見出し画像

今年度最後の販売

私は障害者福祉施設で働いている。

私の施設ではアクセサリーなどを作り、販売している。

 
今年初めての販売場所は
まだできて半年も経っていない新しい場所だった。

 
そこで福祉施設の全国大会があるらしい。
研究を発表したり、それを聞いたりするようだ。

 
新しい場所で分かりにくかったので私は下見に行き
その後、利用者2人と出掛けた。
本来は3人の予定だったが、1人都合が悪くなってしまった。

そこは駐車場がないため
搬入口で一旦荷物をおろした後は
コインパーキングに停めなければいけなかった。

 
初めての販売場所だから余裕を持って出発したら
搬入口のシャッターが空いていなく、警備員の方に事情を説明した。

その搬入口側は一方通行な上に信号が長く
コインパーキングは1階が空いていなかった。
朝からバタバタする。

 
販売場所はさすがに新しい建物なだけあり
清潔で美しく、広かった。

販売場所が広いだけでなく、通路も広い。
ほどよい温かさもありがたかった。

 
販売場所でセッティングをする。
普段は職員二人体制で販売に行くのでなかなかにバタバタだ。

準備中から次から次へとお客様が来て
どんどんどんどん売れていく。

普段あまり売れないある製品を全て買う方や複数買ってくださる方も多かった。

 
慌ただしい時間が一時間くらい過ぎると
人の流れは落ち着き
更に時間が経つと人は全く来なかった。
どうやら皆さん研修のようだった。

 
昼休み時間はどの販売場所でも売れるが
今回は昼休みでさえあまり人が来なかった。
そんな販売は初めてだ。

 
これだから販売は面白い。
販売イベントによって様々な違いがある。

 
空いた時間にその建物を見学に行ったり
他施設の販売の様子を見に行った。

新しいその建物はどこもきれいだった。
トイレは広くて迷路のようだった。

 
他施設で飲食物を売っているお店は売り上げがひどいと言う。
確かに販売中、様子を見ると
うちの施設にお客様が集中しているようだった。 

どうやら全国大会だからお弁当が渡されたようだ。

 
いやでも、パンは小腹が空いた時用にと買ったりするんだが。

 
私は疑問だった。でも少し嬉しかった。

 
昼休み時間に手作り雑貨の販売は不利で
隣で飲食物を販売している施設が次々に売れていくのをよく見ていた。
辛かった。

 
だからたまにこんな日があると嬉しい。

 
午後、私達の販売場所の隣の場所でU字工事さんが来るとのことで
再びそれで人が賑わいだした。

 
ある利用者は色紙を持ってきていた。
枚数は今日販売に来ていた人数分だった。

別の利用者は握手がしたいと手を何度も念入りに消毒した。

 
サインも握手も無理だと伝えたが
そんな利用者の訴えを主催側が聞いてくれて
なんと特別にU字工事さんのショーを見ることを許可してくれた。

 
私達販売組の施設複数はのこのことそこに行った。
立派なカメラがステージに向かって置いてある。
取材陣や一般の方もカメラを向ける。

 
私達は後ろ壁際に立っていたが
主催側の方が椅子に座ったり、前に行っても良いと言われ
私と利用者は最前列センターに移動した。

 
しばらく待つと目の前には本物のU字工事さんがやってきた。
本物だ。本物である。

テレビで見たネタが
今目の前で繰り出されている。

 
最前列と二人までの距離は3mほどしかなかった。

 
私は10分ほど見て
売り場に戻った。
もう片付けの時間だった。

 
利用者には今日は特別だよ、と
片付けをしなくていいから
U字工事さんを見ていていいと伝えた。

ショーは一時間あったのだ。

 
片付けが終わった頃
まだ見たがる二人に声をかけ、車を目指した。

 
私以上に利用者は満足そうだった。
私も利用者も初U字工事だったのだ。

 
写真可だったので三人でたくさん撮った。
一生の記念だ。

 
戻ってから売り上げを確認したら
想像以上にあった。
お陰で年内の目標売り上げは達成となった。

 
 
この後、他のイベント出店はあったが他の職員が行った為
私の今年度の販売はこれが最後だった。

 
今年度も様々な場所に販売に行った。
そして出会いや発見があった。
私はやはり販売の仕事が好きだと思った。

 
来年度はコロナの規制が緩くなることもあり
今まで中止になっていたイベントが再開するようだ。

もちろん、例年通りのイベントの告知も来た。

 
抽選結果待ちのイベントが既に夏まである。
まだ行ったことがないイベントにも申し込みをした。通るといいな。

来年度も販売を頑張っていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?