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"LIFE is great. Sometimes, though, you just have to put up with a little more CRAP" ー "Four in the morning, CRAPPED out, yawning, longing my LIFE away"

ただの言葉遊びかよ。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。前者はマイケル・J・フォックスの言葉。後者はポール・サイモンの "Still Crazy After All These Years" の歌詞。それと、タイトル上の写真は、"LIFE is great" ならぬ "LIFE is good", これにはさしたる意味はなくて、Life is great でイメージをググったら、これも一緒に出てきて、他のよりこの「絵柄」が気に入ったから。

マイケル・J・フォックスとその著書「ラッキーマン」については、昨日の投稿テキストで言及した。ポール・サイモンの "Still Crazy After All These Years" は、以前、その歌詞に自分が訳した日本語をつけて、投稿している。後ろの方で、リンクを貼っておきます。

マイケル・J・フォックスは 1961年6月9日生まれと言うから、前年の 911生まれの自分とほぼ同世代。おお、同世代じゃんかよ。もちろん、こっちが知ってるだけのこと。言わずもがなか(笑)。 

20代前半で「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で世界的に有名な俳優になったマイケル・J・フォックスだけれど、30歳になるよりも少し前から病に侵され始め、1991年、30歳の時に、それがパーキンソン病だとわかり、その後の人生は一筋縄でいかないものになった。そんな彼がその困難を乗り越え、それまでの人生を本にしたのが "Lucky Man: A Memoir" (2002年) で、自分はその本のことが、日本語翻訳版「ラッキーマン」の新聞広告を見た2003年の初め頃から、ずっと気になっていた。その理由は、

「神様、自分では変えられないことを受け入れる平静さと、自分で変えられることは変える勇気と、そのちがいがわかるだけの知恵をお与え下さい。」

昨日の投稿に転載した当時の日記に書いたように、これは広告のコピーとして使われていた彼の言葉なんだけれども、もともとその本の何ページかに書いてある言葉なのかもしれないと思いつつ、本を読む前から、この言葉そのものにかなり惹かれていた。

無神論者である自分には、始めと終わりはあまり関係ない。要は、「自分では変えられないことを受け入れる」平静さ、「自分で変えられることは変える」勇気、そのちがい、ということ、その意味するところに惹かれていたわけだけれども、当時の自分にはとりわけ、「自分では変えられないことを受け入れる」、これが、なんというか、頭というか心というか、とにかくその奥底に静かに音も立てず迫ってくる感じだった。惹かれる、引かれる、というより、あっちが迫ってきたのかな。いや、こっちが引っ張られる感じ。まぁそれはどっちでもいいか。

いろいろあって、いろいろあり過ぎて、とりあえずここでさらっと書けるようなものではないんだが(要するに昨日の投稿に書いた「人生のポケット」に入っていたんだが)、気になってから9年後、それはまだ「人生のポケット」期真っ只中ではあるんだけれども、ようやく2012年になって「ラッキーマン 」を買い、そして、読んだ。

「神様、自分では変えられないことを受け入れる平静さと、自分で変えられることは変える勇気と、そのちがいがわかるだけの知恵をお与え下さい。」という言葉は、あの本、日本語翻訳版の395頁にある(500頁近い頁数だから、そこそこ厚い文庫本)。ただ、これからあれを読む人がいるなら、勿論いきなりあの頁を開くんじゃなくて、ちゃんと最初から読んだ方がいい。

今日の投稿のタイトルの前半に引いた言葉、そして下に載せる言葉は、マイケル・J・フォックスの言葉で、随分と前から自分で記録してあるものだけれども、それらは彼が著書 "Lucky Man: A Memoir" の中で語っている言葉だったか、別の場所で言った言葉だったか、いま即座には思い出せない。しばらくググってれば分かるのかもしれないが、まぁ今日のところはいいや。たぶん、"Lucky Man: A Memoir" の中にある彼の言葉なんだと思うが、今も持っている日本語翻訳版「ラッキーマン」では、「神様、自分では変えられないことを受け入れる平静さと、自分で変えられることは変える勇気と、そのちがいがわかるだけの知恵をお与え下さい。」については頁の左上を中に自分で折り込んでいて直ぐに分かるものの、その他については、時間をかけて捲っていかないとはっきりしない。

"Life is great. Sometimes, though, you just have to put up with a little more crap."

