雨の日の送迎
その日は週明けの月曜日だった。
休み明けはテンションが下がる。
まして朝から雨が降っていたら尚更だ。
私の職場は職員駐車場から施設まで遠いし
施設から送迎車までがまた遠い。
とぼとぼ歩きながら
テンションはまた下がる。
送迎一人目を迎えに行った。
迎え場所は某待ち合わせ場所だ。
施設の車と保護者の車は縦列駐車のような位置に停める。
その利用者はいつも
助手席の後ろに乗っている。
私はまず保護者に挨拶し
それから車内で待っている利用者に挨拶をする。
「Aさん、おはようございます。」
Aさんは私の顔を見ると嬉しそうな顔をして
急いで車から降りてくる。
そしてピョンッと跳ねる。
その姿が愛らしくてかわいかった。
あぁ、施設を楽しみにしてくれているなぁ、とか、私が来たことを喜んでくれているなぁ、とか思うと
朝から私は嬉しくなる。
その日は本来はリーダーの送迎の日だったから
「今日は誰?あれ?真咲さんだ!」と内心確認していたのだろう。
Aさんは運転手や同乗利用者を毎日確認するクセがあった。
外は雨だ。
それは変わらない。
だけど
今度は助手席には笑いかける利用者がいる。
それだけで気分は大きく変わる。
私はそのまま、次の人を迎えに行った。
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