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【特別編・試験Ⅱ問題6】日本語教育能力検定試験まとめ

#日本語教育能力検定試験#独学#過去問

みなさん、こんにちは。大根です。この記事は、以下の動画の原稿を公開しているものです。(全7401文字)

以下の表は、動画の中でお伝えした”過去9年間の選択肢に出た用語のうち、僕が難しいと感じる用語の一覧表”です。表をヒントに、ぜひご自身でそれぞれの用語の意味を調べてみてください。

平成25年度〜令和3年度 試験Ⅱ問題6 難用語を含んだ選択肢一覧表

以下の表は、動画を作るにあたってまとめた、”平成25年度から令和3年度までの問題6を分析した結果をまとめた一覧表”の抜粋です。一覧表の全てをご覧になりたい方は、この記事を購入していただき、記事の最下部のPDFをダウンロードください。みなさん自身が過去問研究するのに役立つと思います。

平成25年度〜令和3年度 試験Ⅱ問題6 分析結果一覧表(抜粋 ※有料部分に全部掲載)

*2023年7月9日に、”平成25年度から令和4年度”までの問題6を分析した結果をまとめた一覧表を以下のリンク先の記事にて有料公開し始めました。最新の一覧表が必要な場合は、以下のリンク先の記事にてご購入ください。

オープニング

特別編、「試験Ⅱ 問題6」の研究です。

試験Ⅱの試験時間は全体で30分間とされています。昼食休憩後の一番眠い時間帯に、30分間も“聞くこと”に集中しなきゃいけない試験なんでかなり疲れます。
その最後の最後にあるのが、今回扱う問題6です。

「あとはこの問題6だけだ〜」と気が抜けてしまいそうになりますが、みなさんが気を抜かずに集中して満点をゲットできるようになるために、今日は次の4つのトピックでお届けします。

1.問題6ってどんな問題?(問題6の特徴)
2. 絶対覚えるべき選択肢トップ10!(問題6で出やすい問題)
3.これで満点ゲット!必勝の4ステップ(試験当日のおすすめの取り組み方)
4.問題6は●●を準備せよっ!(試験までの準備)

この動画も、聴解問題に負けないくらいの集中力でぜひ最後までご視聴ください!
では、1つ目のトピックに行きましょう〜!

1.問題6ってどんな問題?(問題6の特徴)

この問題6には、設問が1番〜8番まであります。つまり8点です。試験Ⅱ自体が、全部で40問40点なので、その20%の点数がこの問題6ということです。
検定試験の合格の得点率が70%と言われていますから、この問題6は満点を取りたいところですよね〜。そこで、「まずは敵を知ろう」と言うことで、問題6について大事な特徴を3つお伝えします。

特徴1

問題6では、始めに例が示されます。平成26年度以降、毎年同じものです。

「先生の本に、とても興味しました。」
「興味しました」の部分、動詞と名詞を混同してしまっている誤りです。

ちなみに平成25年度はどういうものだったかというと、

「友達は、私にプレゼントをあげました。」
「くれる」と「あげる」の授受表現の誤りが見られます。

この例の説明が、約1分間あります。この1分間、例を聞いていてももちろん良いですが、毎年同じなので聞かなくてもいいですよね。できればその時間を有効活用したいところです。その有効活用方法を、3つ目のトピック「これで満点ゲット!必勝の4ステップ!」の中でお話しします。

特徴2

音声が流れるのはたった1度だけです。つまり、ちょっとでも聞き漏らしてしまったら、即試合終了です。
1つ1つの問題は沈黙時間まで入れても20秒くらいしかありませんので、8問全てを解くのに160秒。たった2分40秒ですが、聞くことに集中しまくった試験Ⅱの最後の最後のこの2分40秒間は、本当に辛いです。主催団体のJEESには、ドSの人が多いのかしら?と思ってしまいます。
気を抜きたくなる誘惑に負けちゃダメです!全てのマークシートを塗り終える瞬間まで集中です!

特徴3

過去9年間の問題6の8問、合計72問を分析した結果、「文法上の誤り」を問うものが68問でした。

残り4問はどういうものだったかというと、「発音上の誤り」が3問。「音位転換が生じている」、「転音が起こっていない」、「連濁が起こっていない」。
それから、「熟字訓の読み方の誤り」というのも1問だけありました。

と、言うことは、学習者が日本語学習においてやりがちな「文法上の誤り」を押さえておけば、この問題6対策になるということです!

「えっ?学習者の文法上の誤りなんて知らないんですけど!」って?

