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神のDB(027)

(027)人生のピークって突然ですぞぉ~|ω・)どうぞ~

前のお話:https://note.com/daikiha/n/nf60a8ccf1d64

後のお話:https://note.com/daikiha/n/n495e1d3666cd

【伍】

人の表情は、感情を表す。

喜んだり
怒ったり
悲しんだり
楽しんだり

人の表情は、造りだされた感情。

はにかんで喜んだり
困って喜んだり
嬉しくて喜んだり
心を殺して喜んだり

人の本当の想いは、表情という「仮面」に隠される。
ペルソナのように、
本当に隠したい、誰にも見せたくない「心」は幾つもの嘘の表情という「壁」に隠される。

でも、
本当の「心」は、
本当の「自分」は、
絶対的な現実の前では、

隠せるものじゃ、ないんだ。


【10】

2012年2月9日、木曜日。
生肉業界やら、焼肉チェーン業界やらどこら辺の業界の思惑があるのかないのか、はたまた只の肉好きが考えたのかとっても分かりやすい肉な語呂な日。
体育会系男子や肉食女子には「匂いに」(2012)堪らない、「にく」(2・9)の日。そう、今日は奇跡の日にして、燃える日なのかもしれない。。ボクは!ボクわぁぁぁぁ!!!

勝負の日!!

うおおおおおいいいぃぃいい!!!

ムトウよろしく、朝からテンションアゲアゲにしているボク。
無理に燃えている自分を作っているボク。あーいやいや!あーーーー!
と、トイレでひとり叫んでいるボク。
・・・・一人暮らしでよかったなぁ。。r(^~^*)

なんでこんなにテンションあげているかとい・う・と。

誘うんです!!
そうです!!誘うんです!!
及川さんをデートに、誘うんです!!!!!
いいんですかぁ?
いいんです!!!!
いいいいいいいんんんんんです!!!!
やるんです!!今日こそは!!
もう、我慢出来んのです!!

はぁはぁはぁはあああああぅぅぅ。

いやいや、朝からびっくりマーク何個出しているんだい?っとお怒りの言葉を掛けられそうですが、それほどボクはマックス興奮なんです!(うわぁ、ダサい表現)

おいおい、待て。大丈夫か?まだそんなに出逢って間もないぞ。そんなに絡んでいるのか?
などなど、ご意見多々ございますと思いますが。。。いいんです。
我慢ならんのです!あの「おっぱい」に!!!!!!
あー、もー、だー、もー、
あなた、我慢できます?
あんな、あーなおっぱいが、もーな感じで、だーしちゃっているですよ?
もーもーもー溜まらんでしょ?

何言っているかわからない?
そうでしょ、そうでしょー。はい。ボクもわかりません。
でもですね、でもですよ、毎日会社で、毎日ボクの横で、
あんな、あーなおっぱいが、もーな感じで、だーしちゃっているんですよ?
もーもーもー溜まらんでしょ?
ね?誰も突っ込んでくれないから、同じこと言っちゃいましたよ、ホンに。

さて、こんなことをずっと続けていても話が進みません。そう、この朝のラッシュの電車の中、それも立ちながらこんなことを考えていても、ね。
ちゃんと計画を立ててデートに誘わなければ・・・・

朝⇒トイレ⇒家⇒電車⇒会社⇒お昼

はい、お昼です。

ちゃんと考えて計画立てました。
午前中に。
仕事は?、って?はい、もちろんしてません。
パソコン向かいながら、ずっと計画立てていました。はい、では以下、計画です。

①お昼に及川さんを誘う。(円さんにばれない様に社内チャットでお昼前に誘う)
②会社の人があまり居ないお店にいく。(事前にお店チェック済み)
③ゆっくり食べれる軽いランチセットを注文。(今回はフレンチ系)
④普通に仕事の話をしつつ、最近の興味あるエンタメ系や趣味を聞き出す。(デートプランの情報収集とデートのきっかけのため)
⑤最後のお茶の時間で、デートに誘う。(候補は土日。駄目なら、平日の夜、というかバレンタインの日!)

既に①はクリア済み。
及川さんからは「はい、わかりました」の返信の後に、「円さんにばれないようにね。(殺されるから(゚д゚ノ)ノ ヒィィ!!))」と返信したら、「わかりました。二人だけの秘密ですね(o^-^o) )」との返信。
。。。ほ、ほぅほ、ほっほほほぉお

惚れてまうやろぉ!!!!!!!!!!!!

