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仕入れマーケットプレイスのFaireがシリーズEで$170Mを調達など:米国主要VC投資調査vol.17

今週は13件。やはりSequoia Capitalが多いですね。

お知らせ

7月から米国主要VC投資調査マガジンを始めました。

米国トップVCと呼ばれるAndreessen Horowitz、Kleiner Perkins、Sequoia Capitalの3社についてまとめています。スタートアップやベンチャーキャピタル、投資家の方の参考になれば幸いです。


【2020/10/26〜2020/11/01】

< Andreessen Horowitz:3社 >
・FidoCure $10M / Series A / 癌治療(犬用)
・Honor $140M / Series D / 医療(在宅介護)
・Toka $25M / Series B / セキュリティ(政府機関専用)

< Kleiner Perkins:2社 >
・Edlyft $1.4M / Seed / 教育(STEM)
・Stark $1.5M / Pre Seed / デザインツール

< Sequoia Capital:8社 >
・Bishi Technology $22.4M / Series B / AI
・Faire $170M / Series E / EC
・InVideo $15M / Series A / 動画編集
・SmartMore Technology $100M / Series A / AI
・Stairwell $4.5M / Seed / セキュリティ
・Strongdm $17M / Series A / セキュリティ(IDaaS)
・Rockset $40M / Series B / データ分析
・VanTop $45M / Series A / 家電製品

今週は13件お届けします。


・Andreessen Horowitz:3社

1. FidoCure $10M / Series A / 癌治療(犬用)

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参照元/URL:https://www.fidocure.com/

犬の癌治療薬を開発するFidoCureがシリーズAで$10Mを調達。

Polaris Partnersがリード、Andreessen Horowitz、Lerer Hippeau、Y-Combinator、Tau Ventures、Borealis Venturesが参加した。

あまり知られていない事実として、人間に効く癌治療は犬にも効くことがり、それは、人間と犬は共に進化してきた動物であり、癌の発生や進行は驚くほど似ているためだと言います。

FidoCureを提供するOne Healthの共同創設者でCEOのChristina Lopes氏は「犬のがん治療は過去30年であまり変わっていませんが、人間のがん治療、特に精密医療の分野ではとてつもなく進歩している」と述べています。

現在、米国の獣医腫瘍医の25%以上がFidoCureを採用し、すでに1,000以上の犬が登録されている。

北沢:記事にもありましたが、人間の癌治療から得られた情報を元に、犬の癌治療に最適化された治療ができるそうで、その逆もまた然りだそう。

調べたところ、National Canine Cancer Foundation(国立犬癌財団)が、犬は3頭に1頭が癌になるという報告を出していて、別の記事では死亡原因の第一位も癌と言われています。

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参照元:https://wearethecure.org/

僕自身は飼っていませんが、実家の方では犬を飼っていること、ペットは家族だという感覚も確かにあり、3頭に1頭が癌になるというのは驚きでした。

元々、動物用医薬品を販売する会社を経営していたBen Lewis氏と、起業の機会を探っていたChristina Lopes氏の共通点が、獣医学と動物の健康に興味を持っていたそう。

現在は夫婦での経営をしているという点も、今回のような事業であれば、大きなシナジー効果を生むのではないかと感じました。


2. Honor $140M / Series D / 医療(在宅介護)

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参照元/URL:https://www.joinhonor.com/

在宅介護プラットホームを提供するHonorがシリーズDで$140Mを調達。

Billie GiffordとT. Rowe Price Associatesがリード、
過去には、YelpのCEOであるJeremy Stoppelman氏に、PayPalマフィアの一人でSlideのCEOのMax Levchin氏も参加しました。

創業者のSeth Sternberg氏は、メッセージサービスMeeboの共同創業者でもあり、グーグルに売却した後は、Google+プラットフォームの責任者を務めていました。その後2014年にHonor を設立。

こうした在宅ケアに携わる労働者の平均賃金は時給9.50ドル程度と言われる中で、Honorは契約介助員に15ドルの最低賃金を保証しています。

Seth Sternberg氏は、将来Honorが200万人の介助員のネットワークとなることを期待している。

北沢:同社はHonor FamilyというアプリをiOS・Androidで提供しており、アプリ上で介助職員の名前や自宅訪問予定の確認、訪問スケジュールの変更、フィードバックなどができるそう。

