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屋外用家具を提供するOuterがシリーズAで$10.5Mを調達など:米国主要VC投資調査vol.25

先週分と合わせて13件。バイオ系が多い印象でしたが、まとめると3件とそうでもなかったです。

お知らせ

昨年7月から米国主要VC投資調査マガジンを始めました。

米国トップVCと呼ばれるAndreessen Horowitz、Kleiner Perkins、Sequoia Capitalの3社についてまとめています。スタートアップやベンチャーキャピタル、投資家の方の参考になれば幸いです。


【2021/01/04〜2021/01/17】

< Andreessen Horowitz:5社 >
・Descript $30M / Series B / 動画編集
・Earli $40M / Series A / バイオ
・EQRx $500M / Series B / バイオ
・Roblox $520M / Series H / ソーシャルゲームプラットフォーム
・Starburst Data $100M / Series C / データ解析

< Kleiner Perkins:0社 >

< Sequoia Capital:8社 >
・AMP Robotics $55M / Series B / ロボティクス(ピッキング)
・Bibit $30M / Series A / 投資(ロボアド)
・BukuKas $10M / Series A / デジタル台帳
・NuProbe $42M / Series B / 分子診断
・Outer $10.5M / Series A / 屋外用家具
・Visen Pharmaceuticals $150M / Series B / バイオ
・Xentral $20M / Series A / 業務管理ツール(ERP)
・Zuoyebang $1.6B / Series E / オンライン教育(Edtech)


< Andreessen Horowitz:5社 >

Descript $30M / Series B / 動画編集

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参照元/HP:https://www.descript.com/

次世代のビデオ・オーディオ編集ツールを提供するDescriptがシリーズBで$30Mを調達。

Spark Capitalがリード、Redpoint、Andreessen Horowitz、他にも、Devdatta Akhawe氏、Alex Blumberg氏、Jack Conte氏、Justine Ezarik氏、Lenny Rachitsky氏など、多くのエンジェル投資家が参加しました。

2017年に設立されたDescriptは、サンフランシスコを拠点に、クリエイターが音声や動画ファイルを編集できるようにするツールを提供。また、NPR、Pushkin Industries、VICE、The Washington Post、The New York Timesなどのメディアにも導入されている。

「個人のプロやアマチュアのクリエイターだけでなく、リモートワークが普及した去年の間に明らかに増えてきたユースケースに対応するためにも、開発を続けていく計画」だと、同社の創業者/CEOであるAndrew Mason氏は述べている。

北沢:Andrew Mason氏は、Groupon(共同購入型クーポンサイト)の創業者兼元CEOでもあり、Boseに買収されたDetour(音声配信?)の創業者兼元CEOでもあります。

そういった背景もあり、「次もきっと成功するはず!」という期待値の大きさが、a16zがシードから参加していることと、エンジェル投資家の数(約20人)に表れているのかなと感じます。

イメージとして、国内のエンジェル投資家の方は「応援」の意味が強いと、Twitterや記事を見てて感じますが、海外のエンジェル投資家の場合は「資産運用」の意味合いが大きいのではないかと、見ていると感じますが、どうなんでしょう。

書いたら気になったので、海外の一般的な資産運用事情について調べると「海外では預金より株式投資が〜」のような記事が出てきます。ですが、国によって金利も違いますし、日本の現預金比率が異常なだけかもしれませんね。これ、日本語だけで調べたらダメなやつだと後から気づきましたw

話が逸れましたが、YouTube・動画界隈が盛り上がることで、クリエイターの数が増え、それに伴い動画編集ツールの需要も伸びているのが現状かなと。

以前どこかに書いた気がするのですが、ツールの課金によるスイッチングコストがあるとはいえ、ユーザーからすれば使いやすければどれでもいい、というが本音だと思うので、市場シェアを切り取っても後から参入した企業(ツール)に駆逐されるリスクもあると思いました(デザインツールでそんなことが起きていた気がします)。

そのため、スタートアップとして考えるなら、出口が狭くなる前に売却するのが一番良さそうだと感じました。


Earli $40M / Series A / バイオ

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参照元/HP:https://www.earli.com/

