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リワードプログラムを提供するCREDがシリーズCで$80Mを調達など:米国主要VC投資調査vol.21
先週分と合わせて13件です。
お知らせ
7月から米国主要VC投資調査マガジンを始めました。
米国トップVCと呼ばれるAndreessen Horowitz、Kleiner Perkins、Sequoia Capitalの3社についてまとめています。スタートアップやベンチャーキャピタル、投資家の方の参考になれば幸いです。
【2020/11/23〜2020/12/06】
< Andreessen Horowitz:3社 >
・Genesis Therapeutics $52M / Series A / 製薬
・Moov $27M / Series A / 金融オープンソース
・Pave(旧Trove) $16M / Series A / HR(給与プラットフォーム)
< Kleiner Perkins:3社 >
・Materialize $32M / Series B / SQLデータベース
・MedArrive $4.5M / Seed / ヘルスケア
・Stord $31M / Series B / 物流
< Sequoia Capital:7社 >
・All Raise $11M / Venture / VC
・CRED $80M / Series C / 決済(リワードプログラム)
・Manbang Group $1.7B / venture / 物流(配送)
・Okay $2.2M / Seed / 作業管理ツール
・Olive $225.5M / Venture / ヘルスケア
・Sourcegraph $50M / Seed / ソースコード検索
・Yunyinggu CN¥300M / Series D / ディスプレイ
< Andreessen Horowitz:3社 >
Genesis Therapeutics $52M / Series A / 製薬
参照元/URL:https://www.genesistherapeutics.ai/
AIを活用した製薬企業のGenesis TherapeuticsがシリーズAで$52Mを調達。
Rock Springs Capitalがリード、T.Rowe Price Associates、Rowe Price Associates、Andreessen Horowitz、Menlo Ventures、Radical Venturesなどが参加しました。
変革的な治療法を見つけるために、社内のパイプラインだけでなく、厳選された外部との提携も進めています。最近ではGenentech社とのパートナーシップを発表しました。
Genesis TherapeuticsのCEO兼共同創業者であるEvan N. Feinberg氏は「人工知能は、最も影響力のある創薬ターゲットに対して、選択性が高く、副作用の少ない、経口で生物学的に利用可能な次世代の分子の開発を促進する大きな可能性を秘めています。」と述べている。
北沢:パートナーシップ相手であるGenentechは、バイオベンチャーのパイオニア的存在で、グローバルヘルスケアカンパニーのRoche Holdingに2009年に買収された製薬企業。また、Rocheは2002年には日本企業の中外製薬も買収。
「生物物理学的シミュレーション」「タンパク質の3次元構造情報」「タンパク質の折り畳みシミュレーション」などが単語として出てきたのですが、薬の用途について具体的なことは書いておらず、いつも以上に不明点が多くよく分からず。
短絡的なまとめですが、Genentechや中外製薬と同様にロシェグループに買収されるシナリオかなと思いました。
Moov $27M / Series A / 金融オープンソース
参照元/URL:https://moov.io/
金融オープンソースを提供するMoovはシリーズAで$27Mを調達。
Andreessen Horowitzがリード、Gokul Rajaram、Abstract Ventures、Bain Capital、Canapi Ventures、Commerce Ventures、Gradient Ventures、RRE Ventures、Uncorrelated Ventures、Veridian Credit Union、他27人のエンジェル投資家が参加。
Moovはオープンソースの組み込み型バンキングプラットフォームを提供し、資金の受け取り、支払いの送金などをシームレスに処理することを可能にしています。
2017年にWade Arnold氏とRobert Smit氏によって設立。同社は、レガシーテクノロジーに依存しない、クラウドネイティブな世界に向けて銀行業務のインフラを再構築しているという。
HMBradley(口座管理/資産運用)、Bank Novo(オンライン決済)、Linden Lab(3Dアバター)、BillGO(オンライン決済)は、すでにMoovのオープンソースライブラリを使用しています。
北沢:なんだか画期的な感じがしますが、Moovの開発したJavaScriptライブラリを利用することで、内製やPayPalなどを使わなくても簡単に決済機能を持つことができるサービスと解釈。
