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アク和リウム GA☆KYO(東京お台場)


私には大学で出会った友達Aちゃんがいる。

そのAちゃんとは年に数回会う仲で
2020年春に会う約束をしていた。
だけど、コロナ感染者が国内でも確認され、不要不急の外出や人との接触に制限がかかり
Aちゃんとは会うことができなかった。

 
Aちゃんと最後に会ったのは2020年1月で
その日Aちゃんは人事異動により退職を考えていると話していたのだが
結局Aちゃんは辞めず
その話をした一ヶ月後、私に人事異動の命令が下り、私は長年勤めた職場を退職した。

 
あれから月日が流れた。

Aちゃんとはたまに連絡を取り合っていたし、会いたかったが
コロナ禍のため、私達は会わなかった。

 
Aちゃんは他県に住んでいた上、病院勤務だったので会わなかった。会えなかった。
私は私でやがて福祉施設に転職し、他県に行くことは禁止されていたので、それを真面目に守っていた。

 
感染者数は増えたり減ったりを繰り返していたし
私は陽性にはならなかったが
身近でなる人もいたし、職場でクラスター派生もあったからだ。

 
今年、コロナが第5類になったら会いに行ってもいいのではないだろうか。

そう思っていたが
私は足を骨折し、GWは自宅静養となり
あっという間に酷暑になり、なかなか会うタイミングが掴めなかった。
私は夏の暑さに弱く、体調を崩しやすい。

 
秋になり、気温はだいぶ下がった。
今こそ、遊びに誘ってみよう。

そう思った私は、Aちゃんに久々にLINEをした。

Aちゃんは「5類になったとはいえこれ声かけていいの?どうなの?っておどおどしてたから声かけてくれて嬉しいよ〜ありがとう〜」とLINEを返してくれ
久々に会う日が決まった。

 
その日は祝日だった。
GWとお正月以外の祝日が原則仕事の私にとって、祝日が仕事休みなのはレア中のレアだ。
転職して三年目だが初めてのことだった。

そんな素晴らしい日に久々に友達と再会できると決まり
私は胸躍らせた。

 
だが、天気予報を見て私は愕然とした。
その日は予報によると気温がグッと下がり、雨なのである。

その日は野外の某場所に行くことに決まったいたが
何日経っても天気予報は崩れず
急遽会う約束の前日に行く場所を変更した。

 
Aちゃんがお台場のアク和リウムに行きたいと言い、そこで会うことに決まった。
私は当初の予定の場所以外なら、今回は場所はどこでもよかった。
なんならファミレスでもよかった。

ただ久々に会って話がしたかった。

 
会う約束の日は予報通りどしゃ降りで、予定がなければ家から出たくないような生憎の天気だった。
気温も11月並みに下がると言われていて、朝から肌寒い。
何を着るか迷った。室内や電車は暑いだろうが、移動時は寒いに決まっている。

テレビやスマホでは朝から津波警報をお知らせしていた。


アク和リウムはお台場だったため、海に近い。

津波は大丈夫か心配になったが
津波警報はあくまで島や別エリアが対象だったし
関東圏内はただ雨がひどくて寒い日としかお知らせはなかったので
予定通り私は朝早く家を出た。

 
ゆりかもめに乗って台場駅を目指した。
日テレやフジテレビ、自由の女神像や海が見えた。




生憎の雨だったが、久々に見るその光景に私は子どものようにはしゃいだ。
ゆりかもめに乗るのはいつぶりだろうか。

 
時間に余裕をもって台場駅に到着した。
まだAちゃんは来ていなかった。
遠くに自由の女神像が見えるが、雨が強くて近くに行くのは躊躇った。ガンダムも見に行くのは難しそうだった。残念。

 
そして台場駅の案内図を見て私はハッとした。
お台場には日本科学未来館がある、と思い出した。
最後にお台場に来たのは8年前だ。日本科学未来館にAちゃんと行ったのだ。

そこにはやたらリアルな女性アンドロイドがいて衝撃だった。




そうだ、あの時お台場に行った時もAちゃんが隣にいたんだ。

あれから8年経ってもこうしてお台場に一緒に来られたことが私は嬉しかった。

  
やがて改札からAちゃんが来た。
変わらないAちゃんの姿に私は嬉しくなって手を振った。
たまたま二人とも似たような格好をしていて笑ってしまった。
まるでペアルックだ。