サンフランシスコに拠点を置く、バイオテック企業のEarliがシリーズAで$40Mを調達。

Khosla Ventures、Perceptive Advisors、Casdin Capital、Andreessen Horowitz、Sands Capital、エンジェル投資家として、Goldman Sachsの元CFO兼CIOのR. Martin Chavez、バイオ系シリアルアントレプレナーであるShlomo Ben-Haimなどが参加した。

Earliは、2018年にスタンフォード大学からライセンスを受けた技術を基に設立。シンセティック・バイオプシーと呼ばれる新しいプラットフォーム技術を開発しており、早期のがんの位置を特定し、実用的な治療を可能にする。

現在、すべてのがんの70%がステージ3、または4で発見されており、がんの兆候を待っていても手遅れであり、5年後の生存率はわずか25%に過ぎません。Earliの使命は、ステージ1、またはステージ2のがんの証拠を見つけ出し、その位置を特定して正確な治療を行うことで、年間100万人以上の命を救うことです。

北沢:がんの早期発見や治療に関しては、過去にも、EdiGene(製薬)、Monte Rosa Therapeutics(製薬)、Freenome(血液検査)などのスタートアップを取り上げてきました。

毎回思うのですが、本当に医療に関しては早く技術が発展し、ガンやその他の病に苦しむことがなくなるといいなと感じます。

Covid-19もそうですが、明確な治療法がないものは時間との勝負だったり、治療を諦めるしかないなど、生きることへの選択肢が少ないのが現状。

Covid−19に関しては、世界各地でワクチンの承認・接種が始まっており、複数の変異体がどう影響を及ぼすのか・副作用はどうなのかなどの障害も多くありますが、「ワクチンの開発には何年もかかる」と言われていたことを考えれば、驚くべき速さで進んで開発が進んでいて凄いなと。

こうしたニュースに触れて、健康第一だと改めて感じました。


EQRx $500M / Series B / バイオ

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参照元/HP:https://www.eqrx.com/

ケンブリッジのバイオテック企業のEQRxがシリーズBで$500Mを調達。

Andreessen Horowitz、GV、ARCH Venture Partners、Casdin Capital、Section 32、Nextech Invest、Arboretum Venturesが参加しました。

2019年に設立されたEQRxは、肺がんや乳がんなどの「がん」を治療する4つの薬を後期試験中で、炎症性疾患の治療薬の開発にも取り組んでいると発表。

同社の開発モデルは、医療システムや医療費を支払うユーザーとのパートナーシップに加えて、効果が実証されている創薬可能なターゲットと効率性に焦点を当てており、薬事承認の成功確率を向上させることを目指している。

EQRxがこれまでに特定した4つの薬剤候補は、いずれも様々な開発段階にあり、肺がん、乳がんなどの治療薬として期待されており、いずれも他社からのライセンスを受けて開発を進めています(CStone Pharmaceuticals社、米国食品医薬品局、Hansoh Pharma社、G1 Therapeutics社とライセンス契約を締結)。

EQRxの会長兼CEOであるAlexis Borisy氏は、「業界の薬価設定に対するアプローチを変えることが急務だ」と述べている。

北沢:前述したEarliは、がんの早期発見(+治療)が目的のスタートアップでしたが、EQRxは治療に焦点を当てたスタートアップです。

バイオ系企業を調べていると、がんに関する企業が多く、それだけニーズがある分野なのだと調べるたびに感じています。

以前も書きましたが、癌の原因になるタンパク質があることには驚きました。体のために必要なものという認識しかなかったので。タンパク質にも種類があり、それぞれの役割も違うのだとか。

がんは2人に1人がなるという記事がありましたが、それは嘘という主張の記事もあり、よく分からず。どちらにせよ、こういった病気も科学技術の発展でスムーズな発見・治療が当たり前になるといいなと感じます。

市場としては相場観が掴めないのですが、スタートアップの規模よりも、技術に重きが置かれているように感じるので、規模が大きくても技術的に難しく、資金調達もできない場合は、小が大を飲む買収もあり得るのではないかと。

参考記事:最新がん統計:国立がん研究センター がん登録・統計


Roblox $520M / Series H / ソーシャルゲームプラットフォーム

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参照元/HP:https://www.roblox.com/