事業としてはレッドオーシャンもいいとこだと思いますが、Moovの取り組みが新しいのは、オープンソースであること。これによって前述したように手軽に決済機能を組み込むことができます。
決済の分野ではありますが、Moovを利用する企業は多くないような。取引金額が大きければ大きいほど、この辺りも相応の管理コストをかけるのではないかと感じます。
趣味サイズであれば「オープンソース?はて?よく分からないな。」という層が多く、導入するのであればコードが書ける人がいる・エンジニアがいる企業が前提になると思うのですがどうなんでしょうか。
余談ですが、海外のスタートアップについて調べていると、たまに同じ名前のサービスが出てきて対象を間違えそうになる事がありますw Moovも同じ名前で「精密機器の中古販売プラットフォーム」がありました。
Pave(旧Trove) $16M / Series A / HR(給与プラットフォーム)
参照元/URL:https://www.pave.com/
給与プラットフォームを提供するPaveがシリーズAで$16Mを調達。
Andreessen Horowitzリード、Bessemer Venture Partners、Bezos Expeditions、Dash Fund、Y Combinatorなどが参加した。
Paveはスタートアップの世界に報酬の公平性をもたらすオンライン市場を構築しようとしています。このツールを使うことで、企業は従業員ごとに給与を設定・測定し、最終的には測定したデータを分かりやすく伝えることができます。
これはWorkday、Carta、Greenhouseなどの人事ツールと連携することで実現しており、CEOのMatt Schulman氏によると、Paveのセットアップにかかる時間はわずか5分だという。
次の計画として、給与データ調査である「Pave Compensation Benchmarking Project」を立ち上げることを発表しました。
北沢:始め記事を読んだ時はよく分からなかったのですが、従業員に公平な報酬・給与を支払うことを目的としたサービスらしいですね。
株式、報酬の調整、どんな条件を満たすことで昇進するのか、賞与や新入社員への報酬の付与方法まで、Paveのサービスを通じて把握・管理することができるとのことです。
Paveはブラックボックス化している報酬や給与について、公平性・透明性を持たせ、格差をなくすことを目指しているとありました。確かに、ポジションの相場や感覚で決めるような曖昧さは良くないので、そこを明確にすることはトラブルを防ぐことにも繋がるなと。
記事の中に評価額$3BのCartaについて取り上げられていたのですが、元マーケティングVPのEmily Kramer氏が同社に対して性別差別を理由に訴えました。
訴訟の中でEmily Kramer氏は、同業他社と比較して給与が5万ドル少なく、彼女の株式付与額は男性と比較して3分の1だったと指摘。
確かそんな記事があったなと思い調べてみると、今年の7月にTCで記事になっていました。
リリースやSNSをざっと見た限りでは解決はしてなさそうです。こういったセンシティブな問題は今後も(今も)起きるはずなので需要はあるかと。今後市場としても大きくなっていきそうだと感じました。
< Kleiner Perkins:3社 >
Materialize $32M / Series B / SQLデータベース
参照元/URL:https://materialize.com
SQLストリーミングデータベースを提供するMaterializeがシリーズBで$32Mを調達。
Kleiner Perkinsがリード、Lightspeed Venture Partners、Cockroach Labs、Datadogなどが参加しました。
Materializeが提供するSQLストリーミングデータベースは、オープンソースのTimely Dataflowプロジェクト上に構築されており、SQLを使用することでリアルタイムでデータの可視化や、意思決定に関する必要な情報にアクセスできるようになります。
同社はサービスのSaaS版を開発中で、来年のリリースを目指しているそう。
北沢:投資家として同じ分野(SQLデータベース)のCockroach Labsが参加しているのが不思議だったのですが、共同創業者でCEOのArjun Narayan氏の古巣だと知って納得。
元々Cockroach Labsで3年程エンジニアとして働いていたそうで、その後に2019年3月にMaterializeを創業。初期のシリーズAでもCockroach Labs(CEOのSpencer Kimball氏)から投資を受けており、今後買収というシナリオも十分あり得ると感じました。
もう一人の共同創業者が、元MicrosoftのFrank McSherry氏。FinSMEsでは「最高科学責任者」とありCTO(最高技術責任者)的なポジションかと思われます。
古巣であるMicrosoftが仮に買収するとすれば、もっと後のラウンドだと思うのですが、シリーズCまでにCockroach Labsが買収すると予想を立てておきます。
「スタートアップ創業者の古巣による買収率」について調べるのも面白そうだと思いましたw
余談ですがTCとCBの情報が違うのは何故なのか、、、運営元は同じだったはず。そこまでファクトチェックをしてない?
