一日目:美術館に向かったが・・・
『最後の晩餐』が見られるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会からブレラ絵画館まで向かう。途中サン・マウリツィオ教会に寄ったり、いつの間にか隣の考古博物館に入っていたりしながら歩いた。
ブレラ絵画館近辺になると人の数が増えていた。
皆目的地は同じようだ。
チケットを購入しようと大きなボードの前に行くと、
『sold out』
そんな人気だったのか。事前に予約が必要なぐらいに。
後から知ったが、その日は入館日無料デーだったらしい。
そのため皆予約をしてプリントアウトした紙を持っていたようだ
これからどうしようと近くの椅子に座り、地球の歩き方を開いた。
すると、
「日本人の方ですか?」
と同じベンチに座っていた人から話しかけられた。
なぜ分かった?服装?
あぁそうか『地球の歩き方』を持ってるからか。
話しかけてきたのは、美術館入り口で見かけた10代から20代ぐらいの男の子だった。
日本人の男の子という感じの今流行りのおしゃれな服装。
いや関東っぽい感じ。
「いつからイタリアに来られてるんですか?」
と言われる。
「今日着きました」と答える。
「どこから来られたんですか?」と尋ねると
「東京なんですけど、千葉の大学に行ってるんです」
と答えてくれた。
それはその男の子のファッションが物語っていたけれど、その男の子が標準語を話していることに私は感動した。
私の身の回りでは標準語を話している人はいない。
テレビでいつも標準語を聞いているはずだけれど、直に聞く標準語は何か違う印象を受けた。耳馴染みがない発音だった。
海外で日本人に会うと当たり前だけれど、日本全国色々な所から来ているんだよなと気づかされる。
私はこれまで地元をほとんど出ずに過ごしてきた。
なので正直、標準語は話せないし、文章でも表現することが難しい時がある。身の回りからも方言しか聞こえてこない。
標準語って舌かみそうなぐらいすごくちゃんとお話をするんだな。
日本語を省略せずきちんと話していてすごい。
「私は・・・」
と出身地を言おうとしたら、もう話している言葉でばれていた。
日本人の皆さんは、標準語を気軽に話せるのだろうか。
改めて日本って広いんだなと感じた。
その男の子は、これからスイス、インド、台湾と一週間ずつ回るらしい。
建築に興味があり、色々見て回るそうだ。
各国気温差が激しいのに一週間ごととはさすが体力があるな。
私はもうすでに日差しのきつさにやられているよ。
現代の大学生は夏休みをちゃんと考えて有意義に過ごしていることに尊敬の念を抱いた。
がんばれ、若者。
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