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#愛について語ること

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自分がいったい何について愛を感じているのか、きちんと言葉にしてみる。言葉にするために、愛の対象となるものを写真に残す。私が傾ける愛から、派生した様々なものや人とのつながりを考える。
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#創作大賞2023

故にわたしは真摯に愛を語る

 か細く浮かぶ月を何気なく眺めているときに、ふと夏目漱石が口にした「月が綺麗ですね」とい…

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#1 本についての愛を語る

 先日愛に関して自分の中で再定義しようと思い、ソロプロジェクトを立ち上げた。で、初回は何…

#2 写真についての愛を語る

 唐突に今、自分が誰かといる瞬間をファインダーに収めたいなと思う。自分が見た、心揺さぶら…

#3 旅についての愛を語る

 昔わたしが物心つくかつかないかの折に、ふと母親から「貴方はね、昔橋の下で拾ってきたのよ…

#4 カレーについての愛を語る

 「郷に入りては郷に従う」  ことわざの意味そのままに、まずは旅をする上ではその国のこと…

#5 スパイスについての愛を語る

 先日の「#4 カレーについての愛を語る」の続編。  確か先々週くらいのことだっただろうか…

#6 救済に連なる愛を語る

 時々、グッと見えないものから無言の圧力を感じることがある。何に対してわたしは恐怖を感じているのかもわからない。頬を撫でる春の風は、なぜか刺すような寒さを伴っている。  人は結局、他者との関係性の中で自分が生きるべき道を見つけるものなのかもしれない。それがたとえどんな形であるにせよ、自分としての確立された姿を保つために、相手の心に触れること。  前へ進む道を断たれた時。悪いことだと分かっていても、楽な生き方に誘われそうな時。生きることに価値を見出せなくなりそうな時。深い暗

#7 山についての愛を語る

 全身がじわじわバキバキになり始めているのがわかる。いわゆる遅れてやってきた筋肉痛という…

#8 映画についての愛を語る

 昨日は3回目ワクチン接種の副作用により、ほぼ一日仕事にならなかった。いやなるにはなった…

#9 桜についての愛を語る

 ハラハラと散りゆくピンク色の花びらをそっと拾って「風流だねぇ」と嬉しそうに呟く彼女の姿…

#10 音楽についての愛を語る

 ふとYouTubeを眺めていたら、平井堅さんの「切手のないおくりもの」が流れてきて、思わず釘…

#11 タイについての愛を語る

 あのなんとも言えない独特の匂い、排煙ガスに取り込まれた道、澱んだ河の水が流れる光景。今…

#12 レトロについての愛を語る

 なんだかんだ言っても、わたしは昔懐かしいものが好きだ。  果たしてどう表現すればよいか…

#13 家族についての愛を語る

 相手をひたすら愛しいと思う。一緒にいるだけで、なぜだか活力が湧いてくる。しっかり生きなきゃと自分を鼓舞する。気が付けば、自分の生活の中心をぐるぐる回っている。自分が確かに存在していることを、浮き彫りにしてくれるもの。それが、家族ではないだろうか。 *  これまで観てきた映画の中で家族をテーマにした映画として、今でも胸の奥にしっかりと残っているものは、母と娘の関係性を描いた中野量太監督の『湯を沸かすほどの熱い愛』だとか、世間から見ると一見理解しがたい関係性にも見える是枝裕