ゲーミングプラットフォームのRobloxがシリーズHで$520Mを調達。評価額は$29.5Bへ。

Altimeter Capital、Dragoneer Investment Groupがリード、Investment Group of Santa Barbara、Warner Music Group、Tiger Global Management、Altos Venturesなどが参加した。

昨年2月には、Andreessen Horowitzがリードした $150MのシリーズGをクローズし、同社の評価額は$4Bとなっていた。

2019年の目論見書では、同社は1760万人のユーザーを抱えていたが、現在Robloxはそのプラットフォーム上で3100万人のデイリーアクティブユーザーを抱えていると主張。

北沢:上場目前ということで、この段階の企業に関してはマガジンで書く必要はないな。と思っているので簡単にw

CNBCの記事によると、Robloxは2月にニューヨーク証券取引所/NYSEに直接上場する予定とのこと。

第3四半期の収益は、前年比91%増の2億4,220万ドルで、9月までの1日あたりのアクティブユーザー数はほぼ2倍の3,620万人など、TCとは違った目線で書いてあり面白かったです。

ちなみに、ティッカーシンボルは「RBLX」だそうで、個人的にAirbnbの「ABNB」は、しっくりこなかったのですが、Robloxはイメージしやすくていいですねw

米国証券取引委員会のRobloxのリンクを貼っておくので、興味のある方はこちらからどうぞ。

SEC:RBLX Stock - Roblox Corp SEC Filings


Starburst Data $100M / Series C / データ解析

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参照元/HP:https://www.starburstdata.com/

データ解析企業のStarburst DataがシリーズCで$100Mを調達、評価額は$1.2Bへ。創業3年でユニコーン企業の仲間入りを果たしました。

Andreessen Horowitzがリード、Index Partners、Coatue、Salesforce Venturesが参加。

2017年に設立されたStarburst Dataは、Hadoopや、Amazon Web Services S3などに保存された膨大な量のデータに対して、高速な分析クエリを実行するためのオープンソースSQLクエリエンジン「Presto」を中心とした商用ソフトウェアやサービスを開発している。

同社のソフトウェアは、Facebookで開発されたオープンソースプロジェクトであるPrestoをベースに構築されており、共同創業者のうち3人は、以前、FacebookでPrestoの開発に携わっていました。

いくつかの注目すべき企業がStarburst Dataのサービスを導入することを決定しており、すでにTesla や、Comcast、ヨーロッパの電子商取引大手であるZalando SEなどが顧客に含まれていることを明らかにした。

北沢:創業から3年というスピードでユニコーン入りを果たしたデータ解析企業のStarburst Data。関連として、ユニコーンについては先日ニュースにもなってましたね。

前回の資金調達から、わずか半年という短い期間での今回のリリースは、競合のDremio(評価額$1Bで$135Mを調達を同日発表)の存在も大きいかと思います。競合を気にしてばかりではダメですが、アンテナを張り、動きを察知し、先手を打っていくことは必須。

データ解析という分野に詳しいわけではないですが、顧客のニーズがあり、解決のためのサービス、魅了するストーリーがあれば、強い競合があろうと(Snowflakeもそうですが)進んでいけると感じています。

今回で言えば、サービスの元になっているオープンソースPrestoの開発に、創業メンバーが携わっていたことも期待値として評価にあるはずですが、ユーザーからすれば自社にメリットがあるのかどうか?が重要なので、Dremio含めどうなっていくのか楽しみです。

この辺りは、電気自動車系のXpeng(シャオペン)やNio(ニーオ)を思い出させる戦いになりそうw



< Sequoia Capital:8社 >

AMP Robotics $55M / Series B / ロボティクス(ピッキング)

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参照元/HP:https://www.amprobotics.com/

リサイクル可能な材料を選別するロボットシステムを提供するAMP RoboticsがシリーズBで$55Mを調達。

XNがリード、新規投資家はValor Equity PartnersとGV、フォローオンでのSequoia Capital、Sidewalk Infrastructure Partners、Congruent Ventures、Closed Loop Partnersが参加。

去年4月時点で、AMP Roboticsのロボットシステムは、20州以上の施設で10億個以上のリサイクル品を処理しており、これは温室効果ガスの排出量を約50万トン削減したことになると同社は主張しています。

創業者/CEOであるMatanya Horowitz氏は、「私たちは、廃棄物産業のための斬新な技術を生み出し、社会が環境に与える影響を軽減することに貢献する」と述べている。

