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近畿大学のスピーチの裏側について、お話ししたいと思います

2019年3月24日 だから、プロなのです。

こんにちは。

カジサックのYouTubeチャンネルを見ていて、すっかりオンラインサロンの記事の投稿が遅くなってしまったキングコング西野です。

さて。
昨日の近畿大学の卒業式のスピーチが話題です。

まもなく近大のYouTubeチャンネルにもアップされて、また少しザワザワすると思います。
※『近畿大学卒業式 キングコング西野 伝説のスピーチ全文』


今回、近畿大学からスピーチの依頼を受けた時に、仕事として受けたからには「後世に残るスピーチ」をしようと決めました。

今日は、近畿大学のスピーチの裏側について、お話ししたいと思います。

上のブログ記事を、まだ読まれていない方は、先に、そっちを読んでください。

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計算されていたスピーチ

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まず、決めたのはスピーチの構成ですね。

①過去のドジエピソードで笑いを取る

②「過去は変えられるから、この世界に失敗など存在しない」と言う。

③「だから、挑戦しよう」で締める。


ザックリと、この三段階です。

ドジエピソードで笑いをとって、過去が変えられることを8000人のお客さんの目の前で証明するのですが、これ、結構な人がスルーしちゃってますが、このエピソードトークの全打席で爆笑をとらないと、今回の構成(①②③)は破綻しちゃうわけです。
「ほらね。笑いになったでしょ?」という構成なので。

つまり、絶対に笑いを取らなくちゃいけなかったわけです。

ここが今回のスピーチの一番の勝負ですね。

エピソードトークで笑いを取るのは、そこそこ得意な方なのですが、今回は卒業式。しかも僕の出番は式の一番最後。

僕の前には、それなりにお堅い空気が1時間ほど流れていて、会場は冷えきっております。

ここに、エピソードトークをぶつけるのはあまりにも危険です。

というわけで、まずは会場を温める為に、ニュースにもなりました「登場のやり直し」を頭に持っていきました。

僕が「登場をやり直します!」と言って、笑い声が起こった後、オープニングVTRが始まるまでに間が空いてしまうと、また会場が冷えてしまうので、前日の夜にイベントのスタッフさんには「登場をやり直しますので、すぐにオープニングVTRを出せる準備をしておいてください」とキチンと根回し。
オープニングVTRを出すタイミングも、細かく指示しておきました。

近大のスタッフさんに事前に発注していたのは、この「再登場時のオープニングVTRをすぐに出せるようにしておくこと」と、そしてもう一つ。
「観客席にマイクを仕込んでおくこと」です。

これは去年の又吉くんのスピーチをYouTubeで見たときに、すぐに動きました。
せっかく又吉君が面白い話をして、お客さんも笑っているのに、笑い声を録っていないから、映像だと又吉君がスベっているように見えたのです。

映像&卒業式のスタッフに、バラエティー畑のプロがいないのだと判断して、すぐにマネージャーを通じて近大のスタッフさんに「当日は、観客席に、観客の声を録音するマイクを設置してください」とお願いしました。

近大のスピーチは必ずYouTubeにあげられるので、映像作品としてのクオリティーも考えながら、お仕事を進めなければなりません。

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まとめます

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【事前に決めていた構成】

①登場のやり直し

②過去のドジエピソードで笑いを取る

③「過去は変えられるから、この世界に失敗など存在しない」と言う。

④「だから、挑戦しよう」で締める。

【事前に用意していたこと】

①再登場時のオープニングVTRのスタンバイ

②観客席に映像用のマイクを仕込む

ザックリとこんな感じっすね。


エピソードトークのネタに関しては、出たとこ勝負です。

エピソードトークのネタまで決め決めでいってしまうと、会場の雰囲気とフィットしない場合があるので、会場のウケを見ながら「これだったら、このエピソードだな」という感じでネタを選び、全打席で爆笑をとりました。
これがプロの仕事です。

どうやらプロというのは、遊ぶところは遊んで、根回しをするところは根回しをするようですね。


ちなみに根回しをするには圧倒的な想像力が必要で、圧倒的な想像力を持つには、圧倒的な経験が必要です。
だから、プロなのです。

現場からは以上でーす。

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