この辺りはいかにストレスなくできるか?が重要だと思うので、アプリ上で完結するのは便利ですね。

また家族も提供されるサービスの内容や実績について詳しく知ることが可能とのこと。これは本人だけでなく家族も内容を把握することで、人材のミスマッチや、その他トラブルの予防をすることができてとても良いなと感じました。

過去のa16zとのエピソードで「Marc Andreessenは深夜2時にメールを送ってきて、新しいアイディアを提案するなど、熱心にHonorを応援していた。」ということがあったそうでなんだか意外でした。


3. Toka $25M / Series B / セキュリティ(政府機関専用)

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参照元/URL:https://www.tokagroup.com/

イスラエルのサイバーセキュリティ企業TokaがシリーズBで$25Mを調達。

Eclipse Venturesがリード、Andreessen Horowitz、Dell Technologies Capital、Entrée Capitalがシードに続くフォローオンで参加しました。

ボードメンバーには、共同創設者兼社長である元イスラエル国防軍准将のYaron Rosen氏、元チェック・ポイント事業開発担当VPのAlon Kantor氏、元サイバーモバイル企業のKayhutとGo Arcの創業者のKfir Waldman氏が参加。

そして、パートナーとしてイスラエルの元首相兼国防長官のEhud Barak氏によって2018年に設立されました。

同社は政府機関に限定したシステムを提供し、今年の5月にはこの分野のベテランであるMichael Anderson氏が、グローバルセールス担当VPとしてメンバーに加わった。

同氏はチェック・ポイント(CHKP)で、ストラテジックセールスおよびグローバルセールスのVPとして、製品の立ち上げと顧客の確保を担当していました。

北沢:政府機関のみを顧客にしているセキュリティ企業。情報機関や法務執行期間でもっと価値を提供することができているそうなのですが、採用していく国など、この辺りの詳細は分からず。

「約40のチャネルがある」という記載があったので、おそらく40カ国ではなく、40の機関で導入されているのではないかと思います。

シードでも名前があったEclipse Ventures、Andreessen Horowitz、Dell Technologies Capital、Entrée Capitalの4社が、フォローオンでも参加しているというのは、メンバーへの期待値に加えて、相手が政府機関だというのが大きいのかなと。

そのため事業として伸びると思いますが、つまづくことがあるとすれば、何かシステムトラブルがあった場合くらいでしょうか? この辺詳しい方に聞いてみたいです。

余談ですが、サイバーセキュリティと聞くたびに、ブラッディ・マンディと王様達のヴァイキングを思い出します。どちらもおもしろいマンガでした。


・Kleiner Perkins:2社

4. Edlyft $1.4M / Seed / 教育(STEM)

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参照元/URL:https://edlyft.com/

STEMにおける男女格差の解消を目指すEdlyftがシードで$1.4Mを調達。

Y Combinator、Kapor Capital、Kleiner Perkins、Village Global VC、Backstage Capital、January Ventures、Concrete Rose、27V、などから140万ドルのシードを調達しました。

Edlyftは、大学生や社会人がSTEMコースを受講するのを支援するプラットフォームで、包括的なメンターシップ、オンライングループのチューターセッション、コミュニティQ&Aツール、24時間アクセスできる過去のアーカイブ動画などを提供している。

Edlyftに参加したユーザーは、すぐに過去に訓練を受けたことがある学生メンターとマッチングされ、週に3回までの少人数グループ・チューター・セッションを実施することが可能。

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共同創設者であるArnelle Ansong氏は、「この秋にEdlyftに入学した学生の50%が女性で、メンターの52%が女性です」と述べています。

北沢:「STEM教育」は初めて知ったのですが、理系の教育分野の総称で、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字から名付けられたそう。

エンジェル投資家として、Jeff Weiner氏(LinkedIn会長)、Nick Caldwell氏(Twitter VP)、Emilie Choi氏(Coinbase COO)、Ryan Roslansky氏(LinkedIn CEO)なども参加しているそうで、シードで$1.4Mとはいえ豪華なメンバーではないかと。

