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稲盛和夫氏に学ぶ、日本製鉄はUSWをどう説得すれば良いのか

 全米鉄鋼労働組合(USW)が、日本製鉄の米USスチール買収に反対する声をあげている。

 日経ニュースプラスナイン(テレ東×日経の経済番組)にて、日本製鉄のトップがアメリカのUSスチール買収に向けてどう動くべきかを、京セラの創業者である稲盛和夫氏が行ったM&Aを例に挙げて解説していた。今回はその内容をまとめる。

 稲盛氏率いる京セラは1990年、アメリカの電子部品大手AVX(現KAVX)を買収した。他にも米・欧・アジアの11社の買収を行っている。稲盛氏は「和魂洋才」で海外買収に成功している。和魂洋才とは、日本の倫理観に自信を持ち、欧米の経営管理は徹底的に学べという考え方だ。

 日本の経営には、日本人特有の思いやりや以心伝心といった考え方がある。国内ではそれで良いかもしれないが、アメリカとの取引となると以心伝心なんかは絶対に通じない。ダメな時ははっきりノーと言わないと相手は理解してくれない。日本企業の経営者は日本企業の良さを維持しつつ、アメリカ企業の良さ(実力主義等)を取り入れるべきだと教えている。
 
 稲盛氏がAVXを買収した時、年間6回もAVXのトップと会合したという。懇親会や、食事会をしたり、お酒を共に飲んで、自分の考えを理解してもらうことに時間を費やした。


 海外企業の買収はとにかく対話が大切だ。文化の違いを理解し、M&AによってUSW側に利益が生まれることを懇切丁寧に話すことが必要だ。現地に足を運んで、USWの組員と意見を交わしたりする地道な努力が身を結ぶだろう。

 日本製鉄による、USSの買収が成功すれば日本にとって追い風となる。是非、稲盛氏の教えを活かし、成功に導いて欲しい。


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