承認欲求があってもいいじゃないか

 僕は2005年からアドラー心理学や、それをベースとしたカウンセリングを勉強、探求しています。そしてアドラー心理学ができて以降100年超の臨床心理学の発展を生かした新しいコーチングの体系を作り上げようと奮闘しています。

 なので、会った人から、コーチングだけでなく、アドラー心理学について話をふられたり、質問されたりすることが結構あるのです。

 そして、その中でもよく言われるのが

「承認欲求を手放せません。どうしたらいいですか」

 みたいな話なわけです。

承認欲求は手放さないといけない、と思っている方が多いんですね。まぁ、アドラー心理学をちょっと学ぶとそういう結論になるのも理解できるのですが。。。。ということで、今回の記事は承認欲求についてです。

 結論はタイトル通りで「承認欲求があってもいいじゃないか」なんですが、それがどういうことなのか早速紐解いていきましょう!


①あなたはキャーキャー言われていい

 最初の論点は、

 あなたはもっとキャーキャー言われていい人物である!

 ということです。もっとキャーキャー言われてもいいはずなのに、まだ言われ方が不十分なら「もっと認められたい」「もっとすごいと言われない」と思うのは当然ですね!!


何しろ人類の歴史の中で、あなたと同じ人は誰もいなかったし、これからも出てこないのです。あなたは人類史上唯一無二の存在なのです。しかもあなたは努力をしてきました。あれやこれや思い悩んだり、思い切って何かをしり、はたまたグッと我慢をしたり。嫌なことでも心を殺して続けたり。。。。

 あなたは褒められて然るべき人物なのです!!!

 ほんとですよ!!あなたとまったく同じ体験をした人はいないし、あなたと全く同じチャレンジをした人はいない。あなたとまったく同じことを考えている人はいないわけです。だから人類史上あなたにしかできないことがあるのです。すごい!!

 あなたが謙虚という美徳を持ち合わせている場合「私にしかできないことなんかない!」って言うかもしれませんが、そんなことないのです。いまこの瞬間、あなたの身体を持っている人はあなたしかいないわけですから、あなたの周りで起こっていることに対して、あなたのポジションで何かできる人は、あなたしかいないのです。あなたがお子さんのお母さんであるなら、あなたしかできない関わりがお子さんに対してあるように、あなたの関わる人に対して、あなたにしかできない関わりがあるのです。

 そんなこと大したことないって、あなたは言うかもしれませんが、あなたのちょっとした関わりが、相手の人生に影響を与えることなんていくらでもあるわけですし、あなたが気づいてないだけで、あなたの影響を受けた人はいるわけです。ただあなたは謙虚で、こんなことでは足りないっていうかもしれませんが、そういう謙虚なところも含めて、あなたはもっとキャーキャー言われていいのです。

 だから、仮に承認欲求が手放せなくても、そんなことは当たり前だし、そんなことで自分を下げたり、ましてや責めたりなんかしないでほしいのです。

 あなたは裸で身一つで生まれました。だれもあなたに「完全版人生マニュアル」なんてくれませんでした。なんなら嘘もいっぱい教え込まれました。たくさんのことをぶつけ本番でこなすことを求められ、あなたは自分で開発したやりかたで、それを凌ぎ続けてきたのです。すごい!!!

 だから、本当に本当に、あなた自身の価値を認めてあげてほしい。僕はそう思っています。誰がなんと言おうと、あなたは努力してきた。いろんなことを堪えてきた。

 でも、あなた自身が本当にそう思えるためにも、やっぱり人から労ってもらいたいわけです。

 すごいよ!!よくやったね!!がんばったね!!くるしかったね!!でもここまでたどり着いたね!!そしてまだ自分を変えようとしてるんだね!!本当にすごいよ!!そのままだっていいんだよ!!あなたが笑顔でいたり、幸せにいたり、何よりあなたらしくいるだけで、本当に本当に私は嬉しいんだよ!!!

 って言ってもらえたら、報われるから。。。。だから、それを求めちゃう!!!

 いいじゃないですか。もとめてください!!!あなたにはその価値がある!!!

 だから

 もし道端で僕に会う機会があったら、声をかけてください。そんで「労ってほしい」とか「褒めてほしい」とか言ってください。

 持ち時間1分かも知れないし、もっとあるかも知れませんけど、その時間で一生懸命、労います。

 僕は「褒めるな、叱るな」でお馴染みのアドラー心理学の信奉者ですけど、あなたが褒めて欲しかったら褒めます!!

 あなたに自信を持ってもらいたいからです。私ってすばらしい!!私っていけてる!!わたしってデキる人間だ!!

 って思ってほしいからです。アドラー心理学で「褒めるな」というのは、「自分の価値観で相手を評価するな(相手をコントロールしようとするな)」ってことなんです。

 だから、僕はそんな褒め方はしません。その代わりにあなたに質問します。

 「あなたが頑張ってきたことを教えて!」「あなたが大切にしていることを教えて!」「あなたが守ってきたものを教えて!」「あなたが好きなことを教えて!」「あなたがうまくできることを教えて!」「あなたがやってみたいことを教えて」

 そして、それに関して、あたしが心からすごいと思ったことを「すごい!!すごい!!」と言います!! 