また、奨学金という名のサポートをすることで、学生にEdlyftのコースを一期無料で受講させることができるプランもあることに驚きました。$180(1ヶ月コース/週6時間の個別サポート)から、$720(16週間コース/週6時間個別サポート)まであるとのこと。

オンライン学習・教育プラットフォームは過去にコーセラや、Lambda School、Eruditusなどを取り上げてきたのですが、こういった形で応援することができるのはとても良いですね。

時代の流れやタイミングとしても伸びるではと思いました。


5. Stark $1.5M / Pre Seed / デザインツール

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参照元/URL:https://www.getstark.co/

インクルーシブデザインを作成するためのツールを提供するStarkがプレシードで$1.5Mを調達。

個人ではDarling VenturesのDaniel Darling氏とPascal Unger氏、GithubのCTOであるJason Warner氏、VCはKleiner Perkins、Indicator Ventures、Basecamp Venturesが参加しました。

Starkはmデザイナーや開発者が製品を視覚障害者にとってより利用しやすいものにするためのツールを開発しています。

FigmaやSketch、AdobeXDでStarkのプラグインを使用し、色の編集や、その他提案を通して、視覚障害者のためのガイドラインに適合することを支援している。

顧客には、Microsoft、Oscar Health、US Bank、Instagram、Pfizer、Volkswagen、Dropboxなどが名を連ねており、リリースから8ヶ月で30万人のユーザーを獲得。

米国疾病予防管理センターの2018年時の推計によると、米国成人の4人に1人が何らかの障がいを持っていて、最も多いのは認知障害とのこと。

北沢:上記でも少し触れていますが、インクルーシブデザインとは「これまで社会から排除されてきた人達と、一緒にデザインを作っていく」ことを表す言葉だそう。

詳細はこちらの記事が分かり易かったです。

幅広い人に受け入れられるデザインと違い、見落とされがちな少数派の課題の解決に向けたもの。デザインといえば、UIやUXという言葉はよく聞きますが、こういったアプローチもあると初めて知りました。

StarkのColorblind Generatorという機能を使うことで、色覚異常で見えるデザインを反映させて作成することができるそう。

テクノロジーの進歩により、こうした本人でないと分からないこと・分かりづらいことが可視化でき、解決に繋がっていくのはとても良いことだと思うので、Adobeやsketchなどの標準機能として利用されるようになってほしいです。


・Sequoia Capital:8社

6. Bishi Technology $22.4M / Series B / AI

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参照元/URL:https://www.bizseer.com/

人工知能を活用した業務システム(AlOps)を提供するBishi TechnologyがシリーズBで$22.4Mを調達。

Sequoia Capital Chinaがリード、Shunwei Capital、Gaorong Capital、Future Capital、Oriental Fortune Capitalが参加した。

AIOpsは、アナログの業務システムを自動化されたシステムに置き換え、企業がより "迅速かつ積極的に "対応できるようにする。

同社はライドシェアのDidi Chuxing、通信サービスプロバイダのChina Mobile、いくつかの国有銀行を含む30以上の顧客にサービスを提供していると述べています。

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北沢:いくら調べてもサイトもリリース情報も出てこず、どうしようかと思いましたが、Linkedinから見つけてきました。 一瞬ステルス企業かと。笑

僕も知らなかったのですが「AIOps」とは、人工知能や機械学習に業務で使うビッグデータを学習させることで、業務の自動化や効率化を測るシステムを指すそう。

また、分析や検出から問題の原因や、今後起きうる課題の予測もできるためセキュリティ、保守システムとしての効果も見込めるらしく、こうやって着実にアナログな仕事が減っていくんだろうなと感じます。

参考記事:AIをIT運用に活用する「AIOps」で何が得られるか、注目される理由 - ZDNet Japan

Research and Markets社の調査によると、世界のAIOpsプラットフォーム市場は、2025年までに143億ドル、複利成長率32.9%で上昇しているそうです。

