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磐梯熱海温泉③~朝食バイキング~

2019年5月、父方の祖父の米寿を祝うために地元郡山に帰省した私と妻は、宿の貸切風呂に食事、地元のウィスキーを堪能し朝を迎えた。

朝、目を覚ますと私たちはすぐに温泉に入った。

昨日は石風呂に入ったので、檜風呂に入る。

木の程よい硬さや、ほのかな香りが眠気が少し残る体に優しい。

朝日を浴びながら温泉に入ると、身も心も清められているような気分になる。

水面に映る自分の顔は薄っすら笑っていて、気持ち悪いと思ったが自然に笑みが出てきてしまう。

とにかく、朝の温泉は気持ちがいい。

浴槽から見える新緑の景色が、またさわやかな気持ちにさせてくれる。

すっかり、目が覚め腹が減ってきたので朝食バイキングに向かう。

食事処に入る前に、入口から登山の恰好をした人たちが出ていくのが見えた。

バイキングは昨日の夕飯に比べると、わりと質素な品ぞろえに見えるがそれがいい。

朝は、安心して食べられるものをもりもり食べたいのだ。

鮭に卵焼き、ひじきの煮物、それが少し柔らかめのご飯に会う。

調子に乗って洋食コーナーのソーセージやベーコンも取ってくる。

「納豆はないんだね…」

食いしん坊な妻が少し悲しそうにしていた。

たしかに、このラインナップで納豆がないのは不思議である。

よく見ると、刻んだネギの入った器の近くにスペースがあった。

おそらくそこは納豆が置いてあったのだろう、先に来た人たちが取りつくしたと思われる。

そんなことを考えていると、入口から入ってきた店の人が息を切らせて納豆を置き始めた。

すると、他のお客たちが納豆をとりに行き始めた。妻を見るとすでに立ち上がっていた。

その光景を見てここまで日本人は納豆が好きなのかと感心した。

食後に暖かい緑茶を飲みながら部屋で一休みしていると、母が車で迎えに来てくれた。


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