"My Parkinson's disease has given me, the chance to appreciate a wonderful life and career, and the opportunity to help search for a cure and spread public awareness of that disease."

"So I am a very lucky man, indeed."

どれもいい言葉だけれど、2つ目は彼自身の体験に根ざした言葉(その上で 3番目のように、自分はかなりラッキーな男に違いない、というような意味のことを言っている彼は素晴らしいと思う)。全部いいけれど、自分が、個人的に特に惹かれるのは、最初のやつ。

意訳だけれど、「生きるってことは実に愉快だ。ただ、クソみたいに酷くつまらないことに耐えなくてはいけない時もあるのさ」。

CRAP は綺麗な言葉ではないですね(しかし禁忌の言葉ではない、たぶん)。名詞だとクソ、糞、うんち。そこから「くず、ごみ、くだらないこと、戯言」といった意味も。要するに SHIT と同じようなものだけれど、単語としては SHIT の方が強意になるらしい。

CRAP は動詞として使うと、クソをする、うんちをする。鳥獣類が主語で、彼らがフンをした、糞をしたっていうような時にも使える言葉。ただ、CRAP OUT という句動詞があって、これは(機械類が)故障するとか、あるいは主語が人間ならば、失敗するとか、(怖くなって)手を引くとか、中止する、やめる、(疲れたので)休憩する、とかいった意味になる。

自分が CRAP という言葉で直ぐ思い出す歌は、ポール・サイモンの1975年リリースのアルバム "Still Crazy After All These Years" (賞というのは後からついてくるものに過ぎなくて、賞を取ってなくても素晴らしいものは幾らでもあるが、このアルバムはグラミー賞の最優秀アルバムを受賞している、と書くのはポール・サイモンの音楽をあまりよくは知らない人がそれで関心を持てばそれに越したことがないので、嗚呼長い括弧だね) のタイトル曲。アルバムの1曲目に入ってる。 

その歌、"Still Crazy After All These Years" の歌詞にある、"Four in the morning, crapped out, yawning, longing my life away", ここに crap out が使われていて、自分はこれは「明け方の4時, くたびれて, あくびをしながら, 僕の人生なんて消えてしまえばいいって思う」 という日本語にしてみた。

この歌の歌詞を訳してみたときの自分は「人生のポケット」(2002年上期から2016年の初め頃までと何しろ長い!)期の真っ只中にあった2007年1月、46歳の時だけど、この歌を初めて聴いたのは、LPを買って聴いたのが1975年の晩秋ごろだから、15歳の時。中学3年だった。それからだんだん大人になって、不惑のはずの40歳を過ぎてから、「人生のポケット」なんつーものに嵌まり込んで、「明け方の4時, くたびれて, あくびをしながら, 俺の人生なんて消えてしまえばいいって思う」ような時もあったけれども、まぁ暗くて深い「人生のポケット」の深い深い底をなんとはなしに齧っていたらポケットに穴が開いてストンと落ち、「人生のズボン」(なんだそれ)の裾から出て、結果、いつの間にか、要するに、思いがけなく、娑婆に出ることになっていた。それが今から4年半余り前、2016年1月末か2月初め辺りのこと。

ポール・サイモンが "Still Crazy After All These Years" を書いたのは、正確に言うと、彼が33歳の時だと思う。だからというわけでは全くないが、「明け方の4時, くたびれて, あくびをしながら, 僕の人生なんて消えてしまえばいいって思う」という歌を聴いて、自分自身は、あれが投げやりな感じの歌、歌詞だとは全く思わない。投げやりだと感じたことはなかったし、あの歌の歌詞を訳した時も、そうだった。あれは投げやりに見えて、その実、そうではない。

というわけで(どういうわけだ?こういうわけだ)、「人生のポケット」投稿と、「神様、自分では変えられないことを受け入れる平静さと、自分で変えられることは変える勇気と、そのちがいがわかるだけの知恵をお与え下さい」投稿と、 "Still Crazy After All These Years" 投稿へのリンク。

どういうわけだ? どれでもいいし、全部でもいいから、せっかく書いたので、一人でも読者が増えればそれに越したことはないから。そんなもんか。そんなもんだ。いや、それだけではない。かも、しれ、ない。そういうわけだ。 


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