同社の製品は、24時間365日稼働するように設計されており、金属、電池、コンデンサ、プラスチック、PCB、ワイヤー、カートン、ボトルキャップ、段ボール、カップ、他10種類以上の多くの材料に選別し、リサイクルすることが可能。

北沢:2015年に設立されたAMP Roboticsですが、廃棄物産業と言われてもイメージしづらいかと思うので、動画を貼っておきます。

ロボットの処理スピードや、24時間365日稼働できることを考えると、人手が要らなくなるのはこうした分野が一番早いのかもしれません(既にそうなっていますが更に)。人はミスをしますし、休憩も必要。その人的コストが、AI/ロボットの導入コストを上回るのであれば変えない理由がないですよね。

以前も書きましたが、業務の自動化は、経営者にとっては人員や把握コストの削減ができ、喜ばしいことかと思いますが、現場の方にとっては死刑宣告と受け取るくらいの気持ちでいないとまずいのではないかと。

工場もそうですが、こうした分野は、AI/ロボットを導入することで、それらを管理する人と、それらに管理される人に分かれていくはず。

技術的にリサイクルだけでなく、今後は機械の組み立てや、整備などもできると考えられるので、伸びる余地はまだまだありそうだと思いました。


Bibit $30M / Series A / 投資(ロボアド)

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参照元/HP:https://bibit.id/

インドネシアのロボアドバイザー投資アプリを提供するBibitがシリーズAで$30Mを調達。

Sequoia Capital India、East Ventures、EV Growth、AC Ventures、500 Startupsが参加した。

Bibitのユーザーの約90%は、ミレニアル世代や、初めて投資をするユーザーであり、他のロボアドバイザーと同様に、それぞれ投資目標に合わせたポートフォリオを簡単に作成できるようにすることを目的にしている。

Bibitの最高経営責任者であるSigit Kouwagam氏は、「Bibitは、立ち上げ以来大幅に成長しており、過去1年間だけでも100万人以上のユーザーが登録している」と述べた。

インドネシア証券取引所と中央管理局のデータによると、インドネシアの個人投資家の数は2020年に前年比56%増に。

この成長は主にミレニアル世代によるもので、2020年の新規投資家の92%は、21歳から40歳の間のものだったそう。しかし、インドネシア人の約2%しか株式市場に参加していないとか。

北沢:海外でもロボアドきてますね。インドネシアはスマホの普及率は、2019年時点で63%、(予測値ですが)2020年は70%と年々増加しており、今後さらに増えていくことを考えるとロボアドに限らず伸びていく市場だと感じます。

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引用元/URL:Indonesia smartphone penetration (share of population) | Statista

スマホの利用に関してはこんな記事もあり、ここではインドネシアのスマホ保有率は100%となっているのですが、対象が「日本への関心が高い100万人以上の読者」となっていることに注意。

これを見ると、自国以外の国に興味を持つ層は、みんなスマホを持っていることになりますが、オンライン集計とか、アンケートの取り方によってはそうなるのでは...? 話がそれるのでこれ以上は触れませんが、記事自体はおもしろかったですw

ロボアドといえば、ロビンフッドを真っ先にイメージされる方が多いかと思いますが、デザインは割と似ているのかなとHPを見て感じました。ああいうアプリは使いやすさを考えると、シンプルになって似てくるのかもしれません。

ちなみに、ロビンフッドは去年9月にシリーズGで$660Mを調達しています。

リリースにもある通り、インドネシア人の約2%しか投資を行っていないため伸び代が大きく、市場としても整ってきていると思うので期待。


BukuKas $10M / Series A / デジタル台帳

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参照元/HP:https://www.bukukas.co.id/

デジタル台帳アプリを提供するBukuKasがシリーズAで$10Mを調達。

Sequoia Capital Indiaがリード、Saison Capital、January Capital、Founderbank Capital、Cambium Grove、Endeavor Catalyst、Amrish Rau(Citrus PayのCEO)が参加しました。

インドネシアで2019年に設立されたBukuKasは、中小企業向けにデジタル台帳アプリを提供しており、最終的には、中小企業に特化したネット銀行を立ち上げたいと考えている。

