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介護や医療や福祉のこと

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医療や介護についての記事をまとめています。
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#福祉

【個人情報の壁を考える】支援が必要な人を見つけた私たちはどのような対応の選択肢があるのだろうか?

私は普段は介護保険事業をしています。その中で、個人情報の取り扱いに関する署名をもらうので、その範囲内での第三者への情報提供について悩むことはほとんどありません。 しかし、保険事業外で出会う方で悩むことがあります。出会った方の生活がちょっと心配だな〜とか、2週間後どうなってしまうだろうというように、生活の不安や困窮が予見されるような方と出会うことがあります。その場合、どのように対応するのかを悩みます。 例えば 行政や、包括に情報提供した方が良いのか? 個人情報保護につい

医療、介護教育における性的配慮

最近、ご縁があって、私たち医療、福祉従事者への性的配慮について学び始めました。 ココロとカラダの不一致LGBTについても、名前は知っているものの、いざ本を読んでセクシャリティーについて学ぶと、ほとんど無知だったことに気づきました。 また、メンタルヘルスの深刻さ(自殺企図や自殺未遂、自傷行為など)についても、数値で初めて知りました。 読んだのは、いつかのプログラムでご一緒した、ReBitの藥師さんたちの書籍。これ、本当に分かりやすく書かれているので、おすすめです。 ココ

医療、福祉職にオススメの思考力、伝える力を高める5冊

専門職としては、専門書を読み学習する。 これは、とても大切な学習です。 一方で、社会人として、それだけでは解決できないことも。 例えば、こんなことが。 ・思ったように伝わらない ・考えて行動しているけど、解決につながらない ・言いたいことがまとまらない ・何を伝えれば良いかわからない ・正しいことを言っているのに分かってくれない とても、もどかしい経験ですが、それはある意味、成長の機会。 僕が読んで、とても参考になった書籍を紹介します。 もし興味があれば、手にとってみて

理学療法士だから理学療法士に投票するって本気ですか?

2019年7月21日に投開票を迎える参議院議員選挙。 僕は今だに、誰に投票するか悩んでいる。 比例代表の候補者は数名おり、絞りきれていない。 皆さんはどうでしょうか? 悩むのは、「理想」と「現実」。 理想が大きくても、与党にならなければ実行力がない。 一方、現実の延長に、日本が暮らしが豊かになるとは思えない。 故に悩みます。 さて、本題です。 僕は理学療法士です。 当然、悩んでいる立候補者の一人が理学療法士です。 一方で、私たちの仕事は、病気や障害を抱えた人の全人間的復

国のお財布を覗いてみよう。

意外と知らない、社会保障とライフサイクル。 そして、増税に関する具体的な施策。 ようやく、財政制度分科会の資料に全部目を通すことができました。 そして、下記2つに注目しました。 1)自治体間の格差の増大都道府県によって、病院数、一人当たりの医療費、介護認定率、介護給付費などの差があるのは、ご存知の通りです。 今後は、それらに基礎自治体などでインセンティブがつくようになって来ます。 これによって、格差が縮み、結果的に健康を強制されることなく、一人一人が生き生きと暮らし

このままで良いのか?高齢ドライバーの運転

高齢者の運転について、もう一歩踏み込んだ対策、議論が必要だと思います。 その際にいくつかあるポイント ・地方と都市における移動のルール ・運転技術(人)と制御技術(車)の使い方 ・交通ルールの改正 ・年齢による新たなルールなど たとえば、80歳以上方の運転は〇〇性能のある車両限定にする。 なぜなら、高齢者の方が金融資産を多く持つ。そして、事故のリスクが高まるから、運転を続けるなら制御技術が高い車両限定にして、事故を起こりにくくするなど。 また、人が多いエリア

「暮らし」の中で「医療や福祉が届かない人」へどうするか?

