その道を極める。

その道のプロフェッショナルってかっこいい。どんな道でも。

その道のその道に進めている最先端にいるような人。情熱大陸で自分の人生を30分というなんとも短い時間で表現するような出演者に尊敬の念が止まらない。

「その道を極める」って書いて「極道」と読む。

そう聞いたら悪いことをしている人のような響きに聞こえてしまいがち。

でも本来この言葉は仏教用語で、”仏法の道を極めた者”という意味であり、高僧に対し極道者（ごくどうしゃ）と称して、肯定的な意味を指すもので使用されていました。めちゃめちゃ真面目。

極道がヤクザのような意味で使われだしたのは江戸時代。弱きを助け、強いき挫く任侠の考えを極めた人物を『極道者』と称した事から始まり、そのあとは博徒（ばくちで生計を立てる者）までも極道と称する様に。

時代と共に本来の意味を外れ、”道楽を尽くしている者”、”ならず者や暴力団員”と同義語で使われる逆のネガティブな意味で使用される事が多くなりました。

極道の仏教的意味。

極道の本当の意味は、読んでそのまま”道を極める”ということにあります。

その修行は、道を極めるような過酷なものです。トップアスリートもびっくりの内容を昔の人（今もかも...）は毎日していたらしい。

仏教でどんな宗派でも共通して体系化されている修行の方法は、「三学」と言われます。

三学とは、「戒」「定」「慧」の３つです。「戒」とは戒律を守って煩悩をおさえ、「定」は観法などで精神を集中して煩悩をさえぎり、「慧」は煩悩を断つということです。

例えば、その三学の教えで、修行の中には千日回峰行という難行があります。

1000日間、毎日30キロの山道を歩き、途中700日が過ぎると、9日間の断食断水という飲まず食わずの修行。その後の100日は60キロ、その後は84キロを歩きます。もし途中で断念するときは、持参の短刀で自害しなければならない。

なんとも命がけの修行。3年間もそれを続ける胆力と死と隣り合わせの覚悟は現代社会では考えられないもの。そんな修行がいくつもあるから、道を極められたり、悟りを開けるのも納得だ。

ちなみにMicrosoftのビルゲイツ氏・Appleのスティーブ・ジョブズ氏・テスラのイーロン・マスク氏など世に名だたる経営者は会社や哲学、宇宙を追求していくと仏教の「禅」に行き着く。という話を聞いたことあります。なぜかはわかりませんが、真理のようなものが仏教の教えにはあるんじゃないかとよく言われています。

GoogleやFacebookでも瞑想（マインドフルネス）の時間があるぐらい、世界的にも注目され、それに関する本は書店でも見たことあるんじゃないでしょうか？

無駄は最高の必要。

この考え方は、100億ぐらい稼いでいる経営者から教わりました。色々お話を聞かせてもらったんですが、そのうちの一つの話です。それ以外にもたくさん面白い話を聞いたんですが、それはまたこれ以降で。

で、正直1000日間もそんな歩いて何が生まれるん？って話。僕も正直思います。が、極限から生まれる何かがある訳で。

その境地にはまだ辿り着いたことはないんですが、ニュートンが木からりんごが落ちる様を見て万有引力を発見したのも、歴史上のたくさんの産物も、数えきれない無駄や失敗の中から生まれたことがわかります。そして、その無駄の産物に助けられて僕らは生きています。

ヒラメキなんてそんなものなのかもしれません。

それまで積み重ねてきた、脳みその中にある記憶のデータベースがあるときにビビビっと反応して、化学変化を起こす。それが意外とすごいものだったり、今の問題を解決することに役立ったり、今の言語化できない表現ができるようになったりするもんじゃないかな。

中学生の時、先生に反抗しながら、押し込まれた教科書の知識や、将来絶対に使わないっしょって思っていた雑学に助けられたりするものです。

しかし、その知識や脳みそにそういった経験がストックされていないと、ひらめくものもひらめかないし、目の前に落ちているビジネスの種を、あなたが変わることができるチャンスを見逃してしまう可能性もある。知らず知らずの内にあなたの手のひらからは色んなものがこぼれ落ちている。

それは、機会だったり、時間だったり、将来得られていた利益だったり。

すごい人ほど本を読む。お金持ちは一般人の38倍もの量の本を読むらしい。圧倒的な量。やっぱそうなんだと。

量からしか質は生まれない。最初から質を求めていると絶対に失敗する。これはたくさんの人を見てきた中で言える。最初からできる質を求めた人よりも、最初はできなくても圧倒的な量にこだわった人なら後者の方が伸びるし、1年もすれば才能ある人なんて簡単に抜いてしまう。

迷って動けない、最初から質を求めてしまう人はいるだろう。

が、無駄なことすら一生懸命になって量にこだわっているとそれが必要になる時がくる。自分に返ってくる日がくると信じて、毎日を過ごせるいいですね。