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【ツアレポ】学芸員がご案内! ノリタケの森とミュージアムをぐるりと巡るツアー

こんにちは、大ナゴヤツアーズです。
今回のツアーレポートは、
「学芸員がご案内!ノリタケの森とミュージアムをぐるりと巡るツアー」。
2019年10月5日(土)に開催した時の様子を中心に、ちょっとだけお伝えします。

白い磁器

学芸員がご案内!ノリタケの森とミュージアムをぐるりと巡るツアー愛知名古屋noritake

ツアーのはじまりはやきものの話から。
真っ白い磁器は1001年に中国の景徳鎮でつくられ、日本では1601年に有田が製作に成功します。大航海時代以降、ヨーロッパの王侯貴族の間で東洋の白い磁器はステータスの象徴であり、金や銀より高価だったのだそうです。その頃、明の衰退により、ヨーロッパ諸国は日本から白い磁器の買い付けをするようになります。その後18世紀にヨーロッパでも白い磁器の製作に成功し、現在のマイセン、アウガルテンへと続いています。

学芸員がご案内!ノリタケの森とミュージアムをぐるりと巡るツアー愛知名古屋noritake2

欧米の日常食器であるディナーセットの製造を目的として、明治時代に創業したノリタケ。クラフトセンター、ミュージアムを実際にご覧にただきながら、その歴史や製造工程などを体感していきます。

クラフトセンター

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食器を型から外したバリを取ったりなど、ほとんどの作業を職人が手作業で行っているところが見れます。置物の作成では、すべてを同じ形にするために焼き締め時の収縮度合いが同じになる「トチ」と呼ばれるものも一緒に作成するため、材料費が倍かかるのだそうですよ!

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陶磁器用の絵の具で印刷したシールが今の主流ですが、ノリタケでは現在も素描の手法での作成も行っています。熟練した職人の手書きの絵付け技法は代々先輩から後輩に書き方を受け継いでいっているのだとか。

ミュージアム

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パリ万博のころには洋風の絵柄のものを作成。おもて面は輸入した転写紙を使用しているが、裏面はコスト削減のために当時の職人が手書きをしたという。当時の日本は転写紙より人件費の方が安かったためなのだとか。

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当時ノリタケがアメリカで受注するために使用したのがこちらのカタログ。非常に精巧に描かれており、実際に磁器に施す盛り上げの技法も施されています。これを持って営業マンがアメリカ中を回っていたのだそう。ちなみにこのカタログは戦時中も持って逃げるくらい大変貴重なノリタケの財産なのだとか。

現在のノリタケ

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現在ノリタケでは食器だけに留まらず、自動車関連部品や半導体、研磨用砥石など数多くの製品を生み出しているが、それらはすべて食器生産の技術から派生したものなのだそうですよ。

ノリタケの森

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ノリタケの森のシンボルである赤レンガの建物は、かつて使われていた工場で、現在は耐震の関係で中に入れませんが、中にもいまは土練機等が置かれていたり、大正時代に増築してるため、変なところに窓あったりと、当時のままの形で残されています。

いまでは近くの会社員やお住まいの方がの憩いの場となっているノリタケの森ですが、ガイドの中井さんのもと、日本の窯業を支えてきたノリタケをどっぷりと知ることができました。

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開催地:愛知県名古屋市
ガイド:中井宏美さん / ノリタケの森 ノリタケミュージアム学芸員


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