昨年11月の時点で、登録ユーザー数は350万人を超え、月間アクティブユーザー数は180万人を突破していました。そのひと月の間に、年率換算で174億ドル相当の取引を記録しており、これはインドネシアのGDP/1兆4000億ドルのの1.5%以上に相当する数字となっています。

デジタル台帳機能に加え、WhatsAppを介して買い手に支払い期日の送信や、請求書の自動生成、在庫管理モジュールの搭載、経費の分析などを行い、利益に何が影響しているかを把握できるようにしている。また、同社は今月、デジタル決済機能を追加する予定。

北沢:主要VCの中で、比率としてセコイアの数がどうしても多くなってくるのですが、その分知らなかったことを知る機会が増えるのは面白いですねw

2019年に設立されたBukuKasは、インドネシアでのシェア拡大のため、2020年9月に月間アクティブユーザー数30万人のデジタル台帳アプリ「Catatan Keuangan Harian」を買収しており、これも躍進の大きな理由の1つになっているそう(該当するリリースは見つからず)。

インドネシアでの生活というのがイメージしづらいのですが、BukuKasを利用しているユーザー(企業)の約73%がジャカルタのような主要都市以外に位置しているとあり、紙ベースの台帳管理が未だに多いため、そうした中でのニーズは強いのではないかと思います。

最近ではブロックチェーン技術を活用した「分散型台帳」の検討が進められているというニュースもあり、インドネシアでもこうした動きが出てくるのかもしれませんが、記事を読んだ感覚としては想像がつかず。

インドネシアという国の歴史的背景に興味が湧いてきたリリースでした。


NuProbe $42M / Series B / 分子診断

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参照元/HP:https://www.nuprobe.com/

分子診断企業のNuProbeがシリーズBで$42Mを調達。

BioTrack CapitalとYongghua Capitalがリード、Taifu Capital、Panlin Capital、Juming Capital、Tuobang Capital、Sequoia Capital China、Ruomu Capital、Serica Partnersが参加した。

2016年に設立された、超高感度シーケンシングパネル(?)を専門とする分子診断企業のNuProbeは、塩基配列の変異(?)や、コピー数変化(?)の感度を10倍以上に向上させる分子診断技術を持つゲノミクス・分子診断企業。全然分からないw

過去12ヶ月間に、NuProbeは、Illumina、Qiagen、Oxford Nanopore、Wego Groupなど、分子診断学や、ライフサイエンス分野で国際的に有名な企業と数多くのパートナーシップやライセンス契約を締結した。

同社は資金を利用して、米国と中国でのチームの拡大、新しいNGS製品の開発、臨床製品の中国での承認申請を目指しています。

北沢:翻訳しても全くわからないことがあるんだなと感じたスタートアップでしたw

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分野としてはバイオテックだと思いますが、聞いたことのない言葉が多く、これまでに扱ってきたスタートアップとはまた毛色が違いますね。

組織や体液に含まれる蛋白、dna、rnaなどの分子を調べることによって疾患を特定するプロセスのこと。|引用元:Weblio辞書

分子診断とはどういう意味か調べてみたところ、上記のような意味を持ち、医療業界においてもっとも急速な成長を遂げている市場の一つとも言われています。

今回全く事業内容が理解できず。

調べていて気付いたのですが、今週バイオ系多いですねw

参考記事①:コピー数変化(CNA):日経バイオテクONLINE
参考記事②:バイオインフォマティクスにおける ゲノム情報の基礎知識


Outer $10.5M / Series A / 屋外用家具

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参照元/HP:https://liveouter.com/

屋外用家具ブランドのOuterがシリーズAで$10.5Mを調達。

Sequoia Capital Chinaがリード、Mucker Capital、Social Starts、Unlock Venture Partners、Overtime VC、Plum Venturesに加えて、エンジェル投資家としてJustin Kan氏 (Twitchの創業者)、Robin Chan氏 (Goat Capitalの創業者)などが参加しました。

2017年に設立されたOuterは、デビュー商品の屋外用ソファーの効果もあり、2020年までに収益を11倍に増やし(昨年の売上高は1000%増加)、過去9か月で従業員を3倍に増やしました。

