マガジンのカバー画像

#愛について語ること

114
自分がいったい何について愛を感じているのか、きちんと言葉にしてみる。言葉にするために、愛の対象となるものを写真に残す。私が傾ける愛から、派生した様々なものや人とのつながりを考える。
運営しているクリエイター

#旅とわたし

故にわたしは真摯に愛を語る

 か細く浮かぶ月を何気なく眺めているときに、ふと夏目漱石が口にした「月が綺麗ですね」とい…

107

#2 写真についての愛を語る

 唐突に今、自分が誰かといる瞬間をファインダーに収めたいなと思う。自分が見た、心揺さぶら…

#3 旅についての愛を語る

 昔わたしが物心つくかつかないかの折に、ふと母親から「貴方はね、昔橋の下で拾ってきたのよ…

#4 カレーについての愛を語る

 「郷に入りては郷に従う」  ことわざの意味そのままに、まずは旅をする上ではその国のこと…

#5 スパイスについての愛を語る

 先日の「#4 カレーについての愛を語る」の続編。  確か先々週くらいのことだっただろうか…

#11 タイについての愛を語る

 あのなんとも言えない独特の匂い、排煙ガスに取り込まれた道、澱んだ河の水が流れる光景。今…

#17 星についての愛を語る

 先日の「#16 夜についての愛を語る」の続編。  本当に、夢だったかのような美しい音が響いた夜。 *  あれは確か小学生の頃だったと思う。わたしの学校には定期的にバントラックに乗ったおじさんがやってきて、希望者に対して一人ひとりに何やら雑誌を渡していくのである。だいたい来る日が固定で、その当時まだかまだかと楽しみにしていた記憶がある。  あれはなんという雑誌かなぁと思って調べていたら、その名前が出てきた。学研から出ていた「科学」と「学習」シリーズである。どちらのシリ

#20 夏みかんについての愛を語る

 昔は割と何かしらにかこつけて、人と会ったりどこか出かけたりしないと気が済まないタイプで…

#21 インドについての愛を語る

 当時のことを思い出そうとしてみる。ざわついた喧騒、生ぬるい風、束ねるバイクのガスの匂い…

#26 小樽についての愛を語る

 先日の「#25 札幌についての愛を語る」の続編。 早朝5時40分、照らす朝日  結局ずっと札…

#38 夢についての愛を語る

 ときどきどうしようもなく恐ろしい夢を見ることがある。  はっと目を覚ました時に、背中に…

#39 雨についての愛を語る

 ある日の昼下がり、強くアスファルトへ打ち付ける雨の姿を見ると、心底ホッとする。自分の中…

#40 モノクロームについての愛を語る

 最近はうまく行っていることが半分と、どうも行き詰まっていることが半分くらい。昔より私は…

#42 余韻についての愛を語る

 ふと生活をする中で、深く呼吸をしたくなる時がある。日常は常にせわしなく回り続けていて、ひたすら走っているうちに息切れする。それは思いのほか、自分が意識のないまま積もり積もって折り重なっていく。誰かと話すのは楽しい、新しいことに挑戦することは楽しい、ちょっとした変化に飛び込んでみるのも楽しい。でも、時折息が詰まりそうになる。 * 週末のエンドロール  ずいぶん昔のことだけど、原田マハさんの『キネマの神様』という本を読んだ。ちょうど3年ほど前だっただろうか、『男はつらいよ