二人で再会を喜び、キャッキャしながらアク和リウムを目指した。

 
アク和リウムは駅前のアクアシティの三階である。

入口ではアクピーがお出迎えをしてくれた。


三階のアク和リウムに向かう途中、既にいくつか水槽があり、癒された。

 
Aちゃんとは一時期日本橋のアートアクアリウムに毎年行っていた仲だが
お台場のアク和リウムに行くのはお互いに初めてだ。
どうやら1年前にできたばかりらしい。

 
お台場な上、三連休最終日だっため混んでいそうな気がしたが
雨が味方したのか、意外なほどに空いていてゆっくりと自分らのペースで見て回れたり、写真を撮れた。


入口には和紙でできた赤や青の金魚がたくさんぶら下がっており
刀や和柄をモチーフにした華やかな展示が私達を出迎えてくれた。まさに雅である。




そのまま進んでいくと、今度はミラーボールがあるちょっとイケイケな空間(死語か)が表れる。
時間差で音に合わせて光の色が変わるいくつもの水槽。
それはまるで万華鏡のような美しさだ。



おそらく、ここまでのエリアは一水槽に一種類の魚しか入っていない。
ミッキーなんちゃらという印象的な名前の魚や骨がスケルトンな魚がいたのが印象的だ。
魚は必ずしも金魚とは限らない。




お次のエリアはチャイナタウンのような雰囲気だった。
いくつもの提灯がぶら下がり、妖艶な雰囲気を纏う。幻想的だ。
水槽によって、金魚が錯覚で大きく見えるのが面白い。
象徴的な映える写真が撮れるエリアだ。
クラゲやウツボやハリセンボン等水族館らしい魚が何種類も展示されていた。


奥に進むと、和の傘やキツネのお面の撮影スポットがある。
花札モチーフの水槽や月見モチーフの水槽があった。期間限定エリアだろうか。



デジタルの金魚すくいが楽しめる場所で
金魚をすくうと運勢の文字がモニターに浮かぶ。
その文字が書かれたガチャガチャを行うと(100円)、より詳しく運勢が書かれているらしい。

すくうのに少しコツがいる。


出口の近くではグッズが売っていた。
ポストカードやキーホルダー、Tシャツはともかく
和柄の蝶ネクタイが打っていたのはビックリした。意外だ。

 
アク和リウム後は二人でランチを食べた。
二人で同じ青空のような飲み物を頼んだ。レインボーブリッジをバックに撮る写真はエモい。
座席からはレインボーブリッジや海がキレイに見えた。外は相変わらずどしゃ降りだった。晴れならばより美しい景色が広がっていただろう。

注文がQRコードなのが今風だ。


ご飯を食べた後はウインドーショッピング。
二人ともほしいものは特になく、色々なお店を見てまわる。

 
そんな中、伊豆のシャボン公園のグッズが売っているお店を発見した。
シャボン公園の支店みたいな位置なのか、お金を払えば動物と触れ合いもできたらしい。

「懐かしいね。」

私は話しかけた。
Aちゃんとは卒業旅行で熱海に行き、シャボン公園にも行ったのだ。

楽しかったな。

 
夕方になり、お開きの時間になった。
外は雨が上がっていた。

私達は「また会おうね。」と約束し、手を振り合った。

 
Aちゃんと会わなかった間私に色々なことがあったように
Aちゃんは一人旅をしたり、国家資格をとったりとより素敵な女性になっていた。
私も頑張ろうと素直に思った。

 
Aちゃんと知り合い、友達になってから20年が経った。
20年間、一度もケンカをせず、苛々もしたことがない友達はAちゃんだけしかいない。非常にレアな友達だ。
30代になっても毎年会えて、コロナ禍で会わない時期が数年会っても自然体でまた会えたのが嬉しかった。

 
久しぶりに会っても変わらずに優しくて穏やかで器が広くて、人を傷つけるようなことは言わない魅力的な方だ。

 
思えばAちゃんとは色々な場所に行った。

大学で一緒に講義を受けるだけでなく、お弁当を一緒に食べたり、学食を一緒に食べた。

動物園や水族館、アートアクアリウム、ふるさと祭り、コンサート、ライブ、バレエ公演、花火大会、花見、学祭、美術展、熱海。家に遊びに行ったりもした。

あれもこれも、楽しかったなぁ。そう思えるのはAちゃんが隣にいたからだ。

 
いつも親身になって話を聞いてくれてありがとう。
私と友達でいてくれてありがとう。

あなたに会えて本当によかった。

 
今日また新たな思い出が作れたのが嬉しい。
これからも一緒に年を重ねていきたい。

早くもまた、会いたい。

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