※今回もMaterializeの共同創業者でCEOのArjun Narayan氏が、Cockroach Labsで元CEOだったとTCには記載がされていました。
MedArrive $4.5M / Seed / ヘルスケア
参照元/URL:https://medarrive.com/
在宅ケアのスタートアップMedArriveがシードラウンドで$4.5Mを調達。
Redesign Health、Kleiner Perkins、Define Venturesが参加。
今年9月に設立されたMedArriveはサンフランシスコを拠点に、遠隔医療サービスと対面での身体的介護によるヘルスケアプラットフォームとして運営されています。
創業者/CEOのDan Trigub氏は、元々Uber Healthの責任者や、OpenPlacement(ヘルスケア事業)の創業者であり、常に在宅ケアに情熱を注いできました。
Dan Trigub氏は「Uberは巨大なテクノロジー企業であり、多くの事業・競合優位性を持っていますが、ヘルスケア企業ではありません。私はこの分野に集中する機会が欲しかったのです」と述べている。
遠隔医療の需要はCovid-19の影響で指数関数的な速度で成長していますが、遠隔医療ではすべてを行うことはできません。特に、交通手段がない・移動する事が不便な方は十分な医療サービスを受ける事が出来ていない状況。
MedArriveは、20,000人を超える医療パートナーと連携しており、救急救命士や医療の専門家が訪問し医療的支援をすることで、人々が快適で安心できる家庭環境を作ります。
北沢:記事によると、Dan Trigub氏一家は、在宅介護機関の1つであるFrom the Heart HomeCareを過去15年程の間運営しているそうで、この分野への関心が強いのはそういった背景があるからかもしれません。(おそらくこの下記のサイトかと思われます。)
参照元/URL:https://fromthehearthomecare.com/
過去に、同じ分野のスタートアップHonor(シリーズDで$140Mを調達)について取り上げました(リンク)。
こうしたサービスは、支援を受けるユーザーの家族も内容や実績について詳しく知ることが、人材のミスマッチやトラブルを防ぐために重要だと感じます。
Honorでは、在宅ケアに携わる労働者の平均賃金は時給$9.50程度と言われる中で、$15の最低賃金を保証しているなどの手を打っており、医療従事者の確保のためにも人手が足りない分野ではありますが、頑張って欲しいと思いました。
Stord $31M / Series B / 物流
参照元/URL:https://www.stord.com/
物流スタートアップのStordがシリーズBで$31M(約3,100万ドル)を調達。総調達額は$46M(約4,600万ドル)、評価額は$200M(約2億ドル)へ。
Founders Fundがリード、Kleiner Perkins、Susa Ventures、Dynamoが参加しました。
Stordは2015年にメーカーがより簡単に物流を管理できるようにするためのクラウドソフトウェアが必要だと考え設立。共同創業者であるSean Henry氏とJacob Boudreau氏は、2018年にForbes 30 Under 30に選出されました。
顧客はStordのソフトウェアを使用して既存のサプライチェーン・ネットワークのロジスティクスや、社内の在庫と出荷を管理することができます。
CEOのSean Henry氏は「前提としてどのような規模のブランドに対しても、同じレベルの、Amazonレベルのロジスティクスを提供するために存在している。」と述べており、すでに10社以上のFortune500や様々な企業と連携しているとも語りました。
Stordは今年、出荷量を15,000%増加させ、収益は全体で500%成長したといいます。
北沢:後述するManbang Group(トラック版Uber)も物流スタートアップなのですが、物流の分野が思っていた以上に企業の数が多く調べていて驚きましたw
Stordは今年6月に輸送プロバイダーのCoveLogisticsを$10M(推定/約1,000万ドル)で買収しており、配送スピードの強化を図っています。この時点では資金が$15Mだったことを考えると、かなり踏み込んだ打ち手だったなと感じます。
Forbesの記事では約1,000万ドル未満とあったので、確定ではないですが多少違ったとしても(今回の資金調達を見越していた部分もあるのかもしれませんが)資金の半分以上を出すという判断はすごい。
この辺はもちろんVCとも相談して決めたとは思うのですが、アクセルを踏むタイミングを見極めるを間違えると即死案件になる中で、事業がどうこうよりもこの判断をしたことが一番印象的でした。
< Sequoia Capital:7社 >