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Outerの製品は現在、ラグ、ソファ、家具カバーに限定されていますが、昨年の秋に、2番目の製品ラインである「ペットボトルから製作された環境に優しい1188ラグコレクション」を発表。Business Insider誌で「最も急成長している直接消費者向けブランド」に選ばれました。

Covid-19の影響で小売業が落ち込んでいるにもかかわらず、顧客は裏庭、デッキ、ポーチなどの空間に強い関心を持っています。その結果、住宅産業は驚くべき成長を遂げ、Outerの今年の売上は1,200万ドルを超えると予測されているそう。

北沢:屋外用家具ということで、割とニッチな商品かと思っていたのですが、Instagramのフォロワー数の約3.2万人という数字を見る限りそうでもない様子。

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引用元/URL:https://www.instagram.com/liveouter/

この辺は住宅事情によって変わってきそうですが、ターゲット層として単価を高く設定することができ、1つ買えば他の家具も揃えたくなる心理からリピート率も高い気がします。記事にもあるように、Covid-19が追い風になった結果が、昨年の売上高1000%増加という数字に表れているのかなと。

日本だと(富裕層は別として)一般の住宅で屋外家具を置くスペースがある方が珍しい気がしますが、この辺り詳しい方に数や、単価、リピート率など聞いて見たいと思いました。

同社の製品に使用されている材料は100%リサイクル可能という点も、Outerの家具を買うことで環境への配慮ができる、というアピールポイントとして強いのではないでしょうか。

ちなみに、先日上場したAffirmとのサービスで後払いも可能です。

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Visen Pharmaceuticals $150M / Series B / バイオ

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参照元/HP:http://www.visenpharma.com/

中国のバイオテクノロジー企業Visen PharmaceuticalsがシリーズBで$150Mを調達。

Sequoia Capital Chinaがリード、OrbiMed、HBM Healthcare Investments、Logos Capital and Cormorant Asset Management、Sherpa Healthcare Partners、Pivotal bioVenture Partners China、CDG Capitalが参加。

フォローオンでAscendis Pharma、Sofinnova Investments、Vivo Capitalもこのラウンドに参加しました。

2018年に上海で設立されたVisen Pharmaceuticalsは、中国本土、香港、マカオ、台湾を含む大中華圏で、内分泌疾患に苦しむ患者のアンメット・メディカル・ニーズに対する革新的な内分泌薬の開発と商業化に焦点を当てている。

CEOのPony Lu氏は「TransCon hGH(lonapegsomatropin)、TransCon PTH、TransCon CNPの3つの内分泌学的製剤候補については、2018年後半開発以来、複数のマイルストーンを達成しています」と述べています。

北沢:「内分泌疾患」というのが聞きなれない言葉だったので調べてみると、「ホルモンの分泌異常によって起きる状態」という意味らしく、膵臓の場合は「糖尿病・低血糖」、甲状腺の場合は「バセドウ病・甲状腺機能低下症」など、体の部位によって表れ方が変わるそう。

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引用元/URL:内分泌疾患について|病院コラム|横浜労災病院

ホルモンを作る「内分泌腺」と呼ばれる臓器に起こる腫瘍などが原因となって起こるもので、(古いデータですが)高血圧患者のうち、10%が内分泌疾患に起因した二次性高血圧とも言われ、ありふれた症候と、特徴的な症候が混在しており見逃されてしまうこともあるそう。

参考記事:内分泌代謝内科グリーンノート

バイオテック企業は、そこそこ調べてきたと思っていたのですが、まだまだこうした知らない分野があるんだと気づけたのが大きな学びでした。

今回の記事で取り上げているバイオテックのEarli、EQRxも含めて、医療関係者の方にはどう見えているのか聞いてみたい。


Xentral $20M / Series A / 業務管理ツール(ERP)

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参照元/HP:https://xentral.com

バックオフィス用の業務管理ツールを提供するXentralがシリーズAで$20Mを調達。

Sequoia Capital(リード)、Visionaires Club(ベルリンにあるB2Bに特化したVC)がこのラウンドに参加しました。

2008年にBenedikt Sauter氏と、Claudia Sauter氏の夫婦によってドイツで設立されたXentralの提供するツールは、商品注文、倉庫管理、梱包、フルフィルメント、会計、販売管理などの範囲をカバーしている。

