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その色彩は人々を幸福にするために

ルノワールの色彩は見るものを幸福にする。

生きている時は限られている。その限られている時にはきっと素晴らしいものを見て感動する時も含まれている。良い絵を見てその中に引き込まれ、幸福になる時は人生においてかけがえのない経験だ。

アートは、その画家が見た世界をを映し出す。

彼の眼にはきっと世界は明るく素晴らしいものに見えていたのに違いない。かつて彼はこういった。

「風景画なら散歩したくなる絵を、女性の絵なら抱きしめたくなるような絵を描きたい。」と語った。そして、「絵画は楽しいものではなければならない。」とも言った。

どのように世界を見るかは、あくまでも個人の考えだ。しかし、一回の人生を生きるのであれば世界を美しいものとしてみたいし、幸福なものだと考えたい。そのためルノワールの絵を見ることは、人生を幸福にしてくれるもの一つだ。

彼の作品の中で有名な一つにイレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢の絵がある。この絵の依頼人と肖像になったイレーヌ本人はこの絵に不満だったが、この絵は不満した人々以上に多くの人々の心をとらえ、数世紀にわたって感動させてきた。

もちろん人生に答えはないし、だれも何が正しいかなんて教えてくれない。ただ、その絵があるだけで心が和む。そういう時があってもいいじゃないか。

誰しもが思い描いた通りに生きていけるわけではないし、いやなこともあったりするし、うまくいくことやうまくいかなかったことを繰り返す。ただ、自分が生きていた人生は幸福だったんだなあと思いたい。

幸福にさせてくれるものの一つがルノワールの色彩だと考えている。世界は美しく素晴らしいのだ。だから今を幸せに生きようとさせてくれるルノワールの絵はいつまでたっても好きだ。



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