさんどんなふうに使っているのでしょうか。
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開催地:岐阜県瑞浪市
ガイド:柴田正太郎さん / 株式会社 深山 商品戦略室 室長
ガイドさんHP:深山
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