社会的共通資本と働き手不足1100万人
リクルートワークス研究所の調査によると、2040年に1100万人の労働需要が不足すると言われています。それは、近畿地方の労働者が丸ごといなくなるくらいの規模です。
働き手不足によって到来する未来
その結果、運搬職や建設職、介護職、医療などの生活維持に関わるサービスにおいて、サービスの質を維持することが難しいレベルでの労働供給制約が生じます。
具体的には、
その一方で、高齢者の就業率は世界でも最高水準、女性の就業率は70.6%でOECD加盟国38カ国中13位の高さであり、現在の女性と高齢者の労働力を増やす施策の延長では生活維持サービスは縮小、削減が余儀なくされます。
これらの内容を改めて考えると、社会的共有資本との関係が強いことに気づきました。
社会的共通資本と働き手不足
社会的共通資本は、「自然環境」、「社会的インフラストラクチャー」、「制度資本」の3つに分けて考えることが出来ると述べられています。
この中の「社会的インフラストラクチャー」と「制度資本」は、上述の通り、まさに働き手不足で危機に陥る領域です。
さらにその中でも医療や介護は、最も自動化が進みにくい領域だと言われています。
現在、日本の産業別労働人口の第3位が医療福祉であり、この5年で最も労働人口が増えた分野でもあります(令和4年就業構造基本調査)。今後この領域に、さらに労働力が必要とされ、その結果として、先進技術などイノベーション領域の発展を阻害することも懸念されています。
個人が社会的共通資本になる
そもそも、人類は、子育てや介護、福祉などは小さな共同体の中で行われていました。これからの社会では、全ての人が何かしらそのような機会を担い、サービスではなく互助として行われる共同体に回帰していくという選択肢や方向性も重要になってくると思います。
何も、全ての共同体がそうなる必要はないですが、誰もがそのような共同体に属し、必要に応じて変えていけるような社会があると良いように感じます。
近年発展してきた、利益を目的とした関わり(共同体)は、結果的に共同で社会を作る機会を喪失させてきました。そして、人々が分断され、消費、交換が進んでいき、その弊害が現代の孤立、孤独社会、そして少子化社会であると言えるのではないでしょうか。
社会的共通資本が減少していくのであれば、個々が可能な範囲で社会的共通資本のような役割や機能を兼ねて行くことで、「豊かな社会」に繋がっていくのではないでしょうか。
きっと、そのような共同体やコミュニティーに人は安らぎを感じていくのだろう。
社会や人口減少というと、壮大すぎて個人レベルで出来ることはないと思ってしまうが、元々、人類は社会(共同体)を支え合いながら進展してきた事を考えると、私たち一人一人が社会的共通資本であると言えるのではないだろうか。
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