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特別支援学校実習生

特別支援学校高等部二年生が
先日実習にやってきた。
二週間だった。

前に一日体験をして
それを経て
実習先に選んでくれた。

 
その人は私と同じ名字で
「もう一人の真咲さんだ~。」と喜んだ。
他の職員の名前は覚えないし、呼ばないが
私のことはよく呼んで慕ってくれた。

 
その人は面白く、よく話すムードメーカーなタイプだった。
作業や活動もよくできた。
利用者や職員とも関わることも好きだった。

 
先生が巡回した時
たまたま私がその人と作業をしていたからか
二回も私が実習生の様子を伝えた。

 
実習生担当は新施設長なのだから
本来は新施設長の役割なのに。

私はヒヤヒヤした。
新施設長から疎まれていないといいが。

 
その人はうちの施設に向いているなぁと思った。

 
以前来た別の実習生は施設に慣れずに笑顔や発語が見られず、泣いたり帰りたがり
床に座ったり寝転ぶ姿が見られた。

そういう実習のケースもあるからこそ
今回の実習はいい方向にいってよかったと思う。

 
卒業後、来てくれたら嬉しい。

 
 
余談だが
先日、別の学校の三年生保護者から見学希望の連絡があった。
大抵は見学をしてから実習の流れになる。

 
よくよく話を聞くと
中等部三年生保護者からの電話だった。

こういうことは時々ある。

 
将来を真剣に考え、先に先にと動く真面目な保護者か

あまりにも課題が多すぎて受け入れ先が見つからずに早めに動く保護者だ。

 
きっと今回もどちらかのケースだろう。

 
同僚が「てっきり高等部三年生かと思った。」と言い
新施設長と私は言った。

高等部三年生で今の時期にまだ施設が決まっていない人は厄介なケースですよ、と。

 
高等部三年生は基本的には秋には卒業後に行く施設や会社が決まる。
だから冬になっても決まっていないケースは、課題が多すぎて他施設から断られたケースか、保護者の要望が強すぎるケースくらいしかない。

 
私は前の職場でそういったケースの方も受け入れてきたが
あまりいい展開にはならなかった。

 
私と新施設長は苦笑する。
多分お互いに、一瞬前の職場を思い出していた。
大きな施設故に様々なことがあったことを。

 
一瞬苦笑して、そして私達はパソコンに再び向き合った。

大切なのはいつだって今だから。

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