てな感じに心の中で全力に叫んでました(目は逝ってましたけどね)、はい。まあ、既に惚れているんですけどね。
そんなわけで本日のボク、本気です。及川さんのヨコ乳、本日まだチェックもしてません。全力で行かせて頂きます。


会社⇒萌&笑

というわけで、前方確認。

うん、円さん、こっちみてない。いつも通りのガン無視だ。(こんな時は助かるね。)

さて、ちらっと横の及川さんをみると、(ニコ)笑顔をくれている。はうぅ!!!
やばい、叫んでしまいそうっす。
そんな衝動を抑えつつ、かばんから財布を取り、何気ない行動で席を立ち、部屋をでる。
その後ろから及川さんが付いてくる気配を感じつつ。。。すぐさまエレベータへ!!

『はぁ~』と息を吐きながら及川さんがエレベータに乗ってきた。ボクは直ぐ「閉」ボタンを押す。

エレベータはボクと及川さんの二人っきり。
すると『なんか、普通にお昼行くだけなのに、どきどきしちゃいますね。(ニコ)』及川さんが愛らしい笑顔で言ってくる。

あ・ああ・ああああああううう!!!!

惚れてまうやろぉ!!!!!!!!!!!!

本日2回目の心の叫びを押さえつつ、ボクは笑顔でしか答えられなかった。もう、幸せにゃぁ~。


会社⇒萌&笑⇒お昼~食事&談笑?

さてさて、無事に会社からお昼に向えたボクたちは、会社からチョイ遠いところにあるカフェレストランへ。
そこは大通りからひとつ中の道にあるところで、2階にお店があることも合間って知る人が知る隠れ家的なレストラン。
なので利用している人も近所のお住まいの人やこの辺りで長く勤めている人達が中心。

店内はソファー&テーブルを中心に、ウッド調を基調にした落ち着いた内装。
でも、ソファーはチョイ古め、というかボロいけれど、これまた古いオーディオ機器からは洋楽のボサノヴァやジャズ、R&Bなどこれぞ喫茶店ソングといった曲が流れていて、居心地が良い。

そんなこのお店のランチは、サラダとスープに、メイン、ライスかパン、そしてコーヒーがつく日替わりの800円や、ビーフシチューのようなカレーライス、そしてこれも日替わりのパスタが共に900円(もちろんサラダとコーヒー付き)。
味は確かでうまいし、カフェめしなのに結構ボリュームがある。
これで食後のコーヒーを飲みながらソファーに深く座っちゃって音楽聴いていたら、それはもうあなた、会社なんぞに戻りたくなくなる夢心地になっちゃうこと、これ確定!、です。

そんなこんなで、ボクらは共に本日の日替わり、マスタードソースのポークソテー(ボクはライスで、及川さんはパン)を注文。店内奥のところに向かい合って座った。
『わたし、ここ初めて来ましたぁ。なんか雰囲気がいいお店ですね。鳴沢さんって色々なお店知ってますね。』
及川さんは店内を見渡しながらボクに言う。
『いえいや、単純にこの会社が長いだけですよ。長く居ればこの辺りは普通に詳しくなりますよ。』
『そうですかぁ?だって鳴沢さんがご紹介していただくお店って、雰囲気もいいけど、おいしいところばっかりですよ。私、食べること大好きなんです。だからうれしいし、鳴沢さんのこと感心しちゃってます!(ニコ)』
(ドキューン!)
『いえいいやぁ。それはよかったです。ボクも食べることが好きなんで、たまたま紹介したところがそういうところだったんですね。』
『はい、なんていうか、ただおいしい、というか私に合っている、というか。。。あ、もしかしたら私達ってその辺の感性が合っているのかもしれませんね(ニコ)』
(ドギャキューン!!)
『はへはいいやぁ。。そうなんですかねぇ。そ・それはぁ、ボクも、うれしいなぁあ!!ぼかぁ、しああわ、いや、紹介したかいがあったです!』
『いえいえいえ!こちらこそです!鳴沢さんにはお仕事もすごく丁寧に教えて頂いていますし、その上、会社以外のことも色々為になること教えてもらっちゃて。。なんか、ありがたいです(ニコ)』
(ボドキューーンン!!!)
『あはあぁ、そんなぁ』『お待たせしました、日替わりランチでございます。ライスの方は?』『あ、そちらです。』ああぁ。。助かったぁ。いきなり3連撃はかなり脳内破壊をされてしまい、危ない言動&行動に陥ってしまうところでしたぁ。定員さん、ナイスタイミング&グッジョブぅ!!

