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物思いNo.27:書に触れる、文字を観る、意味を飲みこむ

最近はiPadで雑誌か漫画を読むことがほとんどだったのですが、久々に紙の本を手に取りました。
ホンタメ、というYouTubeで紹介されていて、面白そうだったので。

この本の紹介は14:40頃から。

ないもの、あります/クラフト・エヴィング商會

よく耳にするけれど、一度としてその現物を見たことがない。
そういうものがこの世にはあります。
たとえば「転ばぬ先の杖」。あるいは「堪忍袋の緒」。
こういうものは、どこに行ったら手に入れられるのでしょうか?このような素朴な疑問とニーズにお応えするべく、わたくしどもクラフト・エヴィング商會は、この世のさまざまなる「ないもの」たちを、古今東西より取り寄せて、読者の皆様のお手元にお届けします。
文庫化にあたり、新たに3品を加えました。

内容(Amazonの商品説明より)


全体的には、ゲームのフレーバーテキストを読んでいるような、小洒落た言葉遊びが続きます。
その中にある心地いい感じの屁理屈、穿った見方。
言葉の順番や品詞を切り替えて、いままでの認識から少し外れて見える感覚。
あー、こういうの好きだな、とによによしながらあっという間に読み切ってしまいました。
そんなにページ数も多くなく、一本一本のコンテンツも短め、テキストも喋り言葉でさらさら入っていきます。

あわよくばうまいこと言いたいといつも思ってる私。
こういう表現の仕方、あるのね!と発見になりました。
同じ作者の本も探してもう少し読んでみようかと思います。

元々、読書、活字は好きです。
そこまで読まず嫌いなタイプではなく、あればジャンル問わずなんでも読みます。

なにがきっかけと思い返してみると、吉川英治さんの三国志の文庫本かと。

中学の時?だったかな、朝の10分間読書の時間があって、その時に何か本を持っていく必要が生じました。
そこで手に取ったのがこれ。
実家の父親の本棚にあったこと、兄貴がやっていたスーパーファミコンのスーパー三国志Ⅱをみていて、「三国志」という単語だけ頭にあったので、これでいいや、と安易な気持ちで手に取ったのでした。
ちなみに実際のゲーム画面はこんなやつ↓です。

BGMはいまだにたまに聴いてます。
武将の名前の読み方すらてんでわからず、とりあえず武力の数値の高さだけみてました。笑

周囲が健やかにハリーポッターとかを楽しんでいる中、横綱級・どストレートなゴリゴリの超王道歴史ものを持ってきて、読めない文字を調べながらひとり唸っていたのでした。
・・・思えば、読書というものを意識してからの初っ端がこれだったのは、ハードすぎるスタートだった気がする。
が、結果オーライ。今に非常に繋がっているのだから。

三国志をいざ読み進めて戸惑う、漢字の多さ・難しさ、固有名詞の難しさ。
当時は中国の地理、地名を言われても、まったくどこかわかりません。
優しい解説などもなく、むしろ「当然わかってるよね?知ってるよね?」くらいの進み方。
人の名前でも、中国特有の名前の付け方に戸惑うばかり。
その表記が、日本で言う姓なのか名なのかもはじめはわからず、そこにさらに字(あざな)という特殊なシステムの存在でさらに混乱したのでした。
本で「玄徳」という表記されていた人間が、ゲームで「劉備」と表記されている人と同じ、と気づいたとき、「この人のことなの?!」と衝撃を受けたのを覚えています。
(※本の中で、劉備、と表記されるのが、しばらく経ってからなのです。ずっと「玄徳は」というような語られ方なので)
それでも、最終的には全巻3周?4周?くらいは読破したと思います。
なぜ繰り返し読んでいたかというと、理由は簡単で、自分で本を買うまでのお金がなかったから。(切ない理由)
何度も読んだからこそ、三国志の全体的なストーリーの奥深さ、登場人物のそれぞれの群像劇、そして読書という行為への面白さや魅力などを学べたのでした。
当時、テレビゲーム一辺倒だった自分に、本・読書というコンテンツが増えた、いい思い出です。

なお、三国志から入った私の読書関心は、もれなく歴史物に傾くことになり、これまた父親の本棚にあった司馬遼太郎にのめりこんでいくのでした。
中学3年の時の担任の先生が国語の先生で、司馬遼太郎を読んでいることに気づき、「歴史ものに興味があるなら、いろいろな司馬さんの本を読んだら楽しいよ」と言われたのもそれに拍車をかけるのですが。
燃えよ剣、とか久々に読むかな。

それでは、今回はここいらで。

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