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台中 青草街を探しに

市場では乾物屋のおばさんがナツメを味見させてくれ、父はイチジクの干したものそして釈迦頭とロンブーを購入した。

市場を往復するとまた行くところがなくなった。


父親がこの近くに漢方ばかりを売っている『青草街』という所があると本に載っていたから見に行ってみようという。
早速googleマップに『青草街』と入力するがでてこない。お店の名前だけが出てくる。お店の説明には「ハーブ専門店」と書かれている。


欧米風にいうと漢方はハーブなのか?


折角行ったのに本当にハーブ店だったらどうしようと思いながら、googleマップにその位置を指定し、案内してもらう。

駅から15分ほど歩くと、途中に越南(ベトナム)街があった。


母が亡くなる年、父親と行っていた旅行先がベトナムだった。食べ物もおいしく、おもしろい所だったけれど、母がこの留守番している間に体調が悪くなった思い出もあるので少し罪悪感のようなものも感じる国だ。
(まぁこれは私が勝手に感じているだけで、行くととても興味深いので一度訪れるのにおすすめの国ではあります。)

でも母を亡くした疲れを癒しに行った台湾で、同じ年の夏に行った越南を台湾で見ることができた縁を感じた。


googleマップでみるとこの辺りは素食(ベジタリアン)レストランがとても多くあるようだった。ベトナム料理も野菜が豊富なメニューが多いので、今台中で素食が流行っているのだろうか。


googleに「この辺だよ」と告げられる。
全く漢方とかの雰囲気もない。なんか無人の会社らしきものとベトナム料理やさんが並んでいるだけなんだけど。


しばらく辺りをうろうろしながら周囲を探す。
左手に10mほどの通りにやたら緑がいっぱいの通りがあった。


あれか?

あれはそこに住んでいる人が植物を育てているのだけではないのか?


うーん、引き返す?


と言いながら横を見ると、看板が目に入った。


見えるでしょうか?『青草街』


ねぇ、絶対わかんないよ!


看板埋もれているし!



まぁ無事に目的地についた。

へぇこの辺ですかぁと言いながら緑いっぱいの方向へ行くと、
おそらく住宅兼お店兼倉庫のようなになっているようだった。



おそるおそる進んでいく。
確かに漢方の飲み物を売っている。



本当は挑戦してみたかったけれど、勇気がでなかった


本当は漢方の飲み物に挑戦したかったのだけれど、お店の人がいない。
道も誰一人通らない。
これで生計は成り立つのか?問屋さんとしてどこかに卸しているのか、いややっぱり最近はネットで商売がされているのか。


香港では同じ漢方の飲み物を売っていても、とても活気があるように感じたが、ここでは時が止まっているようだった。


と思っていると、いた。おじさんが目の前に座っていた。


大きな音でラジオが鳴っているなか、じっと座っていた。


アジア版ハリーポッターの世界だと思った。



ただただ座っているだけだなんて、一昨日まで半分病みながらしていた私の仕事のようだ。一日誰とも話さず座り続けて、おじさんがどのような気持ちでいるのか色々思いをはせてしまった。

まぁたまたまかもしれないけれど。



もうひとつ有名な漢方やさんもあった。ここは奥でおじさんがテレビを見ていた。こちらは少し動きがあった。中は確かにたくさんの漢方なのかなにか薬か、枯れたような茶色のものがたくさん置かれていた。でもきっちり整頓はされている。


すごく有名な漢方やさんらしい



どちらにせよ全く人通りもなく、でも緑がいっぱい置いてあり、世間の喧騒からかけ離れた不思議な通りだった。






誰もいない ちょっと夏のような雰囲気だった

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