見出し画像

デザイナーのキャリアは今後どうなるのか?

こんにちは。キャリアコンサルタントの黒岡です。

私はこれまで数多くのスタートアップ企業の採用支援をして来ました。その中でどの会社も今こぞって採用強化しているのが「デザイナー」

特に「UIUXデザイナー」の採用はここ数年で急激に増加したと肌で感じます。実際doda調べでも「UX関連の求人数は3年で5倍」に増えたとの事。

そこで今回は、デザイナーキャリアについて市場やニーズ、求められる役割について、共有していきたいと思います。

デザイナーに求められる仕事はここ数年で大きく変化した

iphone等が誕生する前の2000年-2010年

その頃はWebサイトのデザイン等が大半で、自社で内製化するよりも、要件定義だけして、デザインの受託開発会社に外注する事が多かった様に思います。

その頃に求められていた役割は、「ビジュアルを綺麗にする事」位で、「リサーチ、体験設計や情報設計、ユーザビリティ」等までデザイナーが入り込む事は少なかったのではと。

この頃は、「感覚とセンス」を持ったデザイナーが重宝された時代だったのではないでしょうか?

しかし2010年以降、SaaSやモバイルアプリの爆発的な普及によりデザイナーに求められる仕事が変わっていきました。

プロダクトの全体設計をみないと、ユーザに真に価値を届けられないと感じたデザイナーの方々が、よりプロダクト開発、事業開発の上流へと染み出していった結果、現在のデザイナーの職務範囲になっているのでしょう。

UXデザインの5段階モデルとは?ビジネスにおける必要性から具体的な進め方まで詳しく解説!

また、特許庁の「デザイン経営の推進宣言」もデザインの価値向上に寄与したと思われます。これらの事からデザインはビジュアルだけでなく、体験やビジネスまでも含めた広義なものに大きく変化していきました。

市場価値の高いデザイナーとは?

私は日々数多くの企業から採用のご相談をいただきます。
その中で、求められるデザイナーさんの特徴をまとめていきます。

①プロダクト・サービスを作れるデザイナー

求人としては、「UIUXデザイナー」「プロダクトデザイナー」と言った名称で呼ばれます。

ユーザリサーチから機能要件の定義、情報設計、インターフェイス、ビジュアルデザインと一気通貫したプロダクトデザインが出来る方の採用ニーズは極めて向上していると考えられます。

美術大学を出て、Webデザイナーを経て、UIUXデザイナーという方が多いですが、最近は文系大学を経て、事業会社でのビジネス職種での経験を経て、UIUXデザイナーへというキャリアステップの方も多く見る様になりました。

「感性」を活かした「印象に残る」デザインというより、「ロジカル」な「ユーザが使いやすい分かりやすい」デザインが出来る人も増えて来ているのを実感しています。

また、最近は、ビジネスサイドとエンジニアの間の橋渡し的役割を担う「PM」の様な力を持ったデザイナーも増えて来ています。プロダクト開発全体に責任を持つ事が多くなったからと言えるでしょう。

今後、デジタル領域において、プロダクト・サービスを作れるデザイナーの需要はますます増加していくのだろうと感じます。

②企業やサービスを「魅せる」デザイナー

求人としては「コミュニケーションデザイナー」「アートディレクター」と言った名称で呼ばれます。

特にニーズが多いのは、「ブランディングやクリエイティブディレクション」といった「誰に、何を、どう見せていくか?」という戦略部分から思考し、実行できるデザイナーの需要は今後も高まり続けるでしょう。

企業もサービスも、よりその「ブランド」や「サービス」を使う「意義」を求められる時代です。

「機能」や「使いやすさ」だけでなく、ユーザに「意義共感」してもらえるか?がビジネスに大きな影響を及ぼします。

そこで、企業や経営者が描くビジョンやミッションを視覚的に表現できるデザイナーの需要は今後も高まり続けるでしょう。

デザイナーのよくある転職理由3選

求人として聞くだけでなく、デザイナーの方とも数多く転職相談に乗ります。

そこで、デザイナーの方によく言われる悩みを並べてみました。

①会社や組織がデザイナーの価値を分かってない

これが最たる理由かもしれません。例えば営業会社の中のデザイン組織で、「デザイナーの価値が伝わりづらい。成果が数字で見えづらいから評価されづらい。

本当に多くの方の声として聞く理由です。評価等で、「このデザインでこれだけ売り上げが上がった」等明確に言いづらいので、評価する側がデザインの価値を理解している事が重要ですね。

②同じチームに、学べるデザイナーが少ない

20代後半から30代前半のデザイナーの方に多くみられる転職理由です。まだまだデザイナーとして成長していきたい。と思った時に、気づけば自分が一番年上で、周りから学ぶ機会が減ってしまった。

少し職人気質であったりもするので、「この人から学びたい」と思える人が身近にいるか?も重要な要素ですね。

③中長期でプロダクトづくりにコミットできない

これはよく「制作会社」側にいるデザイナーの方の悩みとして多く聞きます。どうしても、制作会社なので「半年〜1年」でのプロダクトへのコミットとなり、プロダクトづくりに長く関わる事ができないという悩みですね。

この場合は、事業会社への転職を検討される方が多くいます。

これらのデザイナーの悩みをしっかりと理解し、アトラクトする事が、採用視点で考えると重要ですね。

デザイナーキャリアの目指す先

ここ数年で、デザイナーの社会的価値は大きく変化しました。

その為、デザイナーキャリアに分かりやすいステップはなく、常に時代の変化に敏感に対応しながら、キャリア構築をしていく必要があります。

一方で、経済産業省が示している「高度デザイン人材のイメージ」という資料では、下記の様に示しており、参考になります。

高度デザイン人材育成ガイドライン

今後、様々なテクノロジーや時代の変化により求められるスキルセットは大きく変わっていくかと思いますが、上記の方向性は普遍であるのではないでしょうか?

私が支援させて頂いているスタートアップ企業等では、デザイン組織のマネジメントができる「デザインマネージャー」が最近は強く求められる傾向にあると思います。

一方、大企業等では、既存のアセットを活用した新規事業創出に貢献いただける「サービスデザイナー」が求められる傾向にあります。

最後に、弊社Sun*が示すデザイナーのキャリアマップを共有しておきます。

VUCA時代を切り拓くデザイナーのキャリアとは?-前編-

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今日はデザイナーキャリアについてまとめてみました。

ここ数年でこれだけ期待される役割も価値も変化した職種はデザイナー以外にないと思います。

それだけ需要が拡大しながらも、まだまだデザイナーキャリアは分かりやすい道がありません。

だからこそ、常に需要や時代の流れを掴みながらキャリア構築をしてく必要があります。

もし、現在どんなデザイナーが求められているか?といったお話をご希望であれば、カジュアルにお話ししましょう。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?