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宇都宮ライトライン・LRT乗車体験(栃木県宇都宮市)

宇都宮駅の駅東に路面電車ができると華々しく発表があった頃
宇都宮市民(宮っ子)は歓迎ムードではなかった。
少なくとも、私の周りの宮っ子は歓迎ムードではなかった。

 
路面電車(LRT)は渋滞緩和を目的としていたが
駅東…ベルモール付近は確かに渋滞がひどく、むしろ路面電車を作ることで渋滞は悪化するイメージがあったからだ。

 
栃木県は車社会だ。
お金をかけて路面電車を作ってもこける気がした。
LRTの路線図を見ても、せいぜい駅からベルモールに行く時に便利だな、という感想で
大半が通勤や通学で使うような位置だった。
とはいえ、学校もそんなにはない。
メインは通勤だろうと思った。

だが、車社会の栃木人がわざわざ路面電車で通勤するか謎だった。

 
JR宇都宮線に連動して朝は4時代から運行、最終は24時近くまで運行のようだが
宇都宮駅下りは最終が23時前だし
需要がどこまであるか分からなかった。

 
 
工事が始まると、新4号沿いに黄色と黒の立派なLRTが待機しているのが見えた。
見慣れた駅東に続く道はLRT用の通路や停留所が着々と出来上がっていく。
近くに住む知人は「工事の音がうるさい。」と漏らしていた。

 
LRT開業に合わせ、ベルモールの駐車場は有料化した。
その仕組みがなかなかに初心者泣かせで、かつては年に数えるほどベルモールに行っていた私も
次第に足が遠のいて行った。

 
私と同じように運転に自信がない人も、工事中の段階でさえ、ベルモールや駅東に行くのを躊躇っていた。
LRT開業に合わせ、駅東にはライトキューブやミヤテラスもでき、駅東の街並みは急速に変わっていった。

 
 
2023年8月26日。
ついにLRTは開業した。

LRTは予想に反して連日大盛況で、黒字だった。
たまに乗用車との事故もあったが(道や信号機が分かりにくく、全て乗用車側の過失のようだ)
それでもマイナスのイメージにはならず、駅東はLRTを中心に活気づいた。
駅東は様々なイベントが開催され、人が集まるようになった。

 
宇都宮市は今
車で行ける郊外が盛り上がっており
宇都宮駅周辺は寂れる一方だった。

だからLRTをきっかけに県民や県外の方が駅東に集まり、注目を浴びていることは喜ばしいことだった。

 
 
「一度くらいはLRTに乗りたい。」と思いつつ、私はすぐには行動しなかった。

やはり度重なる事故に多少警戒心はあったし、通勤・通学・観光目的でLRTに乗る人が思ったより多かったし、LRTに乗って行く場所がなかったからである。

 
LRTはあくまで渋滞緩和目的のため、通学や通勤者に優しい路線だ。

 
強いて言えば、LRTに乗ってベルモールに行けばいいのだが、我が家からなら車で行った方がてっとり早い。

また、JR宇都宮駅に乗り場があるのも便利であり、不便だった。
駅近くは駐車場があまりないし、しかも高い。

 
もしもLRTに乗るなら、まず電車かバスでJR宇都宮駅に行き、そこからLRT乗り換えがスムーズだが、行く場所がなかった。
友達は最後の停留所まで乗ったそうだが、確かにLRTに乗るとしたら行きたい場所がないため、乗ることが目的のLRT旅になり、ただ乗るのを楽しむことになりそうだった。

私が鉄道ファンならそれもいいのだろうが、それらの点から、「いつか乗りたいなぁ。」という気持ちを抱いたまま月日が過ぎた。
私の職場は宇都宮市だが、職場の人も興味はありつつ1割に満たない人しかLRTに乗っていないのが現状だった。

 
 
そんな中、転機が訪れた。

まず一つ目は開業1周年を記念し、8月は車内アナウンスが鬼滅の刃で剣士・我妻善逸(ぜんいつ)の声を担当する下野紘さんになることだ。
鬼滅の刃ファンとしては聞きたい。

宇都宮市が雷が日本一多く雷都と呼ばれることから、雷の呼吸使い手の善逸役をしつつ、名前が下野さんのため選ばれたらしい。
栃木県は昔、下野(しもつけ)という名前だった。下野さんと読み方は違うが、漢字は同じだ。

 
更に、最近LRTの路線上にヤクルトカフェ二号店ができた。
一号店は宇都宮市役所そばにできたし、気になっていたがまだ行けていなかった。
ヤクルトカフェは宇都宮にしかなかったため、LRTに乗りながらそこに行けたらいいなと思った。

 
 
 
 
先日、栃木出身で現在東京在住の友達と久々にLINEした際、「今度LRTに乗りたい。同僚も乗ったと言っていた。」と言ってきたため
7月に友達と初めてLRTに乗ることが決まった。

 
 
