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評価されるという事

中途入社5年半。
私は今の会社で評価されたことがない。
厳密にいえば、半期ごとの優秀者表彰(約10名ほど)で名前が挙がったことが一度もないのだ。

これは私の中で、相当なコンプレックスになっている。

手前味噌ではあるが、
私は別に自分の能力が劣っていると思ったことは無い。
むしろ、前の会社を辞めるときに引き抜いて貰い、
鳴り物入りで入社してきた。

今思い返せばそれが良くなかった。
入社後、会社でもコミュニケーションの難しい問題児の下に付けられ、
全く未経験の業務を行う事になった。
引継ぎは無いに等しく、社内でもハードな仕事。
求められるレベルも高く、チームメンバーとは連携も上手くいかなかった。
怒られ、委縮し、ミスを重ねる、挽回しようとして更にミス、
頑張って上手くいった仕事は、他部署から評価されるが、
手間は増えるが数字増えずで、自分の効率は下がるのみ。
それなりに社内の信用は得たけど、上司からの評価は酷いものだった。

これが中途入社1~2年半目の出来事。
明らかに色々と抱え込みすぎたし、
オーバーワークで上司とのコミュニケーションも不足していた。

自分なりにリカバリーしようと、頑張った期もあった。
でもその期の評価面談ではこう言われた。
『頑張ったと思うけどさ、俺、やっぱり○○さんを評価したいんだわ』
当時の評価制度は相対評価で、部署内で順位を争う形式だった。
つまり、上司のお気に入りにならなければ、
どんなに頑張っても評価されないのだ。

ほどなくメンタルを病んで、人事に相談して担当を変えてもらった。
この時、
(私はもうこの会社で評価されることは無いな…)
と、うっすら思った。

次に付けられたのも、クセ強な営業。
とはいえ、前の上司よりはぜんぜん会話が出来たし、
業務も難易度が下がったので、仕事は楽だった。
名誉挽回とばかりに頑張ったが、
その営業に手柄を横取りされ、彼だけ昇進。

私は何となく評価は持ち直したものの、
窓際部署の減員補充として異動になった。

折り悪く、世間はコロナが始まった頃で、引継ぎはオールリモート。
しかも人手不足で、前の仕事も非公式に掛け持ちする状態だった。
これも今思えば、抱え込む必要のない仕事で、
評価につながらないただの搾取だった。

そして私から手柄を横取りした営業はボロが出で失脚し、半年で退社。
私は中途入社3年目を迎えた。

ここから次の1年半は、ガラッと変わった。
簡単に言えば上司やチームの先輩と相性良く仕事できた。
(というか空気を読みまくった)
先輩ががっつりトップでやっていたので、
抜き出た成果を出して表彰されることは無かったけど、
評価としてはまあまあ良く、
以前の部署の半分の仕事量で、評価のたびに給料が上がっていた。
この時に学んだのは、とりあえずミスをしない事。
ミスをしても、ミスと思わせないリカバリーが大事だったのだろう。
少なくとも、当時の社風はそうだった。

そして中途入社から4年半が経ち、
部署の業務が縮小し、かなり暇になったときに事件は起こった。
簡単に言えば、気の緩み。
プラスアルファを心掛けて動かなかった為、評価が下がったのだ。
愚痴ばかりの後輩をコントロールできず、
流されて省エネ営業になったところもあるのだが、
それは全く言い訳にはならない。

そしてまた異動の5年目。
前の会社でやっていた業務を行う部署に配属された。
慣れたものなので、何事もなくこなし、まぁまぁの評価。
半期ぶりに給与も上がったので満足してはいた。

が、今期の表彰式では仲の良い同期や、
この前入社し、以前に私が担当していた業務をこなしている子が、
続々と表彰されていた。

決してそんなことはないのだけれど、
何だか自分だけが一向に評価されず、
ただ燻ぶっているという事実が胸に刺さった。

きっと、要領が良くないのだろう。
得意な事や成果を上司にアピールしたり、適度に手を抜いたり、
時には誰かを出し抜いたりという事が出来ない。
心の中と態度を、状況に応じて切り分けて操作することが出来ない。
ガツガツ行くことが出来ない。

それなりに勉強したり、努力はした。
だが、完全に最初の二年半が私のトラウマになっていて、
他の場所で出来て評価されたことが、会社では全く出せなかったのだ。

そしていつの間にか私は、
この会社で努力して結果を出すという事を諦めていた。
評価されないのも、考えれば当たり前の話だ。

長々と書いたが、結局のところ

・評価されるにはテクニックがいる
・そのテクニックや労力を含めて実力
・停滞はプラスではない

…という事だ。
これに気づくのに5年半かかったわけだが、
とりあえずは、ちょっと前向きになれたからいいかなとは思う。

もう一つ実感したことは、
この会社と私は決定的に性格が合わない
という事。

でも悔しいから、
表彰されるまでは頑張って、
表彰されたら高らかに笑って辞めてやろうと思っている。


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