空間デザインを辞めました
●空間デザインを辞めた背景について
お久しぶりです。だいきです。先日7月9日に、会社を退職しました。前々職では、大学時代に内定が貰えなかった空間デザインに挑戦してみたいのと、建築のことが知ることができるという前向きな理由で初の転職をしました。前向きな理由だったので、前々職の管理職の上司は僕を応援してくれていたのに前向な理由とはいえ辞めてしまったのは申し訳なく思っています。
デザイン業なのである程度の残業は覚悟していましたが、やはりハードな環境でした。残業のせいなのか?別に残業のせいではありません。辛くないと言えば嘘になりますが、月80時間程度の残業だけなら帰宅後も好きなことをやる時間が確保できるので、ギリギリ人間の形を保っていられました。しかし、最終的には残業時間が120時間となってしまい、長時間残業の他に良くない要素がいくつも絡んできたのが良くなかったのが理由です。その理由について、幾つか後述していきます。
●残業しないと怒られるのに残業代が出ない
前々職では残業代が1分単位で全て出ます。タイムカードによる勤怠管理がしっかりしていたので、残業しすぎると逆に怒られたり、名前を晒されたりします。その為、残業は会社の損失なので悪という教えが身に染み付いていました。自分の作業が終われば定時上がりでも何も言われませんでした。寧ろ上司の勤怠管理が楽になるので早く退勤する程褒められていました。かつての建設コンサルタント業界は残業地獄でしたが、現在の建設コンサルタント業は残業を減らそうという動きが強いです。建設コンサルタント業界は年度末の繁忙期こそ残業時間が伸びがちですが、閑散期は定時上がりも十分に可能なので、少しでも建築や土木に触れてきた工学部や理工学部の学生達には是非お勧めしたい業界です。
しかし、前職ではそうはいきません。見なし残業という、基本給の中に予め残業代を仕込むという制度があるので、月毎に見なし残業代分の拘束を強いられます。入社して2週間程経過した頃でしょうか、その日はたまたま定時前にやることが終わってしまったので退勤しようとしたら
「だいきくんは、その作業だけやって終わりか?」
と引き止められてしまいました。自分の作業が終わらないからだろうという理由で、ある程度の残業は覚悟していました。しかし、自分の作業が終わっているのに帰らせて貰えないです。他の人の作業を手伝えということでしょうか。前職の教訓がまるで活かせないギャップに苦しみました。他人の作業も手伝えだなんてそんなこと想定していません。無駄な残業なんかせずさっさと帰りたかったです。20:30に上がっても怒られます。20:30って早上がりでもないでしょうに…。
因みに定時で上がれたことは1度もありません。何故なら、図面1枚辺りの単価が安いので、稼ぐ為には残業しなければならないという悪循環がデザイン設計業にはあるからです。そうしてダラダラと残業しているうちに徹夜することが増えるようになりました。求人には見なし残業超過分は別途で支給すると書かれていたのに給与明細を見ても超過分の割り増しがありません。つまり残業代が出ていないということです。残業がなかったことにされています。これは違法ですし、会社の勤怠管理が杜撰であることの証明になっています。それなのに出勤簿はきっちり書かされるのは気持ちが悪いです。
休日出勤は後述するお局によってほぼ強制されていました。土曜日休むのに許可が要るので大分悲惨な環境です。理由としては僕の場合はソフトスキルが中途半端だったからです。自分のソフトスキルが中途半端であることに対する自責の念とこれは違法ではないかという反骨心が板挟みになっていた中で仕事をするのは辛かったです。しかし、休日出勤をしても手当が出ていません。休日出勤したら割り増しで給与を支払わないといけない上に、どこかで平日で代休を取れるようにしないといけないです。それなのに祝日にしか振替休日を充てられないルールがあるのは正直きつかったです。