業務の自動化は経営者にとっては人員や把握コストの削減ができ、喜ばしいことかと思いますが、現場の方にとっては死刑宣告と受け取るくらいの気持ちでいないとまずいのでは。

「AIやロボットのコストが、人間より高ければ仕事を取られることはない」と、何かで見た覚えがありますが、それを聞いてセーフだと思う人は重症だと思いますね。

そうであるなら、いかにAIやロボットを管理する側に回るかを考え行動していく必要があるなと感じました。


7. Faire $170M / Series E / EC

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参照元/URL:https://www.faire.com/

セレクトショップ向けの仕入れマーケットプレイスを提供するFaireがシリーズEで$170Mを調達。

Sequoia Capitalがリード、Y Combinator、Lightspeed Venture Partners、Forerunner Ventures、Khosla Ventures、Founders Fundなどがフォローオンで参加し、DST Global、D1 Capital Partners、Norwest Venture Partners、Dragoneerがこのラウンドで新しく参加しました。

2017年に元Squareの従業員3人によって設立されたFaireは、現在10,000ブランドの商品を、10万以上のセレクトショップに提供しており、ピーク時には1日で400万ドル分の商品が購入されたそう。

扱う商品は、石鹸・ジャム・ベビー用品・アクセサリー・洋服など幅広くあります。購入商品は60日間以内であれば返品が可能。同社によると、仕入れマーケットプレイスで無料返品に対応しているのはFaireのみだとしている。

また、多くの商品が職人の手によって作られたもので、環境に配慮した商品やAmazonでは販売されていない商品を検索・購入することができることも特徴。

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北沢:この1年で3500万以上の商品が購入され、売り上げが3倍以上になり、顧客数も2倍になった大躍進のFaire。画像でも伝わるかと思いますが、色合いフォントなど、暖かみのあるサイトで個人的にはとても好きですね。

Covid-19の影響を受けたショップに支払いを延長する提案をしたり、ブランドが支払いを受けるための課す手数料を免除する対応をするなど、「売上第一」という価値観ではこの対応はできないと思うので顧客に対する姿勢も好感が持てました。

落ち込んでいた売り上げも5月下旬から回復し始め、今では一年前とほぼ同じ基準まで回復したそうで、顧客や提供ブランドへのこうした対応の効果もあったのではないかと。IPOは時間の問題かと思うのですが、今後が楽しみです。


8. InVideo $15M / Series A / 動画編集

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参照元/URL:https://invideo.io/

動画編集サービスを提供するInVIdeoがシリーズAで$15Mを調達。

Sequoia Capital Indiaがリード、Tiger Global、Hummingbird、RTP Global、Base Venturesが参加しました。

2019年にインドで設立されたInVIdeoは、テンプレートを使用することで高品質の動画を作成することができる。また、様々なSNSに合わせたカスタマイズをすることも可能。

同社のサービスはフリーミアムモデルを採用しており、有料プランは月額$10〜、年額$30で提供している。すでに発売から1年で世界150カ国、80万人以上が75以上の言語で動画を制作しています。

Sequoia Capital IndiaのVPであるPrateek Sharma氏は「InVideoは、100億ドル規模の市場で、動画作成プラットフォームとして選ばれるのに適している」と述べている。

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北沢:InVideoは創業当初、ノンフィクション書籍の内容を10分間の動画に要約したものを制作していましたが、スケールアップしなかったことから、作成の手間を最小化することに切り替えたそうです。

フリーミアムモデルとあり、無料版だと動画に透かしが入るそうで、よく見ると背景に「InVideo」と書いてあるイメージでしょうか。

ユーザーとしては透かしが入るより、機能に制限がある方が無料版としては良い気がしますが、逆を言えば、課金の導線として良いと思いました。

動画を載せた時に「これは無料版で作成されました‼︎」と広まるのはユーザーとしては本意ではないかなと。お試しで作ってみて、ツールとして合うなら課金というのが解約率も下がって良さそうです。

対応しているSNSとして、Facebook、Twitter、Instagram、YouTubeはもちろん、SnapchatやLinkedinにも対応していました。

