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絵本の元ネタ

2019年5月25日 お客さんはタクシードライバーさんを、もっともっと「人として扱うべき」

おはようございます。

リニューアルした『しるし書店』の新しいデザインにニヤニヤしているキングコング西野です。

ようやく絵本と繋がりました(タイムラインの時計のマークは木の時計台の方がいいかも)。

コチラ↓


さて。

昨日は、オンラインサロンメンバーで、札幌を拠点に活動されているタクシー会社『平岸ハイヤー』さんのコンサルがありました。

「もっともっと地域(地元)に応援されるタクシー会社になる為にはどうすれば?」という相談内容です。
リアル・ニシノコンサルですね。

タクシー(移動)のエンタメ化に関しては前々から興味があったので、腕が鳴るお題です(*^^*)
平岸ハイヤー』さんが地元の皆様から応援されることは勿論、札幌に遊びに行くオンラインサロンメンバーからも利用された方がいいと思うので、僕が『平岸ハイヤー』さんに提案したアイデアをここで皆様にお話しして、『平岸ハイヤー』さんのアップデートの過程をサロンメンバーの皆様と共有することで、『平岸ハイヤー』さんがサロンメンバーの皆さんから応援される流れを作ろうと思います。

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そもそもタクシーの「問題点」は?

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タクシーの一番の問題はとにもかくにも「ドライバーさんの当たりハズレがある」という点ではないでしょうか?

何故かカーナビの操作ができないドライバーさんがいたり、態度が悪いドライバーさんがいたり、シンプルに臭いドライバーさんがいたり。
僕らがタクシーを拾う段階で、それらは確認できず、タクシーに乗り込んだ瞬間に「ハズレ」を告げられます。

そんなの絶対にイヤじゃん。

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そもそも、なんで態度が悪いの?

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ホリエモンなんかが率先して喧嘩していますが、態度の悪いドライバーさんって、本当に態度が悪いんです。もう最悪っ!

ここで「人として終わってる」と結論するのは簡単なのですが、基本的に僕は、「人に罪は無くて、人が罪を犯してしまう“システム”に不備がある」という考えでして、タクシードライバーさんが「態度が悪くならざるをえない環境」にあるのではないか?と考えます。

その結論から逆算して原因を探っていった時に、そういえば、「どれだけ素敵なサービスを提供しても、お客さんが乗り替わるタイミングで、信用ポイントがリセットされる」という、ドライバーさんが頑張っても報われない状況にあることに気がつきます。

頑張ろうが頑張らまいが自分の評価が変わらないから、頑張るモチベーションが上がらない」というシステムエラーですね。

ここを改善した方が良さそうです。
というわけで……

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ドライバーさん(人)検索の配車アプリを作る

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配車アプリの『ジャパンタクシー』は、今いる場所の近くを走っているタクシーを可視化していますが(黒色のタクシーのマークがウロチョロしてる)、あんなもん、「タクシーアプリ」を使っているのだから、タクシーのマークである必要なんてなくて、あのタクシーのマークをドライバーさんのアイコン(プロフィール写真)にして、「山田はんのタクシーを呼ぶ」「長谷川さんのタクシーを呼ぶ」といった感じで、配車の際に『ドライバー検索』ができれば、お客さん側からすると「ハズレ」を回避できますし、ドライバーさん側からすると、頑張れる理由になるので、ウィンウィンちゃんです。

検索されるドライバーさんのプロフィール欄には『顔写真』と『名前』と『特技』と『誕生日』を入れておくといいと思います。

僕なら「特技=英会話」のドライバーさんを選びます。

「特技=余計な会話は一切しない」というドライバーさんを選ぶ方もいらっしゃるでしょう。
『誕生日』は絶対に入れておいた方がいいですね。

気がついたお客さんから「お誕生日おめでとうございます」と一声かけてもらえるだけで、これまでのタクシードライバー歴でそんな経験をしたことがないドライバーさんはとっても嬉しいと思います。

お客さんはタクシードライバーさんを、もっともっと「人として扱うべき」で、お客さんとドライバーさんが人として繋がれるシステムが必要なのだと思います。

てか、そういう世界の方が優しくて良くね?

