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値札紛失事件

夏に販売用ディスプレイや値札を新たに作り直したのに
ある日値札が半分以上ゴソッとなくなってしまった。

 
販売当日、私は焦った。
値札をしまう場所はいつも決まっているので油断した。
誰だ。何故だ。どうして半分なくなっているんだ。

備品チェックを怠った私が悪いから
仕方なく販売当日は余っていた紙で適当に値札を作った。

 
販売の次の日、私は販売に関わる同僚に値札を知らないか確認した。
だが、ない。みんな知らないらしい。

一番疑わしいのは前回の販売担当の方だが、見覚えがないという。
保護者が片付けを手伝ったから所定位置以外にしまったか、捨てた可能性があると言われた。

 
販売備品を調べたり、販売備品がしまってある棚を調べたが見当たらなかった。

絶望的だ。

 
「また作ればいいじゃない。」

前施設長は笑顔で言う。
簡単に言うなよ、と内心思った。

 
次の販売までは日にちがないし
ちょうど仕事がたてこんでいて
たかが値札作りの時間さえ惜しい。

だが探してないのだから仕方ない。
私はサービス残業して値札を作り直した。

 
値札を作り直した後、私の販売担当の日がやってきた。

販売イベントによっては購入者におもちゃを無料プレゼントしており(おもちゃを毎年無料でたくさん寄付してもらうため)
そのイベントの時はおもちゃを用意しようという話になった。

 
おもちゃは普段倉庫にしまってある。
私は倉庫におもちゃを取りに行った。

…私は驚いた。
おもちゃが入っている箱に探していた値札がゴソッと入っていたのだ。
探しに探した値札はこんなところにあったのか。

 
やはり私が出勤しない日に販売担当した誰かがここにしまったのだ。
こんなところに。
普段はおもちゃがしまってある箱なんて見ないし、これでは見つからないわけだ。

 
無事見つかってよかった。

値札は新たに作ったから予備がたくさんある。
しばらくは安泰だろう。

 
探しものは案外身近なところにある。

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