これが自己啓発という形にされてしまっていたのが本当に納得できません。しかも、土曜日休むと何故か怒られるということがありました。固定残業代も、規定時間に達していない分は減らすとまで言い始めたのは吃驚です。因みに見なし残業を設けている理由は業務上月45〜60時間の残業を要するというものでした。私は建築知識は身に付きつつありましたが、ソフトスキルがそこまで高くないのが問題でした。ソフトは使えても建築が全く分からない人もいますし、ソフトも建築もできない人もいます。月45〜60時間の残業を要すると言っても先述のように個人差があるので時間で括り付けるのは頭が悪いと思いました。
超過分の残業代や休日手当を出さないのに虫のいいこと言わないで欲しいです。それなら見なし残業やめたら?というかみなし残業やめたほうが業務効率化や経費・電気代などのランニングコストを減らすことに繋がると思うのですが?笑
上記により、ただでさえ激務の仕事に拍車がかかっており、人が出入りが激しいので、離職率がものすごく高い職場でした。僕を含む新卒中途は2020年3月時点で10人いましたが、僕を除くと2人しか残りませんでした。5月以降に入ってきた人を含めると離職率がもう少し高くなりますし、入社2日目で退職した方もいました。
見なし残業制度の会社全てがブラックだとは言いませんが、このような制度を悪用して社員を搾取している企業は残念ながら数多く存在しますので見なし残業=ブラック企業の認識は仕方がないです。もし自分がそのような企業に籍を置いている場合、すぐに逃げる準備をしましょう。見なし残業の企業に応募する際は実際の残業時間や見なし残業超過分が出るのか聞き出しましょう。向こうが回答をぼかしてきたり、出ないと言ったら確実に糞ブラック企業なのでさっさと辞退しましょう。
ブラック企業を潰せばホワイト企業はより利益を上げられるし、人を更に雇えるようになるので、ブラック企業をなくす党には是非今後も奮闘して貰いたいです。
●お局があまりにも気持ち悪い
お局様。会社にいるトップ女性に当てはまる言葉ですが、良い意味で使われることはまずありません。何故なら自分の立場を利用して部下をいじめていることがあるからです。恥ずかしい話ですが、僕は上記の理由もあり、お局と同じ班に配属されてしまったので、いじめられていました(他にも2人、作業が遅いという理由でいじめられていた人がいた)。
入社してから1ヶ月程経過した頃でしょうか。スキャナーの使い方を間違っていた(そのまま紙を流し込めばPDFの束が作れるのに1枚1枚スキャンいていたので作業が遅かった、流し込むとスキャナーが詰まることがあって、それは嫌なので確実にミスしない方を選んでいた)ので、お局に目を付けられてしまいました。未だに納得いきませんが、設計の仕事は速さが求められるので僕のスキャナーの使い方は間違いなのでしょう。
図面の展開図を書く際に、滅茶苦茶な指示を僕に出してきたのも印象的でした。展開図なので見えてる部分を書けば良いのに、柱も面としてカウントしろと指示を出してきたので、大して広くないお店でも、展開図の面の数がおかしいことになっていました。明らかに無駄な作業です。また、図面が完成したらお局に承認を得る為に報告するのですが、図面が間違っていたら30分くらい謎の説教が始まります。お局に完成した図面を見せるのは、お客様に間違った図面を渡さないためです。逆に言えば間違った図面さえ渡さなければ良いので、お客様に図面を提出していない段階で間違っているのは別に良いはずです。これも前々職で教えて貰ったことです。そのことがお局は解っていないのか説教してくるので理解不能でした。余裕がないのでしょうか。お客様に提出した図面が間違っていてそれで怒られるなら解りますが…。
前職で、年下の先輩がいたのですが、僕が入社する前はその先輩がいじめられていました。駅のホームから飛び降りることも考えたり、会議中に、椅子に座っているだけなのに涙が出てきたこともあったと僕に話してくれました。相当追いつめられていたようです。