All Raise $11M / Venture / VC
参照元/URL:https://www.allraise.org/
ジェンダー・エクイティのための非営利団体All Raiseがベンチャーラウンドで$11Mを調達。
Silicon Valley Bank、GGV Capital、Sequoia Capital、Pivotal Ventures、Bill & Melinda Gates Foundation、Reid Hoffman Foundationが参加しました。
テック業界におけるジェンダーの多様性と公平性の向上に取り組むAll Raiseは、女性ベンチャーキャピタリストのグループによって2018年に設立。
同社の目標として、米国のテックベンチャー企業で資産が2,500万ドル以上ある企業の意思決定者に占める女性の割合を2028年までに9%から18%へと倍増させること、女性創業者に提供されるシードやアーリーステージでの資金調達額を、2030年までに11%から23%へと増やすことなどが含まれています。
リード・ホフマン財団やシリコンバレー銀行などの支援も受けているAll Raiseは、この資金を使って全米に事業を拡大していく計画。
北沢:ググり方が悪かったのか情報が少ないスタートアップ(?)でした。
投資家として、Microsoft元会長のビル・ゲイツ氏とメリンダ・ゲイツ氏によって2000年に設立されたビル&メリンダ・ゲイツ財団(世界最大の慈善基金団体)も参加。
内容は少し違いますが、Andreessen HorowitzのファンドCultural Leadership Fundや、Marceau Michael氏が黒人起業家向けに設立したファンドのBlack Founders Matterなどもこうした課題に向けて動いています。
CRED $80M / Series C / 決済(リワードプログラム)
参照元/URL:https://www.cred.club/
クレジットカード決済のリワードアプリを提供するCREDがシリーズCで$80Mを調達。
DST Globalがリード、Ribbit Capital、Sequoia Capital、Tiger Globalが参加しました。
2019年に$125MのシリーズA、$120ドルのシリーズBと2回資金調達を行っており、今回の$80Mの調達で評価額は$800Mとなっています。
2018年に設立されたCREDは、クレジットカードユーザーに対して、決済をする度にCRED専用ポイントを提供しています。貯めたポイントはCREDが提携するパートナー企業のサービス内で利用することが可能。
但し、利用するための条件として、ユーザーが一定のクレジットスコア(約750点)を持っている必要があります。
北沢:記事の中に「貯めたポイントはCREDが提携するパートナー企業のサービス内で利用することができる」とあったのですが、去年資金調達をした際のThe Bridgeの記事によると、UberEatsでポイントで支払いをする、または、ポイント分をカード請求額に充てることができるとありました。
ですが、HPにそういった記載がなかったので今はもうやっていないのかも。クレジットスコアが750点必要というのも気になりますが、どうやってそれを貯めるのかは調べても分からず。
アプリの機能として「クレジットカードの支払いを管理する」ともあったので、アプリ内での条件(支払い期限を守るなど)をクリアしていくことで、点数が加算されていく仕組みではないかと思います。
この条件があることでリワードサービスを使うインセンティブになったり、(例えば)支払い期限を守れないユーザー・顧客にならないユーザーを明確にし、管理コストを下げることにも繋がる良い施策だと感じました。
おそらくマネタイズは、提携企業からの手数料やアプリ内広告がメインになるのかなと。リワードアプリは珍しいなと思ったまとめでした。
Manbang Group $1.7B / venture / 物流(配送)
参照元/URL:http://www.ymm56.com/
物流版UberのManbang Group(满帮集团)がベンチャーラウンドで$1.7Bを調達。評価額は$12B近くへ。
SoftBank Vision Fund、Sequoia Capital China、Hillhouse capital、GGV Capital、Lightspeed China Partners、Tencent、YF Capital、Permira、fidelity Investmentsなどが参加。
物流版のUberとして、トラックの運転手と物流業者をマッチングするアプリを運営。合わせてトラック運転手に金融サービスも提供。
同社には1,000万人以上のドライバーと、500万人の貨物所有者がいると言われています。
