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お客さんが主役になれるファンタジー

2019年9月22日 自分ストーリ×日常=???

本日、新宿で『おとぎ町の素敵な音楽会』という素人しか出演しない音楽ライブの前座として出させていただくのですが、そのことをバンドメンバーに伝えることを忘れていて、僕一人なので、お届けするのは『音楽』ではなくて『演説』になりそうな気がしているキングコング西野です。

さて。
昨日、宇野常寛さんとの対談イベントがありました。
その中で、宇野さんから山ほどヒントをいただき、自分達が目指す場所が、かなり綺麗に整理できたので、本日はそちらを皆さんに共有したいと思います。

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可処分時間の奪い合いを辞める
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僕のようなサービスを提供する人間は、これまでずーっと、お客さんの可処分時間(※自分の判断で自由に使うことのできる時間)の奪い合いを繰り返してきました。
最近だと「可処分精神」ですね。

「可処分精神」の説明は数日前の記事まで遡っていただけたら、そちらに詳しく書いていますので、ここではハショります。

とにかく、「お客さんの時間を一番奪ったヤツが勝ち」というルールの中で戦っているわけです。

その上で、ある日、『SNS』という誰でも発信できるツールが世の中に登場して、それからというもの、お客さんは受信することよりも、発信することに満足感を覚えはじめました

主役を観に行くエンタメよりも、自分が主役になるエンタメの価値がググクっと上がって(※チームラボとかそうじゃん!)、お客さんは、『他人のストーリー』よりも、『自分のストーリー』を求め始めました。

んでもって、僕らが一日のうちに、どこに一番時間を割いているかと言うと、「仕事」や「生活」といった『日常』に一番時間を割いています。

その隙間の時間を、映画やディズニーランドといった『非日常』に使っているわけですね。

これらを整理すると
①他人ストーリー×非日常=ディズニーランド
②他人ストーリー×日常=テレビ
③自分ストーリー×非日常=VRやディズニーランドのキャスト
自分ストーリ×日常=???
そうです。

これからどんどん需要が伸びて(自分ストーリー)、人間が一番時間を割いている(日常)④がポッカリと空いているんです。

僕らが狙うのはココで、つまり僕らが作らなきゃいけないのは「○○ランド」という非日常ではなくて、「町」という日常であり、「主役になれる仕事場」という日常です。

非日常はどこまでいっても「可処分時間」なので、奪える時間に限界があります。
が、たとえば川西(えんとつ町)のスナックCandyで働く三浦さん御夫婦は、結果的に一日の半分を『えんとつ町のプペル』に割いています。

お客さんの日常の中に「お客さんが主役になれるファンタジー」を練り込めば、結果的に一番時間を奪えるよね、という話です。

こういう風に整理すると、僕が「えんとつ町に着ぐるみ(非日常×他人)』は要らない!」と言っている理由が、なんとなく見えてくるのではないでしょうか?
図にすると、僕らが狙うは「右下」ですね(*^^*)

えんとつ町を作る時は、ここを意識していきましょう。
現場からは以上でーす。

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2019年9月23日 プラットフォーム(吉本版のBASEみたいなやつ)を作る

おはようございます。
Twitterをプロポーズ&セクハラのツールとして活用しているキングコング西野です。
(※ようやくTwitterの正しい活用方法が見つかりました)

さて。
こんなハチャメチャな活動を容認してくれている吉本興業には何かしら御礼をしないと気が済まないのですが、たくさんテレビに出たいわけでもないので(僕個人がテレビの収益を吉本興業に入れることは無理なので)、何か別の形で還元しようと思ってクラウドファンディング『SILKHAT』を作り、毎日宣伝しています。

『SILKHAT』の手数料(カード決済の手数料を除いた分)が吉本興業に入り、さらには『SILKHAT』で吉本芸人が自身の力でチャンスを増やせるといいなぁと考えたわけですね。

とはいえ、『SILKHAT』だけだと御礼が足りないので、『えんとつ町のプペル』の二次利用(グッズとか)の収益の一部(9%)を吉本興業に入れようと思って、昨年10月からライセンス契約の交渉を続けてきたのですが、ウンともスンとも話が前に進まずに、交渉は決裂。

『えんとつ町のプペル』の二次利用の権利は、すべて(株)NISHINOで持つことになりました。
【関連記事】


ですが、このままだと、僕が吉本興業に借りを作りっぱなしで、それは気持ちが悪いので、「『えんとつ町のプペル』の売り上げの一部を会社に入れる」以外の形で、吉本興業の売り上げを伸ばす方法を考えてみることにしました。
(※結構、イイやつなのかもしれません)

パッの見るかぎり、今、吉本興業が取りこぼしているのは「よしもとグッズの交通整理ができていない」という部分だと思います。
詳しく説明しますね。

吉本興業の各劇場には『おみやげコーナー』があって、そこで、商品開発部の人達が開発した商品がズラリと並んでいるんですね。
『NONSTYLEのウチワ』とかです。

おみやげコーナーで売っている『NONSTYLEのウチワ』が取りこぼしている点は以下の4つです。

①ウチワが売れてもNONSTYLEに雀の涙程度の売り上げしか入らないので、NONSTYLEがウチワの宣伝をしない。

②NONSTYLEはSNSで影響力を持っているのに、NONSTYLEグッズが“オフライン”で売られている。

③NONSTYLEファンの需要は、商品開発部のオジサンよりも、NONSTYLEが一番よく分かっている。

④おみやげコーナーで売る以上、在庫リスクを抱えてしまうから、大量発注できずに、一個あたりの原価が上がってしまう。

この①②③④を丸ごと回収する方法は一つで、「吉本芸人のネットショップのプラットフォーム(吉本版のBASEみたいなやつ)を作る」です。

在庫のリスクは会社が持つのではなくて、芸人各自に持たせればよくて、芸人側の意見を言わせていただくと「自分で開発&発注した商品が売れ残っても、すべての責任は自分にあるので、まさか吉本興業に不満を持たない」です。

ちなみに僕の『BASE』で絵本やら何やらを売っているのですが、これまでの売り上げは、たぶん2億円ぐらいで、このうちの数%(手数料)が『BASE』に入っているのですが、それは吉本興業に入るようにした方が良くね?という話です。

6000人の芸人各自に商品開発&販売をさせて、その手数料をもらった方が、吉本興業に入るグッズの売り上げは上がるので、吉本興業が会社としてやった方がいいお仕事は「商品開発&販売ではなくて、芸人が自分のグッズを販売できるプラットフォームを作ること」だと思います。

「6000人の芸人がそれぞれファンを抱えている」という吉本興業の圧倒的なアドバンテージは絶対に使った方がいいので、さっそくマネージャーに提案してみました。
クラウドファンディングのプラットフォームの開発&宣伝のお手伝いに加えて、
ネットショップのプラットフォームの開発&宣伝のお手伝いができれば、一応、吉本興業には恩を返せるかなぁと思っています。

今日は吉本興業の売り上げを伸ばす方法を考えてみました。
現場からは以上でーす。

【追伸】
10月5日に熊本で呑み会をします。
この売り上げの一部は『BASE』に入ります。
勿体無いよね?



「映画 えんとつ町のプペル」



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