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次は『舞台』を掘り下げようと思います。 
僕が一番本気を出せる場所です

2019年1月28日 別荘としては良いけど、エンタメ島としては機能しない


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【ここ最近の あらすじ】
年商1億円の会社(株式会社にしのあきひろ)で、1億3000万円の土地を買い、さらには、そこに総工費15億円の『えんとつ町のプペル美術館』を建てることを決め、スタッフを苦しめている西野亮廣。

今年の年商は2~3億円ほどだと思うけど、まだまだ届かない。
はたして、『えんとつ町のプペル美術館』は建つのか?

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こんにちは。

Twitterで「友人から『キンコン西野に似てる』って言われた。最悪やー」と自虐的に呟いているヤツの「キンコン西野に似てる」は絶対に“自慢”だと思っている西野亮廣こと極ナルシストです。

さて。
我らが破天荒、ノブシコブシの吉村君(僕の同期です)が、番組企画で、3年かけて1億8000万円の無人島を購入することを決めたニュースについて、昨日から、やたらと意見を求められています。

僕も同じようなことをしているからだと思います。

批評は得意ではないし、自分の時間を奪われてしまうので、普段は他人様の活動にとやかく言わないのですが、今回のニュースはエンタメ目線で切り取ると面白いなぁと思ったので、ここ(西野亮廣エンタメ研究所)だけでお話しします。

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ノブコブ吉村君が買った無人島の価値

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今回、吉村君が買ったのは長崎県西海市(西彼町)にある『橘島(たちばなじま)』という1330坪の無人島。 

『橘島』は随分前から売りに出されていて(以前、調べたヨ)、なかなか買い手が見つからなかった場所なので、吉村君が内見に行ったタイミングで、別の内見者(ライバル)と鉢合わせたのは、まぁ、番組か不動産屋さんにカマされたのだと思います。

西海市西彼町の平均の坪単価は2~3万円なので、土地の価値だけで見ると、かなりボラれた感がありますが、ただ、橘島には、すでに宿泊施設や桟橋などがあるので、1億8000万円は『土地+α』の値段でしょう。

土地だけだと、4000~5000万円が妥当だと思います。

これを「良い買い物」と見るか、「悪い買い物」と見るかは、『別荘』として見るか、『エンタメ島』として見るかで、変わってくると思います。

『別荘』として見た場合は、個人の納得価格が適正価格なので、個人が納得していれば高いも安いもありません。

今回、吉村君は「エンタメ島にしたい」ということだったので、『エンタメ島として見た時の橘島』の価値について、意見させていただきます。

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エンタメ島としての『橘島』

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結論を先に言うと、エンタメ島としての『橘島』の購入は「失敗」だと思います。
もう少し詳しく言うと、「少し頑張れば、エンタメ施設を作ることはできるけど、運営していくことができない」です。

『橘島』のご近所のハウステンボスが集客(リピート客)に苦戦している理由を、ほじくっていくと、答えが見えてくると思うのですが、まず、シンプルに「寒い時期に長崎の無人島に行く理由がない」です。

「日本には四季がある」と言いますが、気温でみたら、10月中旬~3月中旬は『冬』です。

日本は、1年の約半分が『冬』なんですね。

エンタメ島としての『橘島』は年間の半分がオフシーズンなので、残り半年で回収しなければならないのですが、長崎は台風がそこそこ直撃するので、イベントが中止になってしまう可能性がある高い台風シーズンに、わざわざ『橘島』(屋外施設)でイベントを企画するメリットがありません

橘島に辿り着くには「飛行機が飛ぶ」と「船が出る」の二つの条件をクリアしなければならないわけですね。

同じ理由から、梅雨シーズンにイベントを企画するメリットがありません。
(※雨の日に内見に行った方がイイ)

オフシーズンは、そもそも無人島でイベントをやろうと思わないし、6月~9月は、イベント中止になるリスクがあるから、わざわざその時期にイベントを企画しようとは思わない。