『いただきまーす』と、及川さんがチョイ小さめながらはっきりした声&かわいい仕草でいただきますを言う。あう~、いいのぉ。
ボクもつられていただきますを言い、食事にする。
今日の日替わりのマスタードソースのポークソテーは、こんがり焼けたなかなかの厚めの豚のロース肉に、生クリーム仕立てのマスタードソースがかかっているチョイ味が濃い目のご飯が進む逸品。ボクのお気に入りなメニューのひとつ。あと、添えられているサラダはいつもと同じなんだけど、このいつもかかっているドレッシングが、おいしい。ビネガーとサラダオイルが中心のフレンチドレッシングなんだろうけど、ドレッシング特有のすっぱさが柔らかく、そして味に深みがある。なので、ご飯のおかずにもなっちゃうサラダ。凄いでしょ。そして、同じく添えられているこのポテトサラダもうまうまー、な逸品。舌触りが滑らかでもあり、ちゃんとお芋感がある。食べていく後半になると、昔の立ちっ放しスナイパーのご飯の食べ方みたいに、豚とサラダとポテトサラダを一緒にホークでブッ刺して、食べる。とーー!、これがうまいのなんのって!!という、至極のプレートです。ちなみにスープは角切りのニンジンやセロリ、トマトが入った普通にうまいコンソメスープ。

『おいしいぃ。すごくバランスが良くって、おいしいですね。ほらぁ、鳴沢さん!こんなに豚が分厚いですよぉ。はむぅ。うーん、おいしいですぅ(ニコ)』
(ブフゥーーウウ!!)
おっと、やばい、食事中は特にヤバイ。カタカナになるほど、ヤバイです。口からでちゃう。
及川さんは笑顔でぱくぱくとおいしそうに食事している。うーん、なんかほっぺ膨らませて、リスみたいにかわいいにゃぁ~r(^~^*)。至極の幸せ。
うむ、これほどご飯で喜んでくれるとなると、食べ物系も絡めてデートに誘うのがいいかもしれん。。にゃぁ・・ニヤリ

・・・・
さて、一通り食事も終わり、食後のコーヒーがくる。ボクも及川さんもホットコーヒーにした。
このお店はホンに落ち着ける雰囲気なので、お腹一杯の状態だとそのまま無言のまったりな空間が支配してしまいがち。
がち。がち~。・・・いかんです。話題振らんと、及川さんもコーヒーカップ持ちながらかなりまったり顔になっとる!

さて、ここは無難に、『及川さんは最近なにか嵌ってます?趣味とかスポーツとか。』
定番の質問に少し音楽を聞き込んでいたのか、不意にこちらを振り向き、それから少し上を見つめながら「うーん」と思案する。
『あ~、えーと、そうですねぇ。最近だと、「ホットヨガ」を始めたんです。』
ほっとヨガ?ほっとするヨガ?癒し系ヨガ、ってなんか「ヨガファイヤー」のイメージしかないボクには結びつかん。
ボクが少し思案していると、
『「ホットヨガ」はですねぇ。普通のヨガと違って凄くゆっくりと体を動かすんですよぉ。ポーズはヨガのポーズなんですが、そのポーズをゆっくり時間を掛けて行なうことで、じわーっと、凄く汗を掛けられるんです。新陳代謝が良いらしくって、私も行くたびに汗びっしょりなんですよぉ。』
と、及川さんが手をパタパタ顔に向けながら説明してくれる。
なるほどねぇ~。ゆっくりねぇ。。
『ボクはヨガ自体、よくわからないんですけど、どんなポーズするんですか?』
ボクが質問すると、及川さんは「えーとですねぇ」と言った後に、
『例えば、こーんな感じとかぁ~』と、右腕を後ろにまわして掴んだ左腕を真上に上げるポーズをとる。
ポヨン
『あとは、こんな感じーとかぁ~』と、両腕を後ろに突いて顎をあげて胸を持ち上げるポーズをとる。
ボヨン
『うーん、ここでは少しできないですけど、足を腕でもってこーんな感じとかぁ~』と、両腕を胸の下に組んで持ち上げるポーズを、
ボヨヨヨンン!!
こんなポーズを・・・・・・を、・・お、・・・・おぱ・・・・・・・・・・パイオツがぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
『な感じで結構辛いんですよぉ。コレ。まだうまく出来ないんですけど、エヘヘ。あら、鳴沢さん、どうしたんですか?うずくまっちゃって、気分悪いんですか?』『いえ、なんでも、ちょっと一部、押さえているだけです、ハイ』『?』
これはぁ・・・、辛いですねぇ、確かに。


会社⇒萌&笑⇒お昼~食事&談笑?⇒決戦!

