僕の「ストーリーテリング」との出会い
ご存知の方も多いと思われますが、僕のnoteはストーリーテリングという技術をフル活用して書かれています。あなたが僕のnoteを読んで心が動いたり、考え方が少しでも変わったりするとしたら、それはストーリーテリングの力によるものなのです。(拙著『人生を変える!コーチング脳のつくり方』でもこのスキルはフル活用されています)
僕は講師としても、コーチカウンセラーとしてもストーリーテリングの技術を使って人の成長をサポートしているのです。
今日から何日間かかけて、ストーリーテリングに関する記事を書いていきたいと思います。単に読んで面白い話もあると思いますし、講師をやっている人は、講師業に活かせるアイディアがたくさん含まれると思います。
コーチやカウンセラーの方も、クライアントに良い影響を与えるためには、「どのようなストーリーを」「どう語ると」効果的なのかのヒントを学べると思います。
ストーリーテリングは、相手に新しい考え方を持ってもらうためのスキルなのです。あなたが考えていることを、聴き手の人に
「そう言われたら、確かにそうだよな」
と思ってもらうための、伝え方がストーリーテリングなのです。
人はもっとわかりあうことができます。分かり合えないのは、わかりあうためのコミュニケーションスキルを身につけてこなかったからです。
ストーリーテリングはわかりあうためのコミュニケーションスキルの1つです。ぜひ仕事相手とも、ご家族とも、ご友人とも、もっとわかり合いたいと思うことがあれば、ストーリーテリングの考え方と技術を身につけてください。
講師とストーリーテリング
僕のコーチングやカウンセリングの先生たちは、やたらとストーリーを話す人が多かった。
自らの人生の転機となった出来事を話してくれる先生もいれば、知り合いが遭遇した興味深いエピソードを話してくれる先生、昔話や神話・伝承の類いを紹介してくれる先生もいた。
最初は違和感があった。なんでこんなこと話すんだろう。こっちは貴重な時間をつかって学びにきているんだ。そんな話をしている時間があるなら、一つでも多く理論を学んだり、技術をおしえてほしい。
しかし、そんな考えはすぐに消し飛んだ。だって先生たちの話はどれも魅力的で、教訓に富んでいた。
「この話を聞けて良かった。これはコーチとしての生涯の指針になる」とか「この話を知らなかったら、危なかったかもしれない。心に刻んでおこう」
そんな風に思える話ばかりだったのだ。
そして今振り返ってみると、心理理論や技術の解説は忘れてしまっても、不思議と先生たちが紹介してくれた物語は、僕の記憶に残っている。そして、やっぱりコーチカウンセラーとして人と向き合う時の指針となっている。
NLPトレーナーになるためのクラスで、NLP協会理事長のクリスティーナ・ホール博士は、
人は体験から学習すること。そして学習のための体験の一つがストーリーであること
を教えてくれた。これは本当に大切な教えだ。
これまで僕は14年間コーチングスクールを主宰してきて、これまで2,000人以上のコーチを輩出してきた。講師としての僕は、学びにきてくれた人に「現場で使えるコーチング」を身につけてもらいたいと思っている
そうすると、コーチングの解説や説明ばかりしていても仕方がない。それよりも、どんどんとクラス内で実践してもらって、結果を振り返ってもらう「体験」が何より現場での実践に役に立つのだ。
さらに、いろんな相手とコーチングができるようになるために、ちょっと特殊な前提(例えば「何をいっても相手が反発してくる」)を作ってロールプレイをするなどもしてもらう。特殊な場面へ対応するための事前体験も必要だからだ
ところが、なかなか教室の中では体験しにくいこともある。それらについては、どうしたらいいだろう。これがストーリーの一つの出番。
そのことに関連したリアルストーリーを紹介するんだ
「ストーリーテリング」の技術を使って話をすると、参加者がストーリーの世界にのめり込んでいく。よくできた映画を見ていると、作品世界にすっかりとはまりこんでしまうみたいに、あたかもそこにいるかのように疑似体験ができるのだ。
