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太田記念美術館「浮世絵お化け屋敷」

 家族に合わせて夏休みを1日取ったのだが、家族の都合が合わなくなってしまった。
 とはいえ、せっかく色々調整して休みを取ったので、今更仕事するのも癪である。
 というわけで、一人でどこか出かけることにした。

 ぽつりと空いた休日って、なんだかボーナス感ある気がして、それはそれでちょっとうれしい。よく考えたら、休日もバンドばかりで好きなことをしているのだが、それはそれで誰かしらと会う予定ややるべきことがあるわけで、こういう全く何してもいい時間というのはよく考えたらほとんどないのだ。

 というわけで、ふとXかインスタにぽんとお知らせの出てきた、表題の「太田記念美術館 浮世絵お化け屋敷」を見にいくことにした。
 休日に一人で浮世絵見にいくなんて、まぁなんとも優雅なものである。

 太田記念美術館は普段から浮世絵をすごくたくさん展示している美術館という印象である。以前、歌川広景(広重ではないです)という、ちょっとおもしろい系の浮世絵師が気になって調べていたとき、確かここで企画展をやっていたので、なんとなく覚えていた。

 大層暑い日だったが、美術館は多くの人が訪れていた。
 予想よりもはるかに多くの点数が展示されていて、結構じっくり見て結果2時間近くいたんじゃないかと思う。
 表題の通り、鬼や妖怪の類いを題材にした浮世絵の企画展で、掛け値なしにどれもこれも見応えのある素晴らしい作品ばかりだった。
 美人画や風景画もいいのだけれど、こういったおかしみや一種ふざけた観点がある芸術作品っていうのは、やっぱりその時代に生きた人のナチュラルな感性が出るようで好きである。それが、人間が面白いと思うものや表現の仕方って、今だってあんまり変わらないよな、と思うことができるからだ。
 小説だったら東海道中膝栗毛が好きなのと同じ理屈である(ちなみに膝栗毛が題材のものも数点ありました)。
 ちょっと極論だけど、美人画の表し方って江戸時代の浮世絵と今のアニメとじゃまったく違うけれど、ギャグ漫画の手法(上のポスターで脅かしてる妖怪の顔とか、ひっくり返っている人の図とか)なんかは基本あんまり変わらないような気がするのだが、どうだろうか。やっぱり人がひっくり返ったりしているのは今も昔も面白いのだ。


ちなみに浮世絵ということでこのいで立ちで行きました

 というわけで、久々の美術館だがかなり満足した。関係ないが、ずっと並んで見ていた後ろの女の子たちが非常に浮世絵に詳しく、ずっとおしゃべりで解説してくれていたのでラジオ聴いてるようだった。おもしろかった。

 その足で原宿の新名所ハラカドに行ってみる。

 ハラカドの中にある中華屋さんでお昼。たまごチャーハンと餃子。おいしかった。斜向かいの東急プラザでコーヒーを飲み、近くのニューバランスの店を見る。

 次は「デザインフェスタギャラリー原宿」へ移動。
 ここは、若手アーティストを中心に展示されているギャラリーで、マンション的な部屋のそれぞれの個別スペースでの展示がある。おもしろかった。
 台湾ZINE展と星華さんのおさかなさんのお遊戯会が特に良かった。
 若いアーティストさんと直接お話しができるのも楽しい。愛想が良かったり、こちらが入るとちょっと不安そうだったりいろいろだけれど、全員尊敬すべき方々である。
 浮世絵もだが、ここも海外のお客さんが多かった。

 その後、渋谷川遊歩道を散歩し、途中Tシャツなど買いながらワタリウム美術館へ。

これは地下の物販・カフェコーナーです

 ここのカフェですこし涼む。かっこいいバスキアのパーカーが売っていたので少し悩むが、この日があまりにも暑すぎてあまり気分にならず断念。

 近くの妙円寺へ。

 なんでここにきたかというと、前にも少し買いたが、「ハチ公におやつをあげていた」でおなじみのぼくのおばあちゃんがかつて住んでいたのがこのあたりで、おそらくこのお寺にもきていただろうと思ったからである。

 なぜなら、看板にある通り、ここは小学校だったらからだ。どうもおばあちゃんに聞き取り調査をした小学校の場所と、ネット情報で出てくる小学校の名前や場所がいまひとつあわなかったのだが、たぶん移転する前のこの小学校の情報がどこにも出ていないからだったんだと思う。
 境内でお参りをする。


 原宿方面に歩いて戻る。
 とにかく暑い日で、ワタリウム美術館から原宿に歩くだけでも相当消耗してしまう。
 ということで、喫茶店に入る。

 そして、贅沢なかき氷を食べる。

 というわけで、久々にひとりを満喫した休日は終了した。
 行き当たりばったりの割には、まぁまぁ充実した1日だったんじゃないだろうか。

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