来年2021年にIPOをするのではないか?というWSJに対して、CEOのZhang Hui氏は「上場を急いではいない。」と否定。
北沢:元々、競合していたYunmanmanとHuochebangが2017年に合併してできたのがManbang Group。
その頃、中国ではシェアリングエコノミーブームで統合や再編・淘汰が進んでいた時期だったそうで、JETRO(日本貿易振興機構)の記事によれば、
中国における2017年のシェアリングエコノミー市場の取引額は4兆9,205億元(約83兆6,485億円、1元=約17円)、前年比47.2%増と急拡大した。
引用元:波に乗る中国のシェアリングエコノミー | 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報 - ジェトロ
とあり、市場としては今後5年間(2018〜2023年)で毎年30%以上の成長が見込まれているそう。セコイアが同社に対して今回で6度目の投資というのも成長への期待の大きさが伺えます。
物流というジャンルに疎く、どれほどの企業があるのかが分かっていませんでしたが、日本の物流ベンチャー企業のsoucoが「物流スタートアップ500社カオスマップ2020』を公開しているそうで、少なくとも500社はあるその数の多さに驚きました。
こちらは三井住友DSアセットマネジメント社(旧:三井住友アセットマネジメント)の資料で、2018年の7月とだいぶ前のものになりますが、中国の成長について分かりやすくまとめられているので興味のある方は是非。
参照元/PDF:5分でわかる!中国における ニューエコノミーの進展
Okay $2.2M / Seed / 作業管理ツール
参照元/URL:https://www.okayhq.com/
エンジニア・マネージャー向けの作業管理ツールを提供するOkayがシードで$2.2Mを調達、Sequoia Capitalがこのラウンドを主導。
Covid-19の影響を受ける中でも、テクノロジー企業の投資と成長は留まることを知らず、リモートワークでの最適解が見つからない中で、新しいエンジニアマネージャーの採用が必要とされてる。
共同創業者のAntoine Boulange氏とTomas Barreto氏はBox社でそれぞれ、シニアディレクターとエンジニアリングVPとして勤務していました。その中で企業全体のマネージメントを支援するサブスクリプションツールの可能性に気付いたとTechCrunchに語っています。
Okayの管理ツールは、GitHub、PagerDuty、CircleCI、Google Calendarなど多くのソフトウェアと連携することが可能。初期の顧客にはBrex、Plaid、Splitなどが名を連ねていました。
北沢:タスク管理ツールという解釈をしているのですが、TrelloやAsanaなどの無料でも使えるツール・競合が多い中でどう戦っていくのかなと。
正直、マネージャー向けツールとなるとパッとしないような気がしているので、伸びるイメージが持てず...
Olive $225.5M / Venture / ヘルスケア
参照元/URL:https://oliveai.com
2012年設立の医療機関向けソフトウェアメーカーOliveがベンチャーラウンドで$225.5Mを調達。評価額は$1.5Bへ。
Tiger Global Managementがリード、General Catalyst、Drive Capital、GV、Sequoia Capital、Dragoneer Investment Group、Transformation Partners、Silicon Valley Bank、Dragoneer Investment Groupなどが参加した。
事前予約、保険証の確認、口座の更新などデータ量の多い作業を自動化することで、効率化・コストの削減を可能にし、今では600以上の病院で利用されています。
マッキンゼーが発表した最近の調査「The State of AI in 2020」によると、COVID-19はヘルスケア業界が他のどの業界よりも早くAIへの投資を推進しているとのことです。
北沢:今年に入ってから3月のシリーズEで$52M、9月のシリーズFで$106M、そして今回の$225.5Mの調達と、とてつもない速さで資金調達を行ってきました。
セコイアとGV(Google Ventures)は今回のラウンドが初ということで、この手堅いタイミング、勢いに乗ったんだろうなと。
OliveのCEOのショーン・レーン氏は「1ドルにつき5ドルのコスト削減を実現しています。」と述べており、上記に挙げたように効率化とコスト削減を同時に進めながら、600以上の医療機関・病院のインフラとしての地位を築いています。
全く知見のない分野ですが、調べたところ、日本の医療機関向けシステム開発を行っている企業が1,360社、日本の病院が約8,400軒、一般診療所が約10万軒(どちらも今年2月時点)だそう。
