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公務員のジョブローテーションは意外と人生を面白くしてくれるかもしれない

こんにちは、大吟醸です。今回は地方公務員(のみならず公務員全般)の宿命、ジョブローテについて書きたいと思います。ご存知の方も多いと思いますが、ウサギさんの言う「ロアナプラ」とは、広江礼威先生が描くクライムアクション漫画の名作「BLACK LAGOON」に登場する架空の都市で、世界ワーストクラスの治安の悪さを誇る、それはそれはヤバいところです。なので、異動を命じられたカエルさんが気の毒に思えてきますが、それはカエルさんの捉え方次第で大きく変わってくる、もしかしたらこの経験が人生を面白くしてくれるかもよ、というお話をします。

「能動的なキャリア選択=幸せ」というわけでもない

地方公務員である以上、ほとんどの方が3~5年程度のスパンでいろんな部署(あるいは勤務地)をグルグル回るのが常と思います。これは役所でも、教員でも、警察や消防の方でも同じですね。中には同じポストを何年も務める方もいますが、これはかなり稀なケースと思います。

僕が転職エージェントをやっていた頃、地方公務員の方から転職相談を頂くことも多かったのですが、大半の方がこのジョブローテをネガティブなものとして捉えていました。「今の仕事が好きでもっと続けたいと思っていたのに異動が決まった」とか「行きたい部署があるのに何年も希望が通らない」とか「ここだけは行きたくないと散々上司に言っていた部署に異動になった」などなど、自分の意思とは無関係に、そして無慈悲に繰り出される辞令に戸惑う方がたくさんいました。この「会社に自分の人生を決められてる感」が気持ち良くないという感情は凄く理解できます。僕自身も役所に勤めていた頃は同じような気持ちでしたし、周囲の同僚も似たような感じでした。

でも、もし仮に自分の意思で自由にキャリア選択ができたとして、それが人生の幸せに直結するかと言うと必ずしもそうではない気がします。「ずっと行きたい思ってた部署に行ったらなんか違った」、「自分でやりたくて選んだ仕事なのに全然パフォーマンスが出せなくてヤバい」、「やっぱり古巣の方が居心地良かったな」といった、自分の自由意思で選んだ先に不幸が待っているケースも往々にしてあるように思います。となると、大事なのは「自分で選べるか?」よりも「自分の運命とどう付き合っていくか?」ではないかと。後者を真剣に考えた方が、人生楽しくなりそうな気がします。

キャリアの8割は偶然によって決まる

スタンフォード大学の教育心理学者、ジョン・クランボルツ教授が提唱したキャリア理論に「Planned Happenstance Theory(計画的偶発性理論)」というものがあります。内容をざっくり言うと、

  • 僕らのキャリアの8割は、なんだかんだ予想もつかないような偶然によって決定される

  • ガチガチに計画にこだわるよりも、未決定=オープンマインドでいた方がいい感じになる

  • 偶然の出来事は良い学習の機会と捉えるべし

  • 「良い偶然」を作り出すためには、5つのポイントがある

数多くあるキャリア理論の中でも、僕はこの話が特に好きです。すごく実践的で、前向きな内容だなーといつも思います。僕自身も、予想もしなかった出来事がきっかけで地方公務員(特別区職員)を志し、希望とは全然違う部署に配属され、その仕事を通じて新しい道を模索し始めて転職し、転職先での偶然の出会いによって今の仕事をするようになりました。更に言えば、始めから人材領域を狙って転職したわけではなく、結果的にそうなった、という感じです。なので、振り返ってみると自分でコントロールした部分は皆無に等しいのですが、それでも今は充実した日々を送れていますし、とても良い縁に巡り合えたと思っています。

偶然を「良い偶然」にするための5つのポイント

ただし、上記で書いたような偶然の出来事を自分にとって良いものにするためには、ちょっとコツが必要です。箇条書きの最後に書いた通り、良い偶然を生み出すには5つのポイントがあります。順番に見ていきます。

好奇心

「何にでも関心を持とうね」という話なのですが、とりあえず興味の無いことでもチャンスがあればやってみましょう!実際にやってみると、意外と面白かったりするものです。僕はゴルフを人に誘われて渋々行ったのですが、めちゃくちゃ楽しくて完全にハマりました。この「人から誘われて何かに行く」というのはすごくいいチャンスなので、まず自分では絶対やらなそうなことで声がかかったら、ここぞとばかりに参加してみましょう。で、実際にやってみて「やっぱ合わねーな」と思ったらやめれば良いだけです。

持続性

「これ意外とおもしれー!」と思ってワクワクしながら始めたことでも、必ず壁にぶち当たります。僕のゴルフもスランプに入った時は「もうやめたい・・・」と何度も思いますが、少し頑張って続けていると必ず道が開けて、更に面白いステージが待っています。なので、辛い場面があっても必ず夜明けは来ると信じて、もう少しだけ頑張ってみましょう。逆に、慣れで飽きてしまうこともありますが、この場合も投げ出さずに少し続けてみることで、また新しい面白さが見つかるはずです。

柔軟性

ある程度できるようになってくると、「俺はすげーんだ」とか言って周りの話を聞かなくなる人が時々いますが、これは完全にNGです。常にアンラーニングの姿勢で、周りの人の意見を聞き、新しい視点を取り入れる柔らかさを持つようにしましょう。頑固で頭ガチガチの人にはいい偶然はやってこないというのは、何となく想像がつくのではないかと思います。

楽観性

これは「とにかく明るくいこうぜー!」みたいな性格的な話とはちょっと違います。例えば上記で触れた「本意ではない異動」に直面した際、「これも天命。自分の成長に繋がるかもしれないな・・・」と落ち着いてポジティブに考えるような、そういう「ものの捉え方の姿勢」のことを指しています。大事ですねー。これができたらかっこいい大人ですね。

冒険心

「失敗を恐れるな」ということですね。何か新しい事業が立ち上がった時に、普段であれば「自分ではちょっと力不足かも・・・」「できる自信ないな・・・」と思って後ろに下がっていたところを、今後は「はいはいはい私やりまぁぁぁす!!」くらいの勢いで突っ込んでみましょう。結果上手くできずボロボロな結果になっても、組織全体で見れば大したことにはならないので大丈夫です。むしろその中で得る学びこそ、とても大きな人生の財産になります!


地方公務員の職場環境はワクワクする偶然の連続

というわけで色々と書きましたが、上記を実践する場として地方公務員ほど適した職業はないと思います。ほぼほぼ偶然のキャリアしかありませんからね。数年で異動になることが決まっている、そしてその異動には何の脈絡もない場合が多い、そんな地方公務員の皆さんにこそ、この計画的偶発性理論を通じて偶然の連続を楽しんでいただきたい、そしてポジティブな人生を歩んでいただきたいです。どんな部署・事業にもとりあえずの関心を持ち、一度始めたら簡単には諦めず、いつでも柔軟な学びの姿勢を持ち続け、本意でない異動は自己成長のチャンスと捉え、失敗を恐れず仕事にトライする、こんな人がたくさんいたら、とてもいい感じの地域になりそうですね!

本当にやりたいことが見つかったら

良い偶然を掴んだ結果、もし本当に極めたい何かが見つかった時、そしてそれが外の世界にある時は、5つのポイントの最後「冒険心」を駆使して外に飛び出すのもアリかもしれません。地方公務員からの転職、といった話題は、また別の機会に書きたいと思います。

今回はこの辺で。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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