「怒られたことを受け止めすぎると僕みたいになってしまうので、だいきさんは僕みたいにならないでください」
1年前のことですが、先輩のこの台詞は今でも記憶に残っています。どこかで反抗的にならないと、おかしいことはおかしいと言えないと自分もこの人みたいになってしまう、でも自分はそうはならないと肝に銘じました。
今年の2月頃です。それまでも意味不明な指示や説教に耐え続けてきましたが、初めてお局に反抗しました。お店の休憩エリアを什器の設計含めてプランニングする業務を担当していました。ある日、お客様から休憩エリアのイメージCGとPDFの指示書が来ていました。PDFの指示には「演出照明の配置はランダムで良い」という風に記載がありました。天井設備を回避しているなら好きな場所に配置していいということです。PDFに従って僕は演出照明をランダムに配置した図面を提出しました。すると、お局はこんなことを言い出しました。
「演出照明をCGに合わせて配置しろ」
これに対し思わず声が出ました。
「はァ?」
理解不能です。お客様はランダム配置で良いと言っているのにそこまでキッチリ合わせる意味が解りません。それに、自分達以上に建築が解らない人が作っているCGなので尚更理解に苦しみました。流石に時間の無駄なので僕はお局に反抗しました。しかし、全く聞き入れて貰えません。別の上司が来て、その上司に僕の言い分が認められたらお局は引っ込みましたが、そうでなければ延々と無駄な作業を強いられていたと思うと背筋が凍ります。とにかく図面作成で不要なところに拘るので気持ち悪いです、僕は26年しか生きていませんが、僕が見てきた人の中でもトップクラスに気持ち悪かったです。
お局がこういう人で、他にも意味不明に噛み付いてくるので僕は段々自分の作業進捗などを報告しなくなりました。報告連絡相談は社会人の基本なのでできないとまずいことくらい解っていましたが、上記のようなことが続いたので、とにかく関わるのが嫌でした。人間の防衛本能が働いたのだと思います。
5月頃にはCGによるイメージパースなどを作るようになっていましたが、僕が関わるのを避けてもお局が一々噛みついてくるので逃げ場がありません。僕が作ったイメージパースを見てはクオリティが低いだの駄目出しはするのに、こちらが助言や代替案を求めても何も答えてくれないのでタチが悪かったです(今年の2月に部署再編があり、お局様に味方するお局Bみたいな人も同じグループだったので地獄だった)。できることが増えた喜びなど得られたものは確実にありましたが、お局が気持ち悪すぎて限界でした。ここまで人として尊敬できない人は初めてでした。こんなんだから無駄に残業時間が延びるのだと思います。僕が退職した今、恐らくソフトスキルが不足している当時の同僚が理不尽に怒られ始めていると思います。施工管理しかしてこなかった人にCGパースをやらせたりして、できないと激怒したりするんだろうというのは大方予想がつきます。
「できないことを無理にやらせても人は伸びません。ポケモンだって長所を伸ばさないと強く育たないし、特殊攻撃が低いポケモンに特殊攻撃の努力値を振ったところで強くはならないです。」
今年の6月頃に、徹夜しないと終わらない作業をしていたとき、お局が翌朝に「自分は会社を守る為に必死なんだ!お前からは必死さが感じられない!報告はしないし、言うこと聞かないし!私はどうすれば良いの?死ねば良いの?」と激怒してきたことがありました。
僕がこの人の言うことを聞かないのは、このお局が危険人物で、これまでのお局の振る舞いを見てきて僕が本能的に関わるのを避けてるからです。別に死ねとまでは言いませんが僕が言うこと聞かない人間になったのは上記の背景があって十中八九このお局が悪いのではないかと反撃しました。すると、「私は死ぬ!」とか言い出すので非常に困りました。いくら僕のことが嫌いだからって本当に死ぬ覚悟もないのにそんな真似するのは辞めて欲しかったです。
