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実習生の担当を思う

特別支援学校の高等部の生徒は
毎年六月に実習をする。

期間は二週間で
特定の施設に二週間実習してもいいし
二箇所の施設に一週間ずつ実習してもいい。

 
六月に入り
某特別支援学校から実習生が来た。
二年生で初実習となる。

繊細な方らしく
事前に話を聞いていたよりも課題が多く見られた。

 
先生巡回の日は一時間泣き続けた。

先生は心配になっていた。こんな調子で大丈夫だろうかと。

 
「二年生の初実習はこんなものですよ。」

と、施設長が笑いながら先生に伝える。

 
そう、こんなものなのだ。

 
 
かつて私が別の施設で働いていた頃
十年間私は実習生担当だった。

先生と打ち合わせして
資料を作って
実習生とじっくり一緒に過ごして
保護者と関係を築いた。

 
私は実習生担当だということが嬉しかった。
好きだったのだ。
実習生との触れ合いも先生や保護者の方と施設との架け橋になることも
私は性に合っていた。

 
どの実習生もかわいかったし
苦手な実習生はいなかった。

悔しいなぁと思う。
何故今私は実習生担当になれないのだろうかと。

 
二年生の初期実習に課題が見られた実習生が
少しずつできることを増やす瞬間
一緒に過ごせたことが幸せだった。

 
本当
二年生の初実習は
親や先生が思うよりできない方が多い。

だから一時間泣くのも
別に珍しいことじゃない。

初実習は毎日元気に通えたら
それでもう十分すぎる。

 
実習生の担当にはなれないけれど
一緒にそうじや食器洗いをし
様子を見守る。

懐かしくなった。

実習生の時に知り合い
学校卒業後利用者になった方をたくさん見てきたし
一緒に過ごしていた
あの10年が懐かしい。

 
実習生をまた担当したい。

だけどそのためには
転職するしかない。

 
転職か、諦めか。

今は後者の気持ちが強いけれど
私は今共に過ごす実習生を見ながら
懐かしい日々を思い出してる。


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