そんな話を、平岸ハイヤーの社長さんに提案してみたところ、「さっそくやります!」と返ってきたので、楽しみです。
札幌に遊びに行かれる際は、是非、平岸ハイヤーさんをご利用ください(*^^*)

現場からは以上でーす。

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2019年5月26日
 マーケティングなんかするな。自叙伝を書け。

おはようございます。

いつも頑張ってくれている田村Pへ、ニューヨーク旅行をプレゼントすることにしたのですが、チケットやホテルの手配が面倒なので、「お金だけ出すから、自分の分は自分で手配して」とお願いしたところ、ビジネスクラスと良い感じのホテルを押さえやがって、100万円ぐらいの見積もりを出してきたので、帰国後に蹴り殺そうと思っているキングコング西野です。

さて。
このサロンには、毎日毎日、ビジネスに関する考察を投稿しているのですが、お忘れかもしれませんが、そこそこ売れっ子のファンタジー作家なので、今日はビジネス話を少しお休みして、『作品』の話を。

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絵本の元ネタ

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数年前に『Zip&Candy ~ロボットたちのクリスマス~』という作品を発表しました。

最新型ロボットの「ジップ」君と、旧型ロボットの「キャンディ」ちゃんの恋物語です。

最新型ロボットのジップ君が、研究所から外に出ることを禁止されている旧型ロボットのキャンディちゃんを、半ば強引に外に連れ出して、外の世界をアレやコレやと見せてあげる(教えてあげる)わけですが、ある日を境に、キャンディちゃんの物忘れが激しくなります。

キャンディちゃんの物忘れが激しくなった原因を探ったところ、「旧型ロボットのキャンディちゃんは、最新型ロボットのジップ君のように、記憶できるデータの容量がそこまで多くなく、容量がパンパンになっているのに、それでもインプットを続けると、古い記憶から順に上録りされていく(カセットテープの感じ)」ということを知ります。

良かれと思ってアレやコレやと教えてあげていたジップ君は、大好きな彼女の昔の記憶を奪っていたわけですね。

「さあ、どうする?」というところから始まる物語なのですが、僕はハッピーエンドしか描きませんので、御安心ください。
ハッピーエンドに着地します。

『ジップ&キャンディ』という物語は、僕と、晩年、ボケが進行して物忘れが激しくなり、ついには僕のことを忘れちゃった僕の婆ちゃんとの話が元ネタとなっております。


病院に入院していたら、ボケが進んでしまうので、婆ちゃんの手を引いて、病室から連れ出して、『はねるのトびら』の収録現場に連れていったり、妻夫木聡君とのコンパに連れていったりしたんです。

コンパのメンバーは、妻夫木君、僕、婆ちゃん、母ちゃん、そして、インパルス堤下君です(*^^*)
つまり『ジップ&キャンディ』というのは僕の自叙伝なんですね。

ちなみに、『えんとつ町のプペル』は、夢を追いかけようとしたら日本中から叩かれた僕と、僕をサポートしたことで叩かれた僕の友達やスタッフとの話が元ネタです。

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自叙伝を書け

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先日、『トイ・ストーリ3』や『モンスターズ・ユニバーシティ』のアートディレクターの堤さんと呑んでいた時に、ピクサーの監督陣が、ジョン・ラセター(ピクサーを率いているオジサン)から何度も言われる言葉を教えてくださいました。

その言葉が、こちらです。
「マーケティングなんかするな。自叙伝を書け。それが一番のマーケティングだ」
なんだか『ヒットの法則』のようなものをバチバチに研究しているように思える、あのピクサーの映画作りの根幹にあったのは「監督の極めて個人的な作品」でした。

恐れ多いですが、す~ごく分かります。
自叙伝を書いた時に発生する「執念」めいたものは、マーケティングからは生まれることはありません。

『ジップ&キャンディ』を描いた時は、何度も何度も婆ちゃんとの思い出がよぎりましたし、
『えんとつ町のプペル』を描いた時は、日本中から叩かれ続けた日々の記憶が何度も何度も蘇りました。


そのことが「もっと、もっと」と作品のブラッシュアップに繋がり、説得力に繋がり、結果、お客さんに伝わるのだと思います。

なので、作品を作る時は、世間で何が流行っているかを探るよりも、自分の記憶を遡って、“感情が大きく動いた日の出来事”を探した方がイイかもしれませんね。

作品に限らず、会社やサービスを作る時も同じかもしれませんね。

やっぱり『自叙伝的』な会社やサービスは強いです。

ちなみに、『チックタック ~約束の時計台~』は、ある日、突然失踪しちゃった梶原君と、梶原君を待つことに決めた僕との物語です(*^^*)

今日は、力強い作品制作の根底にあるモノの話をお届けしました。

現場からは以上でーす。




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この記事は1年経過したのでサロンメンバーに公開許可された投稿です。
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普通に生活費のかかる個人ですから。お金をいただけるのは嬉しいことです。 ありがとうございます。先にお礼を言ってしまいました。返礼の法則って知ってますか?さあ