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Wikipedia超えのデータベースを提供するGoldenがシリーズAで$14.5を調達など:米国主要VC投資調査vol.13

今週は3件。今回からセコイアの中国とインドの投資先も含めています。別で作っていたのですが、慣れてきたのでそろそろ一緒に出せるかなと。

お知らせ

7月から米国主要VC投資調査マガジンを始めました。

米国トップVCと呼ばれるAndreessen Horowitz、Kleiner Perkins、Sequoia Capitalの3社についてまとめています。スタートアップやベンチャーキャピタルの方などの参考になれば幸いです。


【2020/09/28〜/10/04】

・Andreessen Horowitz:1社
< Golden $14.5M / Series A / データベース >

・Kleiner Perkins:0社

・Sequoia Capital:2社
< XtalPi $300M / Series C / バイオテック >
< Smallcase $14M / Series B / 証券取引 >


・Andreessen Horowitz:1社

Golden $14.5M / Series A / AI×データベース

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参照元/URL:https://golden.com/home

全人類の知識をデータベース化することを目標にするGolden(ゴールデン)がシリーズAで1450万ドルを調達。

A16zがリード、Harpoon Ventures、DCVC、Gigafundなどが参加した。また、a16zのパートナーであるMarc Andreessen氏は、Goldenの取締役会に加わった。

同社は人工知能・機械学習使って、様々なトピックに関する公開情報を収集・抽出しており「ウィキペディアではあまり取り上げられていない分野、特に新興技術や新興企業に焦点を当てたデータベースを作ることを目標にしている」と創業者でCEOのJude Gomila(ジュード・ゴミラ)氏は述べた。

顧客にはプライベート・エクイティ企業、ヘッジファンド、VC、バイオテック企業、政府機関などが含まれている。また、同社は現在約15人の従業員を抱えており、今後人員を2倍に増やす画。

今回の資金調達に加えて、米国空軍との100万ドルの契約を締結した。

北沢:『Golden社「打倒ウィキペディアだ‼︎」』という解釈をしているのですがあってるのでしょうか。

ウィキペディアとの違いとしてGoldenのユーザーは、ビデオ・学術論文・その他コンテンツをGoldenのページに埋め込むことができるため、内容の充実さ、クオリティとして高いものが作れると感じました。

また、アカウントはユーザーの実名に関連付けられるため、他人になりすますことを防ぎ、実名による編集を裏付けられるようにしているそう。

実は、存在自体は以前から知っていたのですが、当初はサッパリ意味が分からなくて「ウィキペディアがあるのに、どこにニーズがあるんだろうか?」と思っていました。

ですがウィキペディアよりも正確で質の高いデータベースということで、前者が総合図書館とするなら、後者は特定の文献のみをまとめた文庫と言えるのかもしれません(?)。

調べるときにGoogleで検索してノイズの多い・間違った情報に触れる時間を減らし、正確でクオリティの高い情報にアクセスできることは、現代では大きな価値なのだと感じました。


・Sequoia Capital China:1社

XtalPi $318M / Series C / AI×バイオテック

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参照元/URL:http://www.xtalpi.com/

AIを活用したバイオ製薬会社のXtalPiがシリーズCで3億1880万ドルを調達。

SoftBank Vision Fund 2、Morningside Venture Capital、PICC Capitalがリードし、Tencent、Sequoia Capital China、China Life、SIGが参加。

米国と中国を拠点とする同社は、AI・量子物理学アルゴリズム・クラウドコンピューティング技術を組み合わせて、創薬と開発の時間枠を短縮することを大きな目標としている。

XtalPiの共同創業者であるShuhao Wen(シュハオ・ウェン)氏は「私たちは、AIが製薬会社の生産性向上という課題を解決する答えを持っていると信じています」と述べている。

※現在、XtalPiのシステムには100以上のアルゴリズムが組み込まれており、分子とタンパク質の相互作用を原子レベルで予測し、薬理学的特性をマッピングしている。

北沢:テンセントが2015年から投資しているXtalPi。シリーズA〜Cでこれだけ大きな調達額になるのは、ジャンルとして製薬と半導体くらいかと思っているのですがそれにしても大きいですね。

引用(※)した部分がよく分からなかったのですが、100以上のパターンで、分子とタンパク質の相互作用を調査し、その結果から薬の効果の全体図を作っている(?)という解釈をしました。

製薬会社と聞くとドラマでやっていた「 私の家政夫ナギサさん 」を思い出します。営業の形にも色々あるんだなと感じた覚えが。

あと、同社の名前の読み方がいくら調べても出てこなかったので、もし分かる方がいたら教えてください笑 


・Sequoia Capital India:1社

Smallcase $14M / Series B / 証券取引

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参照元/URL:https://www.smallcase.com/

証券取引サービスを提供するSmallcase(スモールケース)がシリーズBで1400万ドルを調達。

DSP Groupがリード、Sequoia Capital India、Blume Ventures、Beenext、WEH Ventures、Arkam Ventures、Utpal Sheth、Kunal Shahが参加した。

同社のサービスは、Zerodha、HDFC証券、Kotak Mahindra Group、5Paisa、AxisDirectなどのインドの証券会社と統合されていて、株式やETFを提供。過去3年間の間にアクティブな口座数は2.5倍に増加したという。

また、ユーザー数は過去2年間で8倍の150万人に成長し、5,000ルピー以上の取引が行われているとのこと。

創業者兼CIOであるAnugrah Shrivastava氏は、「私たちはインドの個人投資家のために、より革新的で関連性の高い投資商品を開発し続けていきます。」と述べている。

北沢:今回から番外編として扱っていたSequoia Capital China + Indiaもこのnoteにまとめるようにしたのですが、どうしても米国ばかりに目が向いて、中国やインドのスタートアップを見落としがちだったなあと改めて感じています。

インドといえばFacebook・Amazon・Googleも投資を行なっており、中でもグーグルは今後5年〜7年の間に100億ドルを投資すると発表。インドでは5億人以上がネットを、4億5000万台のスマホが使用されているため大きなマーケット市場とのこと。

Facebookに関しては、インド大手の通信事業者Jioに57億ドルを投資。

投資家・VCというのは未来を予測し、また描いた未来が実現するために行動していくことだとこのリリースを読んでいて感じました。それに、現状が安泰なことに満足せず、次へ次へと手を打っていく。大きな視点で物事を観れていないとできないことだとも痛感。

インドに関してはこんなニュースもあったので気になる方は是非。


以上です。

このマガジンを初めて約3ヶ月が経ち、書くことにだいぶ慣れてきたと感じています。今後も質を高めながら続けていきますので、よろしくお願い致します。

来週は、12日月曜日に更新予定です。

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