良い例が検定試験の中にあるじゃないですか〜。それについては、今日の最後のトピック「問題6は●●を準備せよっ!」の中でお話しします。

以上3つの特徴があるんだということを覚えておいてください。
そしてこれら3つの特徴を踏まえて、試験本番でどう戦うかをトピック3「これで満点ゲット!必勝の4ステップ!」の中で、試験までの学習をどう進めるかをトピック4「問題6は●●を準備せよっ!」の中でお話しします。

その前に、問題6で出やすい問題は何かを一緒に確認しましょう!

2.絶対覚えるべき選択肢トップ10!(問題6で出やすい問題)

平成25年度から令和3年度までの9年間、各年度8問ずつで合計72問を徹底分析しました。その結果、よく出題され、かつ正解にもなりやすい選択肢があることがわかりました。

登場回数の多い順トップ10を、ランキング形式でご紹介します!それらの選択肢とその例は、必ず覚えておいてください。次回の検定試験でも試験に出る確率が高い選択肢で、かつ、正解になる可能性も高いからです。そういうものがあると分かっているだけで、この問題6の難易度が下がりますよね。

では、トップ10の発表、いってみましょう!

第10位

過去9年間で2回登場し、その2回とも正解の選択肢でした。登場頻度は低いけれども、正解になりやすい選択肢と言えますね。10位タイで4種類あります。
「形式名詞の誤り」「呼応の誤り」「スピーチスタイルの誤り」「動詞の選択の誤り」です。

・形式名詞の誤り
「このお菓子は駅前のケーキ屋で買うのができますよ。」(令和2年度7番d)
これは、本来は「このお菓子は駅前のケーキ屋で買うことができますよ。」と言うべきです。

・呼応の誤り
「今日は500円しか持ってる。」(平成30年度2番d)
これは、「500円しか」に対応して「持っていない」と言わないといけないです。

・スピーチスタイルの誤り
「遅くなったが、明後日までにレポートをお送りします」(平成25年度6番b)
授業中、学習者から教師へのセリフでしょうか。後半が「明後日までにレポートをお送りします」という丁寧な言い方なので、前半は「遅くなりましたが、」などの言い方が良いですね。

・動詞の選択の誤り
「すみません。声が小さくてよく聞きませんから、もう一度言ってください。(平成29年度2番a)
どこが変でしょうか? 「よく聞きません」が変です。
「聞く」と「聞こえる」の動詞の選択を誤っています。

以上が第10位。過去9年間で2回登場し、その2回とも正解の選択肢となったものです。

第6位

過去9年間で4回登場。そのうち2回正解の選択肢となったものです。こちらも6位タイで4種類あります。
「使役形の不使用」「自動詞と他動詞の混同」「主語と述語のねじれ」「条件表現の誤り」です。

・使役形の不使用
「先生、これから大使館に行くので、早退していただけませんか?」(平成30年度7番)
こんなふうに言われたら、先生が早退しちゃいますね。正しくは、「先生、これから大使館に行くので、早退させていただけませんか?」と使役形を使わなといけませんね。

・自動詞と他動詞の混同
「昨日のメールが届けたかどうか教えてください。」(平成26年度2番c)
本来は「届いた」と言うべきところ、「届けた」と言ってしまっています。

・主語と述語のねじれ
これは例を見なくてもどういうものか分かりませんか?

例は、「最も重要なのは、毎日、日本語を話します。」(平成27年度8番c)
正しくは、「最も重要なのは、毎日、日本語を話すことです。」

・条件表現の誤り
「日本に行くと、ぜひ寿司を食べてください」(令和2年度3番c)
これ、我が家の小学2年生もよく言う誤りです。「日本に行ったら、ぜひ寿司を食べてください」のように言うのが正しいですね。

以上が第6位タイの4種類。過去9年間で4回登場し、そのうち2回正解の選択肢でした。

第5位

過去9年間で6回登場し、そのうち2回正解の選択肢となっています。
それは、「複合助詞の誤り」。
例は、「その試験は、私のためにとても重要です。」(平成27年度6番a)
これも、我が家の小学2年生がよく言う間違いです。「その試験は、私にとってとても重要です。」と言うべきです。生粋の日本人の子どもでも間違えるんですから、外国人が間違えるのも当然です。

第4位

第5位同様、過去9年間で6回登場しましたが、そのうち、正解となったのが3回ありました。それは、「助詞の誤り」です。
例は、「その人はスペインにとても有名です」(平成26年度5番b)
「その人はスペインでとても有名です」と言うべきです。たった一文字の違いです。時間的には一瞬です。でも、その一瞬を聞き逃したら、もうこの問題は解けません。なので、集中して音声を聞いてほしいと思います。

さぁ、ここからはベスト3です。

ベスト3は、出題頻度も高いですが、正解の選択肢となる確率も高いものがランクインしています。つまり、検定試験で見かけたら答えとなるかも!と警戒した方が良い選択肢ということです。

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