だから聴き手も、僕と同じ現場で、同じ出来事を見聞きして、同じように心を動かし、思考を巡らし、思い切って行動をとってみて、その結末を体験するのだ。そしてその結果から得た貴重な教訓を、聴き手の脳は刻み込む。自らの未来のために。それを可能にするのがストーリーテリングというスキルなのだ。
振り返れば僕の心理の先生たちは、皆このスキルの達人だった。だから僕もコーチングカウンセリングができるようになったのだ。
旅先でのタロットカード
コーチングの先生を囲んで仲間で旅にでかけたときのことです。夜になぜだか大部屋でタロットコーナーが始まりました。
タロットカードは、見たことがない絵柄でした。先生は、僕たちがカードの山から一枚引くと、そこに描かれたイラストに関するストーリーを話してくれました
そのとき僕が引いたカードはコレでした
そして、先生が話してくれたストーリーはこんなものでした
話が終わると先生は、
「この物語をきいて、だいじゅはどう思いましたか?」
と問いかけてきました。
僕は衝撃を受けていました。これはまさに当時の僕の物語だったからです。
もっと知りたい、もっと学びたい。そうしないと不安で仕方がなかったのです。たくさんの知識を持つことで安心が欲しかった。そうすることでいろんな状況に対応できるようになると思っていたのです。合宿にまで参加していたのは、何かクラスで話されていない秘密の教えが聴けるのでは、と期待していたからなのでした。
でも知れば知るほど不安も増えていた。わからないことは無くならないどころか、増えていきました。。。。
でも、このストーリーをきいて、ふと、深呼吸をして、瞑想がしたくなりました
全ての知識を手放して、今ここに瞑想的に存在しているなら、不安もなくなる
そんな気がしたのです。そして
そうやって今ここにいるから、クライアントに関する大切なことを、きちんと受け止めるスペースができる
ということが納得できたのです。なにか憑き物が落ちたような気持ちでした。
ただ短いストーリーをきいただけだったのに。。。その瞬間から僕はまったく変わってしまったのでした。
思い返しても不思議な体験でした。このエピソードを周りのみんなも聴いていましたが、そこまで大きな変化が起こったのは僕一人だけでした。先生は多分、僕の中で大きな変化が起こるように、このストーリーを僕向けにアレンジして話してくれたのです。
これがストーリーのもう一つの使われ方です。クライアントの悩みを作っている「思考パターン」を、ストーリーが優しく、変化させてくれるのです。
だからストーリーテリングは、カウンセリングやコーチングの中で使われるスキルの一つでもあります。クライアントの考え方を、ストーリーの力を使って広げていく。ストーリーの力によって、別の視点を得たり、別の考え方ができるようになり、人生が変わっていくのです。
これは、何も珍しい話ではありませんよね。誰しも、自分の人生に影響を与えてくれたストーリーを持っていると思います。
映画、小説、ドラマ、漫画、アニメ、ドキュメンタリー。。。。
思い起こせば「この作品と出会って、考え方が変わった」、そんなストーリーをあなたも持っているはずです。
もしくは、親や友達、先生や先輩から聴いた、あのエピソードの影響を今でも自分は受けている。。。。そんなこともあるのです。
ストーリーの力を使って、相手に良い影響を与えていく。それも何度でも再現可能な形でやれるようになる。それを実現するのがストーリーテリングの技術なのです。
今回の記事はここまで。この後何日間かは、ストーリーテリングに関する記事が続く予定です。
ストーリーテリングの理論や技術の解説。コーチングやプレゼン、日常会話などにどう応用するか。よいストーリーの作り方のポイント。などなど、ご紹介していきます。
どうぞお楽しみに
僕たちと人生を変えるコーチングを身につけたいかたは
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