橘島のイベントが安定して打てる時期は、4月と10月の2ヶ月。

2ヶ月といっても、平日に長崎の無人島のイベントを企画するのは現実的じゃないので、イベント開催は、2ヶ月のうちの土日だけになるので、実質、『橘島』がエンタメ島として稼働できるのは一年で16日ほど。

どれだけ甘く見積もっても、「平日に行けない」は結構厳しいですね。

加えて、そもそも長崎は雨の日(満足度が下がる機会)が多いので、リピーターが生まれにくいです。
(※ちなみに、えんとつ町のプペル美術館が建つ兵庫県の晴天率は全国2位です)

 
んでもって、今回の『橘島』は「無人島まで船で100メートル!」という【好立地】が売りでしたが、それは陸地からのアクセスがいいだけの話で、そもそも「長崎」に辿り着かなければなりません。

「飛行機で長崎まで飛んで、そこから車にのって、そこから船に…」と考えた時に、移動時間もさることながら、
交通費がバカにならない上に、
『一日過ごせる場所』ではない上に、
通り道ではないので(その為だけに行かなければならない場所なので)、
行き先候補から外されます。

エンタメ島にするには、天気面でも、交通面でも、立地が悪すぎますね。

こういう時は、一番最悪の条件で、「それでも運営していけるか?」を考えた方がいいと思います。

結論、「別荘としては良いけど、エンタメ島としては機能しない」です。

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補足

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無人島はローンが組めないので、1億8000万円は現金一括購入。(その分の税金もかかる!!)
もちろん、施設の建設費用と、島の維持費用も。

今回は『6人乗りのボート』が付いてくるそうですが、300人キャパの劇場を作るとしても、6人乗りのボートだと、お客さん全員を島に運ぶには50往復。

片道5分だとすると、お客さん全員を島に運ぶには8時間チョイかかってしまうので、大きめの船を買わなきゃいけません。
一年のほとんど使わない船の維持費用も。

エンタメ島にするには、地元住民の方の理解も必要で、地元の方との『対話』も繰り返さなければなりません。(これがメチャクチャ大事!)

タレントの資金力とスケジュールでは、なかなか厳しいのと、
繰り返し言いますが『地元の方との対話』をスッ飛ばして、テレビで先に発信しちゃったので(これは悪手ですね…)、静かに暮らしたい地元民からの反対に遭い、そもそも「売った人」の責任になってしまうので、世間は騒いでいますが、おそらく今回の話は流れる(白紙になる)と思います。

現場からは以上でーす。

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2019年1月29日 『テイラー・バートン』


おはようございます。

YouTubeにアップされている野生動物の対決動画では、結構な確率で百獣の王・ライオンが負けていることを知っているキングコング西野です。

CMの話をいただいたのですが、僕が「やる・やらない」を決める前に、マネージャーの須藤君の方から、「西野さんがCMした商品(サービス)の質が低かったら西野さんの信用が落ちてしまうので、もう少し、この商品(サービス)を詳しく調べてみます」と言われてニヤニヤしました。

正しい判断だと思います。

それとは別件で、少し大きめのプロモーション案件をお受けしました。

こちらは、『西野亮廣エンタメ研究所』を巻き込んで、今年の春に世間にバチーン!と発表するので、お付き合いください。

クライアントさんがいる案件なので、世間に発表するまでは、このことは絶対に黙っていてください。
近々、詳細をお伝えします。

さて。
ありがたいことに、毎日、お仕事のオファーをたくさんいただいていますが、これはもう「刈り取り時期」に入っちゃってるんで、ここに関しては終わりだと思っています。

もちろん、こんな場所に長居するつもりはありません。

てなわけで、次のカードを切ろうと思うのですが、昔から応援してくださっている方はご存知かとしれませんが、僕、すべての仕事の中で『舞台脚本』が一番得意なんです。

『革命のファンファーレ』や『新世界』で西野亮廣に興味を持たれて、ここに来られた方からすると、あんまりそのイメージないですよね(*^^*)?