動画を作成するのであれば、ヘッダーやアイキャッチ画像も必要な気がするので、Adobeだけで良いのでは?とも思うのですが、違いとしてはテンプレートの豊富さが強みだと感じました。


9. SmartMore Technology $100M / Series A / AI

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参照元/URL:https://smartmore.com/

中国の人工知能企業SmartMore TechnologyがシリーズAで$100Mを調達。

Lenovo Capital and Incubator Group (LCIG)、ZhenFund、IDG Capital、Wentianxia Investment、Green Pine Capital Partners,、Sequoia Capital,、Co-Stone Venture Capitalが参加しました。

同社の提供する、SMore ViMoとSMore Mediaは、中国のトップスマートフォンメーカーや、世界的に有名な自動車部品メーカーなど、100社以上の顧客がこれらを採用しています。

北沢:SMore ViMoと呼ばれるインテリジェントソリューション(?)機能と、超高精細ビデオカメラが主要製品のようですが、前者はサイトを見てもググってもよく分かりませんでした...

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ビデオカメラに関しては、8K超高精細映像の画質向上やAIプロセッサーを開発しており、テレビ・エンターテイメント・ヘルスケアなどの業界向けに提供。

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また、サイトのリリースに「最年少の「準ユニコーン」AI企業へ」とあり、去年12月に設立されてから1年経っていないこと、シリーズAで$100Mという金額を考えると、相当技術力が評価されているのではないかと。

すでに100社以上の顧客を抱え、数千万の工業製品、または消費者製品に採用されていることに加えて、今月からSmartMoreJapanとして日本に上陸、市場の拡大を目指すとありました。

日本での知名度は調べる限りまだ相当低いようですが、今後の動きに注目したいです。


10. Stairwell $4.5M / Seed / セキュリティ

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参照元/URL:https://www.stairwell.com/

サイバーセキュリティ企業のStairwellがシードで$4.5Mを調達。

Accelがリード、Sequoia Capital、Gradient Ventures、Allen & Company LLCが参加した。

創業者兼CEOのMike Wiacek氏は、以前Googleで13年勤務する中で、政府や国家が支援するハッキングの取り組みに対抗する専門のサイバーセキュリティ企業Chronicleを共同設立。

共同創業者兼CSOとして4年務めた後、2019年の11月にStairwellを設立しました。

Wiacek氏は新会社のビジョンを「あらゆるチームが、あらゆる攻撃から防御できるようにすること」だとTechCrunchとの電話で述べました。

北沢:今週のセキュリティ案件3社目ですw

今回の調達までステルスで活動していたということで、TC以外に分かりやすいリリースがありませんでした(厳密には2件ありましたが簡略すぎて)。

製品の開発中で、それ以外の情報はまだ出せないといった表現だったため、strongdmのようなバックエンド、Tokaのように政府機関向けなどは分からず。元Google/Chronicleという、知見はある分野なので伸びる...?


11. Strongdm $17M / Series A / セキュリティ(IDaaS)

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参照元/URL:https://www.strongdm.com/

サイバーセキュリティのstrongdmがシリーズAで$17Mを調達。Sequoia Capitalが参加したこのラウンドで総額は $22Mを超えました。

バックエンドのシングルサインオン(SSO)のIDaaSを提供しており、ユーザー名やパスワードを配布する代わりに、ソフトウェアにログイン⇨認証⇨アクセス許可されることで、アクセスできるリソースのリストが表示される仕組みになっているとのこと。

10年以上前からSSOはありましたが、バックエンドのインフラストラクチャでこれに相当するものがありませんでした。

また、クラウドサービスが台頭するまではアクティブディレクトリを1つのデータベースに配置し、アクセスできるのはシステム管理者や一部の人のみだった。

料金プランは1ユーザーあたり月額$50で提供。今では100社以上の企業がstrongdmを導入しており、Fortune50からテック企業のPeloton、SoFi、Bettermentなどでも利用されています。

