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利用者とケンカした日

朝から利用者が不穏だった。
いや、正確に言えばこの一週間…この一ヶ月…いやその前から
ほぼ毎日不穏だった。

そしてほぼ毎日私が対応している。

 
その日は朝から激しかった。
送迎車から降ろせるレベルじゃない。

降りたい利用者と降ろすわけにはいかない私。

利用者は苛々したのだろう。

私にピンバッジの針を突き刺そうとした。
何度も何度も、目を狙った。

 
私は本気で怒った。

他の職員は何人か病院送りになっているくらいだし
もしも失明したらどうするつもりだ。

 
送迎車が施設に着いてから
30分以上私とその人の戦いは続いた。

 
施設に入ってからも落ち着かず
他の職員がついたが
一向に落ち着かない。

 
私は一緒にサッサとお昼を食べるように言われ 
その利用者と出かけ
二時間半施設に戻ってこないように言われた。

 
ため息をつきたくなる。

午後もずっと不穏だった。
頓服薬レベルじゃないかと思ったが 
医師や保護者の要望がないと飲ませられない。

 
紅葉やイチョウがキレイな場所に連れて行っても何も反応は示さず
私はただひたすらに時が過ぎるのを待った。

 
「ともかちゃんとケンカした!ともかちゃんとケンカした!」
 
帰りの送迎車でリーダーが運転する中
ずっと騒ぎ
保護者の前でも騒いだらしい。

 
あぁ疲れる。

これで苦情が入るようなら
私は今の仕事に本気でむいてない。

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