僕だって与えられた仕事に対しては僕なりに責任を感じながら取り組んでいるので、作業が終わらないと判断したときは徹夜してましたし(最長で7轍していたこともありますが、3轍くらいで意識が飛び始めます)、責任を持たなければ徹夜なんてしません。明らかに無理なスケジュールを強いてきたから徹夜したのにそれが報われないのは悲しいです。挙げ句の果てには「一旦帰って寝た方が良かったんじゃないの?」とかほざきだすので言葉が出ませんでした。1発ぶん殴ってやりたかったです。いや、これまでこいつにパワハラで追い込まれた人達の分まで殴ってやりたかったです。女性を相手に殴ってやりたいと思ったのは生まれて初めてでした。
「提出期限まで時間がないこと、指示出してきたお前が1番知ってるよな!?作業が終わるまで帰るなとほざいたお前がよくそんなこと言えるな!?」と本当に発狂しそうな気持ちを抑えるので精一杯でした。よく我慢したと思います。上司がダブルスタンダーだとロクなことになりません。ホントバカじゃねーのこいつ。自分の発言くらい覚えててほしいです。
このお局が言う必死なのは本当かもしれませんが、自分の行動に責任が持てない人が発する必死という言葉は滑稽千万でした。大体こんなことをして何になるというのでしょうか。この人は1度先輩を鬱になるまで追い込んでいるので、そんな人が会社を守ってると言っても説得力がありません。会社を守ってるなら人を鬱になるまで追い込んでいいのでしょうか。こいつこそ自分の行動に責任を持つべきだと思います。僕には謝罪はしなくていいですが(僕が悪い部分も全くない訳ではないので)、本当に必死に会社を守ってるならその先輩にこれまでの理不尽の数々を謝罪してほしいと思います。というかそんな会社守らなくていいです。
「報告しない社員を改善させたいなら放置してください。わからない部分は流石に聞きにいきますが、それ以外は放置してくれたほうがよっぽど今後のためになると思います。関わりたくないと思われていること自体既に業務に支障をきたしています」
また、これも6月での出来事ですが、前職では朝礼が毎日あります。朝礼ではその日にやる作業や担当物件の進捗状況などを話すのですが、正直これは無意味だと思います。何故なら、自分の直属の上司と一緒に仕事する状況が基本で、自然と情報共有がされることになるので朝礼をするとその分タイムロスになるからです。現場仕事みたいに下手すれば命を落とす危険性のある仕事なら朝礼は必要かもしれませんが、設計で命を落とすということはまずあり得ないので不要です。そもそもブラック企業はお金に絡まない無意味なことをするのが大好きです。年賀状のデザインやコロナ対策のアイデア出しですが、社員は強制的に提出させられますし、お花の世話もしなくてはなりませんし、大手企業の真似でもしているのか定期的にSNSの更新をしなければならないですし、ぶっちゃけ無意味です。やりたくもないSNSやデザイン考案でまともな案が浮かぶことはまずないです。こんなことさせるなら作業に集中させて欲しいです。
ある日、同僚が前の晩に戸締まりをしっかりせずに帰宅したことが発覚してしまい、最後に退出した人が戸締まり確認表に名前を書くというルールができました。前職はオフィスビルに会社がある訳ではないので、一人一人が気配りをするという意味でもこのルールには僕も賛成です。そこで、戸締まり表を僕が作ることになりました。戸締まり表は直属の上司に承認を取ってから印刷して壁に貼り付けていました。その上司は乃村工藝社でいくつもの荒波を超えてきたベテラン(以下Tさん)なので、このお局と違って余程舐めた態度を取らない限りは怒らない優しい人です。知識量も経験も演出面の思考など、全ておいてお局とは格が違いました。地獄みたいな職場でしたが、この人の部下になっていたことは本当に幸運だったと思います。可能であればこの人が定年退職するまで一緒に頑張っていきたかったです。僕はTさんに承認を取っていたにも関わらず、お局は「表を作ったらまず私に見せるのが基本でしょ」と噛み付いていました。一々干渉してこないで欲しいです。しかし、Tさんはお局のやり方を見兼ねたのか、「俺が承認してるからいいんだよ、お前は早く紙貼り付けてきな」と庇ってくれました。流石にTさん相手では分が悪いのか、お局は引っ込みました。Tさん相手だと何も言い返さないのも本気で気持ちが悪いと思います。紙を貼り終えて自分の作業に戻ろうとしたときに、Tさんは僕にこう言いました。