 あなたの勇気が少しでも増えるために!あなたにはその価値があるから!!

 

満たされたら飽きて次に行ける?

 アドラーは1870年に生まれ1937年になくなっていますが、その生涯を通じて、たくさんの人に影響を与えましたし、死後も臨床心理の世界を中心に多大なる影響を与え続けています。

 そんなアドラーの影響を強く受けた一人に、アブラハム・マズローがいます。自己実現の研究をし、そのなかで欲求階層説をとなえたことで有名ですね。

 マズローの考えだと、自己実現に至るには、欠乏欲求を満たしていくことが大切です。

 生理的欲求→安全欲求→所属欲求→承認欲求

 と欠乏欲求がしっかり満たされたときに、人は自然と自己実現の道へと入っていくのです。

 いつかあなたにも

 どこに自分の居場所があろうと、なかろうと関係ない。誰が認めてくれようと、くれなかろうと関係ない。自分の信じた道をいく!!!

 そう思えるときが来るのです。

 でもそれは、十分に欠乏欲求を満たしたからですよね。だから承認欲求も満たしたらいいのです。

 あなたをコントロールするために、褒めたり貶したりする人ではなくて、あなたを好きで応援しようとしてくれる人に、たくさん満たしてもらってください。

 そういう人が見つからなかったら、コーチやカウンセラーを探してください。まぁコーチやカウンセラーにもいろいろいますから「あれ、この人違うかな?」と思ったら、どんどん次にいってください。

 もしくは、あなたから誰かのことをいっぱい認めたり、労ったりしてもいいかもしれません。返報性の原理で、相手もあなたにそうしてくれる可能性が生まれます。

 でもね、大切なのは、そういう体験を通じて、あなたが自分で自分にOKを出せるようになることなんです。

 誰が褒めてくれようとくれなかろうと自分には価値がある。って思えるようになったら、あなたは承認欲求から自由になるのです。

 あなたにはそういう可能性もあります。だから

 「そうなったらいいな!」「そのために役に立ちそうなコミュニケーションをとっていこう!」

 と思うのは良いことだと思います。でもね

 「承認欲求から自由にならないといけない」「自由になれてない自分は不完全だ」

 なんて考えるのはやめてほしいんです。だって、あなたは褒められていい。キャーキャーされていい。

 一生そう思っててもいい。そう思いながらだって、別に自己実現も社会貢献もできます。

 大切な人と、労いあったり、褒め合ったり、キャーキャー言い合いながら幸せな人生を生きるんでいいじゃないですか!!

 僕たちの目的は幸せな人生を生きることなはずです。あなたが幸せに近づくならなんでもいいのです!!

 そして、もう一個。承認欲求が十分みたされようと、まだそうでなかろうと、

 「次にいこうかな!」

 と思えたら、次にいきましょう!!あなたにはその力があります。そして、それを支える仲間も80億人の中にはいくらでもいるはずです。

 そんな仲間を一人でも二人でも見つけて、それで幸せに生きていきましょう!!

 僕たちコーチはそれを応援しています。


承認欲求の生き延びるための欲求

 承認欲求は、生き延びるための欲求でした。私たちは一人で生きていくことができません。とくに小さな子どもは、周囲の大人に生殺与奪の権を完全に握られているわけです。

 だから、生き延びるためには、認められること、受け入れられることが必要だったわけです。必死の生存戦略です。

 そうやって生きてきたのですから、突然手放せと言われても勇気がいるのです。

 だから、いっぱい労われて、褒められて、自分もその気になって、ちゃんと仲間の存在も感じながら、ちょっと不安だけどチャレンジしてみて、やっぱり自分もできるんだ!!!わたし頑張ってる!!!すごい!!!

 そんなふうに思える体験が必要なのです。

 人に褒められて、自分を褒める練習をして、ちょっと怖いけど勇気をもって、一歩踏み出して、

 「わたしやれてる!!」

 って思える体験が必要なのです。そうやって、だんだん自由に自分の人生を生きていけるものだし、人と程よい距離感で助け合ったり応援し合いながら生きていけるようになるのです。

 アドラー心理学はあなたがそんなふうに生きることを応援しようとしているはずなんです。だから、別にあなたが承認欲求が手放せなくったって、アドラーはあなたを否定なんかしないはずです。

 あなたが勇気をもって、自分にOKを出すこと。人を信じて、そして次の一歩を踏み出せるようになること。持ち時間はたった1分かも知れないけど、アドラーが生きていたら、あなたに真剣に関わってくれるはずです。

 それが僕の見ているアドラー心理学です。(異論は認めます!笑)

 ということで、承認欲求なんてどうでもいいのです。そんなもの持ってても持ってなくても。どっちでもいい。

 大切なのは、あなたが生きていること。そしてあなたが次の幸せに一歩踏み出すことです!!

 だから最後にもう一度、結論。

 承認欲求???あってもいいじゃないか!!!!

 ということで、一緒に楽しく生きていきましょう。そういう世界を作りましょう!! LOVE

 (今日の原稿は過去最速52分台で4406字書きました。あえて推敲なし。この思いよ届け!!)

そして僕たちとコーチングを通じて素晴らしい世界が作りたい方は






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