前回は、「暮らしの中に医療や福祉の接点を」と書きました。 下記の記事をご覧になると、より理解が深まりますが、見なくても大丈夫です。 医療や福祉の場で待っているだけでは、本当に必要な人に届きませんということを、前回の記事で書きました。 しかし、残念ながら、それでも届かない人たちがいます。 ではどうするか?それが今回のテーマです。 「医療や福祉」が「暮らし」の場に行っても届かない人がいる例えば、独身の20代〜30代の一人暮らしの未婚者です。 暮らしの場で機会を作っても、そも

「地域」より「暮らし」の方がしっくりくる。

医療や福祉の分野では、地域〇〇という領域がある。 例えば、地域医療、地域福祉、地域リハなどなど。 いずれも、それぞれの専門性から見た、それぞれの部分最適化された言葉。 なんか、違うな〜って思っていた数年前。 たまたま、朝の通勤中のカーナビのテレビで、「暮らしの手帖」の立ち上げが「とと姉ちゃん」が流れているのを見ました。 それから、人に寄り添う言葉は、地域より生活、生活より暮らしの方が、しっくりするな〜と感じています。 僕たちも、「暮らし」を意識して、保険や制度外の取り組

自立支援に最も大事な4つの視点はこれだ!と思う。

介護や医療の現場において、自立を支援する事を考えていない人はいないと思う。 そもそも、自立支援とはなんだろう。 僕の解釈では、その人がその人らしく生きることができるよう支援する事だと思う。では、それを実現するにはどうすれば良いのだろうか? 今は、全ての職種でイメージ出来るほどシンプルで、全体最適で本質的な、概念が必要とされていると思っている。 しかし、制度や加算の複雑化、専門職種による専門用語の乱発などにより、自立支援を実践するのに何をどのようにすれば良いのか。 もし、

経営的には痛いです。

今月から、デイサービスの送迎がなくなり歩いて通い、利用頻度が1/2になった人がいます。 介護度を聞いて驚きました。 要介護4でした。 500メートル位は、歩いて来られます。 介護度高いということは、単価も高く減収です。 経営的に見ると、痛いし苦しいです。 でも、現場で仕事しているスタッフは嬉しいです。 そして、家族も嬉しいです。 納税者にとっても嬉しいです。 卒業すると仰っています。 うちの介護スタッフは、要介護者が良くなるなんて知らなかったし、思っても無

「介護保険支出上昇」と「これからの社会」

7/31、某市に介護保険支出上昇の抑制に関する協働事業提案をしてきました。 興味ある自治体や金融機関(SIBなど)の方いましたら、提案に伺います(笑) みなさん知ってますか? 人口規模10万人前後の市で、2年で6億〜9億円近く支出が増えてることを。 しかも、高齢化の本番のまだ前夜って時期にです。 この10億の支出の増加を埋めるための、税収増加を、少子高齢化の時代に、これから自治体は埋めることができるのでしょうか? この増加分の支出は、何に関わるかというと、市民生活であ

息子の熱発による在宅ワーク2日目

今日はスタッフ面談の日でしたが、ちょっと難しそうなのでリスケに。 おんぶで寝てくれてる間に、いかに仕事を進められるか。 明後日から、大阪、三重、奈良なので、それまでには治りますように。 三重での研修の資料も良いのが出来てきました。 メインは、良くなる介護の9のポイントと、介護サービスからの卒業の3つの壁。 良くするじゃなくて、良くなるってのが大事で、適切であれば勝手に良くなる。標準的な無意識レベルのサービスの質をいかに高められるかがポイントです。

【学会の価値ってなんだろう??】

皆さんは、なんのために学会に参加しますか? 昨日、第53回日本理学療法学術研修大会に参加してきました。 今回は、ポスター発表です。 でも、そもそも、そんなに遠くまで行って、どんな価値があるのだろうか?発表する人は、どんなことを期待しているのだろう? これが、純粋な疑問でした。 僕自身は、自分が話すことで、他の地域に何かしら良い影響を与えられたらと思う一方で、そんなに簡単ではないし、難しいとも思っている。 また、自分が学ぶという意味もある。しかし、学ぶのであれば既にIT

何が出来ないか見極める:なぜ、介助をするのか言えますか?

これまでに、「「どうやったら卒業できますか」、「何をしたら良くなりますか?」という質問を良く聞いてました。 これらは、一方向性ではなく、双方向性です。目的が明確であれば、何をするのかも明確になる。また、目的が曖昧でも適切な内容をして入れば生活は改善し、目標が明確化しやすいです。 今まで、目的の明確化や目的の可視化については伝えてきたのですが、今回は実際に「すること」ということについて考えて見たいと思います。 今回は、「歩く」や「転倒」を改善する視点で考えます。 これら

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