さて、水を一気に飲み干し、「すみません!お冷ください!」、意識を別のところに飛ばして、さて、本題にいくか。

『そなんですねぇ~。あ、それで、ですねぇ。及川さん』『はい?』『あのー、来週の火曜日の夜なんですがぁ。。予定とかありますか?』
ボクがそういうと、及川さんはちょっと動きを止め、目を大きく見開いていた。
う、なんか、気付かれちゃったかな・・、しかしここまできたら、行くしかない、よね。
行くしか、ない!!と、ボクは自分に言い含めて。

『あ、あの!』『ふぁい!あ、来週の火曜ですよね。いえ、何もないですよ。はい、まったく、ないです。』
及川さんも少しびっくりしている。
でも、
迷惑かもだけど、
これで変な状態に、あの時のような感じになっても、決めたのはボクだから!

『来週の火曜の夜、あの、会社終わってからなんですけど、一緒にコンサート行きませんか?クラシックなんですけど、野外コンサートで、それであの、結構有名なところがするそうでして、その、、、、及川さん、興味あります?』
早口になったけど、最後の方はまとまりついていなかったけど。。。
でも、言えた。
誘った。
デートに、それもバレンタインに。

及川さんはずっとこっちを見ている。そして無言。

永遠とも思えた沈黙は、

『は、あ、あ、あの、はい!はい!よろこんで!!』

どこかの居酒屋さんの挨拶みたいな及川さんの返事で破られた。そして、
『あ、違いますね。いえ、違わないです。クラシック、興味あります!凄く、あります!あの、野外コンサートって行ったことないです。だから、行きます!あの、私、鳴沢さんとコンサート行きます!行きたいです!』
これ以上ない、ボクが聞きたかった返事をくれた。

『はい、』ボクはそれで、その返事を聞いてなんか
『ありがとうございます。』凄く落ち着いた気持ちでお礼が言えて、
『いえ、楽しみです。よろしくお願いしますね、鳴沢さん。(ニコ)』及川さんの笑顔でボクの心は嬉しい気持ちで一杯になった。

『それで、あの、野外なんでどこかで食事、というよりはコンサートが始まるまでコンサート場でお弁当、ってどうですか?ボクの知り合いのお店でおいしい食事を出してくれるところがあって、そこでお弁当作ってもらって持って行きますよ。夜空を見ながらの食事もいいですよ。』
ボクが提案すると、
『わー!いいですねぇ。夜空でのお食事。なんか普段は夜の外でお弁当食べるなんてお花見ぐらいしかしないから、楽しそうですね。是非是非、よろしくお願いします!』
と、及川さんはさらに笑顔でこちらを真っ直ぐ見て言った。凄くうれしそうだ。よかったぁ。

ボクは凄く幸せな気持ちになって、ちょっと意識が飛んでいた。もう、このまま家に帰って幸せのままに眠りたい~
(ピキーン!!)「そんなことさせるわけないでしょう、鳴沢君」
『あぐううぅぅ!!』なんだこの殺気!どこから!いや、この殺気は。。。会社。あー、駄目だ、こりゃ。。

幸せの絶頂から死への覚悟を意識していた時、『あの~、鳴沢さん。』と、及川さんが声を掛けてきた。
『あ!すみません、ちょっと遺書に何を書こうか考えていまして』『え?遺書?ですか?』『ああ、ちゃいます、ハイ。えっと、なんですか?及川さん』
すると及川さんが急にもじもじし始める。なんだろう、くぁわい~い、じゃないか。
『あの~。。ですね。その~、コンサートが終わった後なんですがぁ。なんていうんですか、その、コンサートの余韻が残っているじゃないですか。で、ですね。』『ウン。』『その、私の数少ないひとつなんですけど、私が好きなおススメのスポットがあるんです。その、夜空が凄く綺麗な。』『うん。』『行きませんか?コンサート終わった後に。』上目遣いの及川さん。
『ふぁあいい!』
叫んでいた。周りがみていた。そんなの『よかったぁ。是非是非、行きましょう。本当におススメなんです!(ニコ)』関係ないと思った。

『及川さん』『はい?』ボクは及川さんの目をみて、言う。『来週、楽しいデートにしようね。』
ちょっとびっくりした顔をする及川さん。でもその後直ぐに笑顔で、
『はい!私、凄く楽しみです。久しぶりのデートなんですよー。あ、ちゃんと色々用意していきますから、ね、うふ(ニコ)』

あー、もう、ノックアウト確定にゃぁ~(*- -)(*_ _)


->

「本当に楽しみ、ね。」

前のお話:https://note.com/daikiha/n/nf60a8ccf1d64

後のお話:https://note.com/daikiha/n/n495e1d3666cd

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