引用元/URL:厚生労働省 資料
こちらも厚生労働省の資料ですが(2017年)、米国の病院が約5,500軒とあり、その中の600軒がすでにOliveを導入しているのであれば約10%のシェアを握っていることに。
引用元/URL:<資料編:諸外国における医療提供体制について>
どこまでこのシェアを伸ばせるかが今後の課題になっているはずですが、この辺りの日本と米国の主要プレーヤーはどこなのか?またそれぞれ課題は何なのか?などを、医療機関向けシステムに詳しい方に聞いてみたいです。
記事にあったマッキンゼーの調査資料はおそらくこのことだと思うので、興味のある方はこちらもどうぞ。
Sourcegraph $50M / Seed / ソースコード検索
参照元/URL:https://about.sourcegraph.com/
ソースコード専用の検索ツールを提供するSourcegraphが、Sequoia Capitalが主導するシードラウンドで$50Mを調達。
近年、多くの企業がソフトウェア企業としての一面を持つようになり、何らかの形でコードを扱わなければなっている状況において、コードの量が増え、ツールやリボジトリの数が増えるほど状況を把握しておく事が複雑になっている。
「ビッグデータ」と同じように「ビッグコード」は、企業がプロジェクト全体で扱わなければならないソースコードの量と、種類が増加していることに対処しようとする概念。
2013年に設立されたSourcegraphのソースコード検索を利用することで、リポジトリ、プログラミング言語、ファイルフォーマット、エディタなどから、該当する必要なソースコードを素早く見つけ出すことが可能。
同社は今年26社の大手企業と契約し顧客基盤を強化した。その中にはAmazon、Atlassian、Capital One、Lyft、PayPal、Uber、Yelpなどが含まれています。
北沢:ソースコード検索という市場(?)があるとは知りませんでした。
ザッと調べたところ競合になりそうなのが、同じ検索ツールの「Livegrep」1つと、ニッチではありますが、確かに今や多くの企業がコードの管理をする中で需要はあるなと。
無料プランが10人まで利用が、月額$150のプランが25人まで利用ができます。内容としては9割同じだったので(1割は管理者権限の有無)、初期のスタートアップから使い慣れておくと、大きくなってからも管理がスムーズで良さそうだなと感じました。
そうでなくとも、あとからコードの修正や確認をするのにとても便利だと素人目線では思いますし、競合が増えるポジションでもなさそうなので単独で伸びていきそう。
Podcastもあったので貼っておきます。
Yunyinggu CN¥300M / Series D / ディスプレイ
参照元/URL:http://www.yunyinggu.com/
中国のディスプレイ技術開発企業Yunyinggu(Viewtrix)がシリーズDでCN¥300Mを調達。今年4月の前回のラウンドから、わずか7ヶ月後の資金調達でした。
Sequoia Capital Chinaがリード、Qiming Venture Partners、Northern Light Venture Capital、Qualcommが参加。
今年はAMOLEDディスプレイドライバICと、OLEDマイクロディスプレイIC()の2つの主力製品を量産。今年度末までに、中国市場全体の10%以上を占めているAMOLEDディスプレイドライバICを1000万個生産する見込み。
また、シリコンベースのマイクロディスプレイIC製品を開発している。
北沢:2012年に設立されてから、2013年5月にシリーズAで$3.2Mを調達。そこから2018年1月まで資金調達を行なっていませんでしたが、そこからおよそ1年単位でラウンドを重ね今回の資金調達になりました。
想像ですが、技術開発のスタートアップが5年間資金調達をせずに過ごしていたということは、完全に受託開発に切り替わるか、ピボットするかの瀬戸際だったのではないかと思います。
そこから自社製品を開発し、市場シェアの10%を取るまでになったというのは驚くべき成長ですね。
ディスプレイ技術としてAMOLEDとOLEDという単語が出てきましたが、これはウィキペディアを読んでも分からなかったのですが、Galaxyのスマートフォンにこの技術が使われているそうです。
参考資料①:AMOLED - Wikipedia
参考資料②:第491回:AMOLED とは - ケータイ Watch Watch
以上です。
先週出したM&Aの記事も地味に読まれているので、こちらもどうぞ。
来週は、14日月曜日に更新予定です。
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