もともと、僕の師匠が「後藤ひろひと」という脚本家で、その影響で、僕もずっと舞台脚本を書いていて、各地の劇場を沸かせまくっていたのですが、『舞台』という性質上、一つの公演で頑張ってもせいぜい数千人~1万人で、これを続けていても世界を獲れる気がしなかったので、数万人~世界をターゲットにした『絵本』にお引っ越ししました。



ちなみに『えんとつ町のプペル』も一番最初は『舞台作品』です。

劇場に通う人口がそもそも少ないので、『舞台』のことって、なかなか表には出ていかないのですが、やっぱり『舞台』は面白くて、自分としては最後は『舞台』に帰ってきたいと思っています。

当時は僕が仕掛ける仕事のプレイヤーは僕一人しかいなかったので、「僕が『舞台』をやってしまうと、それ以外の仕事がストップしてしまう」という状況だったのですが、
今は、
たくさんのスタッフさんに支えられて、僕が現場に行かない方が上手くまわる仕事もあるので、当時のようにコスパ(「こんなに時間をかけたのに、これだけの人にしか届かない」等)はあまり考えず、シンプルに面白いだけを追求できる状況にあります。

というわけで、次は『舞台』を掘り下げようと思います。

僕が一番本気を出せる場所です(*^^*)

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『舞台』で解決したいこと
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ずっと『舞台』をやってきたら分かるのですが、『舞台』って、お金と時間がメチャクチャかかるんです。

美術セットにこだわりだすと尚更。


舞台人は、いろんなものを削って、感動を作ってくれているのですが、それだけで食っていけている人は一部で、多くの舞台人がイイ年になってもアルバイトをしています。

イイ年になってアルバイトしてまで『舞台』を作りたくなる魅力が『舞台』にはあるのですが、とはいえ、そんな生活はずっとは続きません。

「舞台人が幸せになる為には、収益モデルから改善していかないといけないなぁ」という僕の考えです。

出演者の拘束時間を短くするか、公演ではなく『稽古』に課金できるモデルを作るか。

ま、改善できることといえば、そんなところだと思います。

その一つの答えとして、『舞台の落語化』は全然あると思っていまして……

たとえば後輩の佐藤太一郎君が僕が昔書いた『グッドコマーシャル』という舞台を毎年上演してくれているんですね。

リピーターのお客さんもたくさんいて、お客さんはもうストーリーも知っています。

お客さんが観ているのは「今年は、こういう見せ方(演出)で攻めてきたかー!」です。
『グッドコマーシャル』は三人芝居(一人あたりの比重が大きい)なので、共演者の入れ換えで大きく雰囲気が変わるんですね。

加えて物語の舞台は『どこにでもある部屋の中』なので、大きなセットを建て込むこともありません。

メチャクチャ極端な話、各々が自宅で練習してきて、公演当日に「ぶつけ本番」でもやれてしまう。

きっと、演劇は、それぐらいカジュアルにやれる選択肢もあった方が救われる人も多いハズで、それを可能にするには、

①登場人物が少ない

②セットを建て込まなくてもいい

この二つはクリアしないといけないでしょう。

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2019年8月16日

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昨日、スタッフと、そんな話をしていて、「グタグダ言ってねぇで、そのモデルを一回作っちゃおう」となり、8月16日の東京キネマ倶楽部(鶯谷)を押さえました。

準備~本番~撤収を一日で済ませて、公演自体も一日でキチンと黒字化しちゃう。

おそらく、稽古場見学とゲネリハ見学のチケットも出すと思います。

上演するのは、ずいぶん昔にやった『テイラーバートン』という物語。

物語の舞台は「マフィアのアジト」なので、東京キネマ倶楽部を素材そのまま使えます。 
セット費が1円も要りません。

「どこで、どうやって収益化して、役者さんの稼働日数がとれぐらいで…」という裏事情を全てココ(西野亮廣エンタメ研究所)で共有していきますねー。

『舞台人』の生き方を探ります。

たぶん、面白い流れになると思うので、8月16日の夜の予定は空けておいてください。

ブロードキャストの房野君と、ホームレス小谷君には出演してもらいます(*^^*)
『テイラー・バートン』





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普通に生活費のかかる個人ですから。お金をいただけるのは嬉しいことです。 ありがとうございます。先にお礼を言ってしまいました。返礼の法則って知ってますか?さあ