「お前いじめられてるぞ、また反撃すればいいのに笑」
報告はしなくなっていましたし、作業はお世辞にも速いとは言えませんし、それまでは自分にも非があると思っていましたが、このTさんですら理不尽さを感じ取ったということです。確かに2月までの自分なら何か適当なことを言いながら反撃していたと思います。しかし、精神的に病むことはなかったものの、反撃する元気は残っていませんでした。
「(やっぱりおれ、虐められてたんだな〜)」
今まで耐えていましたが、誰が見てもおかしいと確信し、踏ん切りがつきました。後述するイメージパースの件も絡んできて、虚無感に襲われた僕は、翌日の土曜日に退職届を提出しました。
思い出すだけでも本当に気持ちが悪いですね。お局は別の先輩が結婚して退社する際に自分は結婚できないんだと嘆いていましたが
「そりゃ結婚できねーわ、性格がねじ曲がってるからね。どうやったらそんな性格になるのか脳みそかっぽじって見てみたい!マジでどういう生き方したらああなるの?」
女性の方はこんな人にならないよう気をつけて生きましょう。こんな人になってからでは全てが遅いので。とりあえず自分の非を認める人であればこんな変な人にはならないと思います。このお局は自分の非を認めず怒鳴り散らすだけなので変な人になりました。本ッ当に気持ち悪いです。
●お局Bも気持ち悪い
今年の2月に部署再編があり、そのときに先述のお局と別の班にいたお局Bと同じ班となりました。ただでさえお局に噛みつかれて困っていたのに、また別の口調が厳しい人の相手しなくちゃいけないのかと思うと憂鬱でした。ここまではまだ我慢できました。しかし、僕が作っていたCGパースのクオリティが低いと駄目出しをするのにこの人も助言を一切してくれないのでかなり困っていました。それだけならまだ自分が悪いと受け止められたのですが、この人は僕よりも質の低いCGをお客様に提出していたのを見てしまったので、自分が徹夜してまでやっていた作業は何だったのかと怒りを通り越して呆れてしまいました。僕がやっていたCGパースの仕事が終わらないように仕組んでいたとしか思えませんでした。お局に噛みつかれたり、早上がりをしただけで怒られたり、土曜日休んだだけなのに怒られたり散々な目に遭ってきましたが、この出来事が決定的になり、これ以上時間を無駄に消費するのはあまりにも馬鹿馬鹿しいので退職を決意しました。
というか自分ができないことを人に頼んでおきながらキレ散らかしてくるのは誰が見てもやばいでしょ。お局って気持ち悪い人でないとなれないので、お局になるには才能がいるんだなと思わされましたね。ベテランでも優しい人はお局なんて呼ばれずリスペクトされてますからね。
●学んだこと
上記の理由により僕は7月9日付けで退職を申し出ました。野球部時代に精神を鍛えられすぎたのか、80時間残業しても(先述のお局によるしょーもない出来事のせいで残業時間が延びがちです)、あれだけ意味不明に噛み付かれても精神が病むことはありませんでしたが(ただ、風呂に入るのをめんどくさがって風呂に入らず寝てしまったことが4月あたりから増えていたので鬱寸前まで行ってたと思う)、悔いることはあります。
何故建設コンサルタントを辞めてしまったのか。何故この会社をもっと早く辞めなかったのか。後悔の日々でした。もっと早く行動に起こさなければならなかったのですが、得なくちゃいけないものも確かにありました。本当はこの先も知らなくちゃ行けないことは沢山あったと思います。ですが、これ以上会社に籍を置くと本当に精神がおかしくなりそうだったので、踏ん切りをつけました。転職先を決めてから会社を辞めるのが基本ですが、先述の通り激務で時間がとれないのと、転職先を決めていなくてもこの会社にいることに拒否反応を起こし始めていたので退職することにしました。