約1000社が同社のツールを導入しており、中にはYFood、KoRo、Nu Company、Flyeralarm のような消費者向けブランドが含まれています。今後、ERP市場では2025年までに495億ドルの規模になると予測されています。

北沢:セコイアの動きを追いかけていると、米国・中国・インドをメインに活動しつつ、その他の地域でも、今回のように積極的に投資を行っていることが伺えます。

シードでは参加していなかったこと、Covid-19の影響を考えると、今回どういった経緯で投資に至ったのかが気になりますが、オンライン上のやりとりのみで決断を下した可能性もあり得ますね。

Xentralは、バックオフィス用の業務管理ツール(ERP)を提供しており、主にECや卸売業者を対象としたサービスになっています。(同分野の国内企業ではSAP Business Oneや、GRANDITがERPツールとして人気だということを今回調べて初めて知りました。)

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ERP市場は2025年までに495億ドルの規模になるとありましたが、売上が公開されていないので、Xentralにどれくらい伸び代があるのか、また、どんな課題があるのかが気になります。

一度導入してしまえば、スイッチングコストが高くシェアを奪われづらい分野だと思うので、赤字を掘りつつシェアを拡大していくのが最善の手かなと。


Zuoyebang $1.6B / Series E / オンライン教育

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参照元/HP:https://www.zybang.com/

中国のオンライン教育アプリを提供するZuoyebangがシリーズEで$1.6Bを調達。

前回の$750Mを調達したシリーズEからわずか半年後のリリース。評価額は公表されていませんが、昨年9月の時点では100億ドルと報じられていました。

Alibaba、Tiger Global Management、SoftBank Vision Fund、Sequoia Capital China、FountainVest Partnersなどが参加。

2015年に設立されたZuoyebangは、中国の検索エンジン「Baidu」のスピンオフ企業であり、ライブストリーミング授業、オンライン宿題添削、その他遠隔学習サービスを提供している。

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月間アクティブユーザー数は約1億7,000万人で、そのうち約5,000万人が毎日サービスを利用しているという。2020年秋には、Zuoyebangの有料ライブストリーミング授業の生徒数は1,000万人以上に達し、業界記録を更新したとも同社は主張しています。

同社の競合であるYuanfudaoは、12月に今話題のジャック・マー氏の Yunfeng Capitalから$シリーズG4で300Mを調達、その2ヶ月前の10月には、テンセントがリードするシリーズG2,G3で$2.2Bを調達しており、評価額は$15.5Bに達しました。

北沢:Zuoyebangが、Baidu/バイドゥのスピンオフ企業とは知りませんでした。Baiduといえば、昨年11月に動画サービスYYを買収したことが記憶に新しいですね。

YYの買収については、noteでも少し触れました。

Baiduの今の事業としては、メインの検索サービスに加えて、Webマーケティング、キーボードアプリ(Simeji)、音声サービス(LisPon)、ブラウザサービス(Hao123)、ニュースサービス(popln)、スマートライト(popIn Aladdin)など思ったよりも色々ありましたw

ブラウザサービス「Hao123」は、日本でいうYahooのようなサイト。

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参照元/URL:https://www.hao123.com/

中国のEdTech市場は4億人以上と、世界最大の市場となっている様子。前年から12.3%成長し、4,538億人民元(約7.2兆円)に達するという予測もあったそう。

上場よりも気になるのは、競合であるYuanfudaoとの関係。ビジネルモデルもターゲット層も丸被りなのでどうなるのか。

両者この規模になると買収はないと思うので、純粋な殴り合いになりそう。ただユーザーからしたら、乗り換える際のスイッチングコストが低いので、広告費を突っ込んでユーザー数を増やし、授業の満足度を上げるしかないのかなと(意味は同じですねw)。


以上です。

最近セコイアの比率が多くなり、インドやドイツなどもカバーするようになってきたので、マガジン名も変える必要があるなと感じます。


話は変わりますが、「海外アート市場に関する動き」についてまとめるマガジンを昨日から始めました。

元々興味があったのですが、調べても欲しい情報が出てこなかったので自分で作ることに。笑

更新頻度は不明ですが、海外のスタートアップやベンチャーキャピタルに興味を持っている読者の方にも、視点を変えて楽しんで頂けるように更新していきますのでよろしくお願い致します。


来週は、25日月曜日に更新予定です。


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