北沢:シングルサインオンは1度パスワードを入力すれば、複数のサービスを同時に利用ができる仕組み。ネット上のマスターキー(?)のようなものだと解釈しています。

IDaaSはどこかで聞いたことがあるなと思ったら、以前、Bamboocloudについて調べたときでした。その時のnoteはこちら

料金プランが上記の通り1つしかないのですが、その表現がサッパリしてていいなとw

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1つのパスワードで管理できることのデメリットとしては、漏洩した場合のリスクが、それぞれ違うパスワードで管理するより大きいことですが、これはデメリットと言いますか、利便性を取る以上は当然かと。

それよりも、管理システムがダウンするリスクの方が注意すべきだと感じました。利用している全てのアカウントにログインできなくなってしまうので、その場合はシングルサインオンではなく、個別のパスワードで対応する必要があるそう。

詳細についてはこちらの記事が分かり易かったです。

参考記事:シングルサインオン(SSO)とは | 仕組み・方式の種類・選び方 - 人気サービス - SSO(シングルサインオン) | ボクシルマガジン


12. Rockset $40M / Series B / データ分析

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参照元/URL:https://rockset.com

https://venturebeat.com/2020/10/27/rockset-raises-40-million-to-index-and-analyze-data-at-scale/

データ解析のRocksetがシリーズBで$40Mを調達。2018年のシリーズAでは$18.5Mを調達しており、総額は$61.5Mへ。Sequoia CapitalとGreylockがこのラウンドに参加。

詳細な数字は発表されていませんが、プラットフォーム上のクエリは313%増加し、前四半期の収益が290%増加したとのこと。

共同経営者兼CEOのVenkat Venkataramani氏は、元Facebookのエンジニアで、データサイエンティストがデータ処理かかるに時間を短くし、より早く洞察にたどり着くのを支援する会社を立ち上げたいと考えていました。

データセットが存在する場所であればどこでもRocksetに接続するだけで、データの取り込み、スキーマの構築、データのクリーニングなど、すべてを処理を行うことが可能。

「Rocksetは、データをインデックス化するという革新的な新しいアプローチで、クラウドにおけるリアルタイムのデータ解析の真のリーダーとして急速に台頭してきました。」とSequoia CapitalのパートナーであるMike Vernal氏は述べています。

北沢:データ解析と聞くと、Googleアナリティクス、python、Anaconda、numpy、あたりが思い浮かぶのですが、あんなイメージでいいのでしょうか(?)。

知っている範囲としては、仮想環境を用意して、Jupyter Notebookに、pythonやPanda?などを入れて進めるぐらいのものなのですが、あれをリアルタイムで実行し、解析するのかなと。

一時期興味があり、スクレイピングや機械学習についての本を買ってコードを書いていましたが、それ以上のことは分からず。

記事を書くにあたり、分からないものはもちろん調べるのですが、データ解析やセキュリティ、インフラサービス系などが理解が追いつかず、本当に弱いなと感じているので、初心者向けの本があればぜひ教えていただきたいです...


13. VanTop $45M / Series A / 家電製品

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参照元/URL:https://www.vantopgroup.com/

深センの家電スタートアップVanTopがシリーズAで$45Mを調達。このラウンドにSequoia Capital ChinaとGalaxy Capitalが参加しました。

あまり知られていませんが、同社の製品はアメリカ、イタリア、カナダ、インド、ドイツなど10カ国で販売されており、特定のカテゴリーではAmazonのベストセラーリストのトップになることも。

2018年に発売された同社初のプロジェクターは、Amazon(北米)で、24カ月連続でカテゴリーのトップを獲得。

2020年の第2四半期の売上高は前年同期比で473%増加、詳細は不明ですが、昨年の総計を超えたという。

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北沢:家電スタートアップだと中国らしいなと思うのはなぜでしょうか笑

Amazonで人気とあったので調べてみると、ドライブレコーダーとアクションカメラの製品が主流(?)のようですが、楽天だとキッズ用カメラもあり、いくつか見ましたがレビューも良かったです。

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家電メーカーはある意味、セキュリティやデータ分析系よりも分からないのですが、開発技術
があれば製品が仮に売れなくなっても、買収したい企業があるのではないかと思いました。


以上です。

10,000字を超えてくると、スマホからでは読みづらい気がするので前編と後編に分けるか考え中です...

来週は、9日月曜日に更新予定です。


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