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#1-3 かわいい屋さんに依頼が来た!

新連載『 🎈 かわいい屋さん 』へようこそ〜!

前回までのあらすじ

数十種のアルバイトを経験してもなお、心の底からやりたい!とおもえるような仕事に出会えなかった「かわいい」に生きるフリーター。だったらもう、じぶんでつくっちゃおう! 勢いまかせに個人事業を立ち上げた、その後のお話。


「かわいい屋さん」という箱

二〇二一年の四月一日に「かわいい屋さん」を開業してみたものの、それからしばらく大きな変化はありませんでした。変わらず週二くらいでクレープ屋さんのバイトに入ったり、かけもちで雑貨屋さんのスタッフをして。とりあえず勢いまかせに書類を出しただけの状態ですから、当然といえば当然ですね笑。というか、そもそも「どんなサービスを提供するか?」っていう内容が決まってないので、ちからの入れようがありません。お客さんも、なにを提供するか決まってないお店があったら困っちゃいますもんね笑。「かわいい屋さん」という箱をつくってみたけど、その中身は空っぽのまま、テーブルの上に放置されてるみたいな感じでしょうか。いまだったら「じゃあまず、かわいい屋さんの事業を固めるところから始めてみよう!」って考えられるんですけど、それまでずっと「会社で働く(決まった仕事が用意されている)」以外のやりかたを経験したことがなく、ビジネスのこともよくわかってないので(いまもあんまり笑)、どこから手をつけたらいいものか、初心者によくある「なにがわからないのかもわからない状態」でした。じぶんで事業をやるとなったときに、仕事の「つくりかた」がわからなかったんですね。たぶん、一般的な職業だったらノウハウがあるとおもうんですけど、「かわいい屋さん」って一体だれを参考にしたらいいんだろうと。モデルを見つけられなくて。それで、いろんな働きかたに関する本を読んでみたり、創作活動で生活しているひとたちの「やりかた」を観察しながら、ちょっとずつヒントを集めていきました。

かわいいの「どこ」を提供するか?

どんな「かわいい」をお届けしていくか、かわいいの「どこ」を提供するか?っていうのは、開業当初からはっきりしない部分のひとつです笑。たぶん、選択肢が多すぎるんですよね。もし、じぶんが「とにかく毎日かわいい文章を書きつづけたい!」ってタイプだったら、それを実行するだけでよかったんですけど、かわいい絵も描きたいし、かわいい暮らしのアイテムもつくりたい。かわいいイベントを開催してみんなで集まれたら楽しそうだし、かわいいスイーツ屋さんもゆめがある。かわいいキャラクターもプロデュースしてみたいし、そのためにはテーマソングがあったら盛り上がるかも! こんな調子で、思考がバラけてしかたありません笑。この「散らかり」は、かわいい屋さんの頭のなかで日常的に起こっていて、いつも整理するのに苦労しています。そもそも「かわいい」の世界が広すぎて、テーマも、切り口も、表現のしかたも、無限にありえちゃうというか。ひとつに絞れないんですよね。じぶんは「かわいい」を「一生あそべるゲーム」みたいに捉えてるところがあって、たぶん百年くらいは余裕で持つんですよ。ひとの数だけ「かわいい」の感覚もちがうし、創作のメインテーマとしてはあまりにも広大な、ちょっとした宇宙です。この空間を泳いでいると、じぶんでも一体なにをしたいのか混乱してくることがあって笑。かわいいことならなんでもやります!と言いつつ、具体的に「こんな事業をしています!」と打ち出せないことに、もどかしさを感じてきました。なにかしら「かわいい」に関わる事業です!とは言えるんですけど、あいまいなんですよね笑。でも、それだとお客さんも注文しづらいだろうし。最近は、もう事業ごとお客さんに決めてもらうのはどうだろう?とおもったりしています。かわいい屋さんは、かわいいの「かけこみ寺」みたいな感じで、毎日いろんな角度から「かわいい」をけんきゅうしてるので、あなたは、なにか解決したい「もんだい」が生まれたときに、その話を持ちこんでください。かわいい知恵を総動員させて、どこまでも可愛く「もんだい」を解決します! そんなことができたら、なんかちょっと「仕事」っぽいなって。

人生ではじめてのお客さん

「かわいい屋さんって何ですか?」と聞かれても、うまく答えられない。そんな、ふわっとした状態で現在まで来てしまいました笑。そんな感じで大丈夫なの?っておもいますよね。実際、じぶんもいよいよ心配になってきたので、かわいい屋さんのリニューアルを計画してるところです。ただ、実は開業してから半年くらい経ったころに、仕事を依頼してくれたひとがいるんですよ。いまではすっかり「かわいいともだち」になった、キッチンカー『可愛井かわいいカフェ』の店主、ひさらちゃんです。彼女は、札幌(北海道)を拠点に「泡おやき」の移動販売を行っていて、店名のとおり「かわいい(和✖️かわいい)」をテーマに活動してるんですね。思い返せば、彼女が人生ではじめてのお客さんということになります。そのころ、可愛井カフェではキッチンカーの出店スケジュールやメニューを確認できるスマートフォン用のアプリをつくっていて、いくつか「かわいい和柄」のデザインが欲しいということで、かわいい屋さんに話を持ちかけてくれました。調べてみると、和柄っておもしろいんですよね。『鬼滅の刃』で有名な「市松模様いちまつもよう」とか、三本線がリズミカルに配置された「三崩さんくずし」、虹みたいな扇形が交互に並ぶ「青海波せいがいは」など、柄のおもしろさにハマっていきました。しかも、ちょっと可愛くする余地があるなぁと。一般的に和柄って「美しい」だったり「しぶい」使われかたが多めな気がして。パステルカラーとか、淡い色味にしたら可愛くなりそうだよねって。何回か、会議という名のお茶会をして、最終的に「かわいい和柄」のデザインを数点つくり納品しました。ひさらちゃんの人柄が大らかというのもあるんですけど、最初から最後まですごく楽しかったです。だって「こんなかわいいものがつくりたいんだよね〜」と、かわいい屋さんの「できること」を知ったうえで、頼りにしてくれたんですよ。それって大げさに言ってしまえば、生きてる実感がわくというか笑。いやほんと、会社に勤めることが苦しくなって、どうにか「じぶんなりの仕事」を模索しているなかで、こんなにありがたい話はありませんでした。あらためて今度、感謝を伝えよう笑。来年、可愛井カフェは北海道江別市に店舗をオープンする予定で、また店舗のデザインについて相談を受けたりしています。相手のゆめみる「かわいい」を、どうやったら具現化できるか考えるのが楽しくてしょうがないです。かわいい仕事って、ありがたいなぁ。

「かわいい和柄」のサンプル、左から市松模様・三崩し・青海波




1-3はこんな感じになりました〜! 娘の誕生日パーティをやったあと、妻が体調を崩したりと、すこし執筆から遠のいてました。みなさん、どんな日々をお過ごしですか? 現在かわいい屋さんは、絶賛リニューアル中(あたらしく事業を構想中)です!笑 なにか「もんだい」があれば、そのまま事業アイディアにつながるので気軽に教えてくださいね。それではまた。次回は、こども時代を振り返ってみようかなぁ 🎈

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