ただ、建築は少し解るようにはなりましたし、図面の読み書きも少しできるようになりました。大手空間デザイン会社に勤める友達にも自分の作ったCGパースがかなり褒められるようにもなっていました。職場はブラックでしたが、収穫があったのは良かったと思います。ここから先はこれから就活をする学生や、転職をする可能性のある人に向けての発言となります。
それは、デザインしたいならデザイン会社には行くなということです。デザインというのはお客様が納得するものを作らなくてはならないので案を数点生み出す必要があります。その為残業時間が長くなりがちなので、固定残業代制度を設けている企業が多く、超過分は支払われないことが多いです。所謂サービス残業です。超過分を出すと明記しないと求人を掲載できませんという決まりがあるので、表向きは超過分を出すという風になっていますが、実際はタイムカードが無かったり、タイムカードがあっても定時にカードを切ってから残業するよう促したり、実際は残業時間が改竄されてしまい、超過分の残業代が出ないことが多いです。それだけの売り上げが何らかの理由で上げられていないので超過分まで支払ったら会社が潰れてしまうのでしょうね。それに、不採用の案は使われないので、それまでデザインにかけていた時間に対して効果の見込みが薄いので、コストパフォーマンスは最悪と言われています。空間デザインに関わらずデザイン業全般に共通する悪い部分と言えます。デザイン業が余程好きでないと続けられないと言われているのはこのような背景があるからです。もしデザイン会社に行く場合はかなりの覚悟が必要です。
次は、コストパフォーマンスを上げながらデザイン業をするにはどうしたら良いのかについてです。僕は建設コンサルタント時代に、区役所で発行されるまちづくりニュースを作っていたことがあります。当時在籍していた会社で、絵を描けるのが自分だけなので重宝していたと当時の上司や先輩が僕に話してくれました。
因みに建設コンサルタントはデザインはしません。建設コンサルタントとは、街を良くする為に必要なことを役所の人にアドバイスをする知恵貸しの仕事です。つまり、デザインをメインにしていない会社で自分の能力を周囲に把握して貰えることで、デザインの仕事が回ってくることがあります。インハウスデザイナーと呼ぶのが正しいのでしょうか。デザインができるのが自分しかいないのでソフトスキル面や演出面で自己研鑽をしないといけない部分があるのですが、ある程度は自分の裁量でデザインを任せて貰えますので、業務としてはデザイン会社に勤めるのに比べたら遥かに楽だと思います。デザインをメインにしていない企業でデザインを任せてもらえるかどうかはかなり博打になるとは思いますが、もしそこでデザインの業務を任せてもらえれば、その組織に於いては確実にある程度は自分の裁量で働けるデザイナーとしての立場を確立することができます。このため、案がボツを食らう可能性は下がるのでコストパフォーマンス自体はかなり良くなります。
以上が僕がこのブログで伝えたいことです。今後は残業が少ない企業で売り上げに貢献していきます。自分が尊敬できる人や、この場所で皆に貢献したいと思ったら、その仕事や場所を大切にしてください。ブラック企業で辛いことがあっても、解ってくれる人は必ずいます。今が辛くても、この先を生きることを諦めないで欲しいと思います。
※別に僕は労働基準監督署に行き訴えようとまでは考えていません。そんな気力が起きないので。ただこれを読んで自分が経営する会社が当てはまっていたと思ったら今すぐ労働環境を改善すべきではないかと思います。というか訴えられたら会社側が普通に負けるので、人に逃げられてしまうようなことはしないほうがいいと思います。