友達に会うのは約半年ぶりだ。
友達は栃木出身だが、生まれも育ちも宇都宮ではないため、宇都宮に来るのはなんと20年ぶりだという。

 
宇都宮観光といったら餃子だ。
友達はノーマル餃子と揚げ餃子を注文し、美味しそうに食べていた。
私は絶賛夏バテ中のため、あまり食べられなかった。

 
宇都宮駅ビルで餃子を食べた後はいよいよLRTへ。

夏休み中の日曜日ということもあり、ほどよく混んでいた。
なお、LRTは朝夕は8分おきに出ていて、日中は12分おきに出ている。

栃木でライブをした某バンドマンは「栃木の山手線」と表現していた。うまい。

 
 
LRTは19の停留所があり、最初から最後まで乗っても48分しかかからない。
友達と話し、初LRTのため、行きは最初から最後まで乗り、その後引き返しがてらヤクルトカフェに寄り、それから宇都宮駅に戻ってこようと計画をした。

 
 
LRTに乗る時はSuicaをかざす。
乗る時と降りる時はかざす場所が違うが、大きく分かりやすく書いているのでありがたい。
(現金でも乗れるが、ちょっと面倒くさい)

シートは黒や灰色っぽい色合いで電車とバスを合わせたような配置で、座り心地がよい。
窓からは駅東広場で遊ぶ人達が見えた。

また、出発前は相撲の銅像後ろ姿も楽しめる。

 
LRTは走りが静かで揺れもなかった。

街中を走るため、ビル等の窓ガラスや自動ドアに走行中のLRTが映るのがエモい。

 
ベルモール最寄り停留所でガサッと人が降りた。
やはりベルモールは大人気だ。

 
 
街中を抜けると自然豊かなエリアを走り抜けていく。
川を渡る時はテンションが上がる。

 
 
7月なので諦めていたが、なんと車内アナウンスは下野さんだった。
SNSをよくよく見ると、8月からは全車両下野さんアナウンスだが、7月下旬から順次アナウンスを下野さんに変えているらしく、車両や時間帯によっては下野さんのアナウンスが楽しめるらしい。

ラッキーだった。

 
LRTに乗っている途中、上りと下りのLRTがすれ違ってエモかった。
今はラッピング仕様のLRTも走っているらしく、車両によってラッピング仕様が異なる。
ノーマルも走っている。

 
 
友達と話したり、車窓の風景を楽しんでいると、やがて最後の停留所に着いた。

 
宇都宮駅発のLRTは人がたくさんいたため撮りにくかったが
ここでは人が一気に少なくなるため、写真撮影が楽しめた。

  
 
ここで再びLRTに乗り、引き返す。
周りを見ると、そういう楽しみ方をしている方が他にもたくさんいた。

 
ヤクルトカフェは15番停留所の「ゆいの杜東」だ。

 
ここから徒歩三分くらいだろうか。
歩くと巨大ヤクルトが見えてきた。

はしゃぎながら、記念撮影。

 
 
お店は2階になる。
階段を上がり、扉を開けるとクーラーの冷気が心地よかった。

入店してなら、ゆいの杜東駅の看板を入れて記念撮影をするとクッキーをもらえると知った。
なんと!(※先程載せた写真は退店後撮ったもの)

引き返すのが面倒だったため、わざわざ戻って撮り直しはしなかった。

 
窓際の席に案内される。
この席はお茶をしながら走るLRTが楽しめる。

ヤクルト後ろ姿がよく見える。

 

窓ガラスにもヤクルト発見。

 
 
ヤクルトカフェでは、洋食やケーキ、ヤクルト関連を含めた様々なドリンクが楽しめる。

ケースに入っていたベリーのチーズケーキを食べるか迷ったが(美味しそう)
ヤクルトカフェには初来店のため、ヤクルトカフェならではのアイスを注文。

なんと友達も同じヤクルトアイスとアイスティーを頼んでいた。
気が合う。

 
このヤクルトアイスはカフェ限定らしい。
なるほど、味はヤクルトをアイスにしたらこんな感じだろうなぁという味だった。

 
クッキーは一人二枚。
友達と同じものを頼んだ為、四枚並べられて届く。

 
カフェにいた間いくつものLRTを楽しめたし、写真撮影もできてよかった。

 
 
 
初めてのLRTは、久々の友達との再会に華を添えるような楽しさで溢れた。

 
お父さんの話によると、LRTなら飛山城史跡公園に行くのもオススメらしい。
調べてみると、勾玉作りや甲冑を着る体験もできるらしく、知る人ぞ知る穴場で楽しそうだったが、ここは停留所からかなり歩くようなので、春や秋に散歩がてら行くのが良さそうだ。

  
 
去年の私はLRTは人生で1回くらい乗れればいいと思っていたのに
今ではまた乗りたいと思っているから不思議だ。

LRTは今駅東しか走っていないが、駅西にも路線を延ばす話も出ている。
数年後、また宇都宮の街中は違った景色が楽しめるかもしれない。






 

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