見出し画像

SaaS GIANTたちの始まり学①SmartHR編

こんにちは。

皆さん突然ですが、wayback machineをご存知でしょうか?

スクリーンショット 2020-04-02 21.31.41

wayback machineとは、サイトurlを入力すると、そのサイトの過去にタイムトリップすることができるサイトです。例えば、あの有名人のブログって昔はどんな感じだったんだろうとか、このサイトっていつからあるんだろうとか、そういったことがわかっちゃいます。

スクリーンショット 2020-04-02 21.42.54

これは2004/4/6のジャニーズ事務所のHPです。まだ少年隊がいるし、Hey!say!JUMPとかキスマイはデビュー前ですね。このHPのテイストもガラケー時代を彷彿とさせてなんとなくエモい。。

こんな感じでwayback machineにurlを入れると様々なHPの過去がわかるのですが、これって、企業分析にも使えそうですよね。
ということで、wayback machineで企業の「始まり」に遡り、サービスの変遷を見ていきたいと思います。いつどのように方向性を変えたのか何が追い風になって成功したのか等に着目していく予定です。本来なら創業からプロダクトの改良に従事してきた社員しか知り得ないことが、過去のHPによって覗けてしまう、こんな素敵なことないですよね。

まずは、SaaS界の大企業について取り上げていきたいと思います。

第一弾は、人事労務アプリの次世代ユニコーン企業Smart HRです!

Smart HRについて
・2013年1月創業で8期目
・シェアナンバー1のクラウド人事労務ソフトで登録者数は20000社!
・労務管理クラウドの出荷額シェアでは30%超え
・過去三年で81億円調達

全体的に規模が大きい…!大きすぎてもはやピンとこない…!
ちなみに東京の企業数は63万だそうです。SmartHRは全国に展開していると思いますが、集約したら東京の企業数の1/30くらいになると思うと相当恐ろしい数ですよね。。

それでは早速Smart HRの「始まり」にタイプトリップしたいと思います!

【2015/2/26】α版のリリースを控えテストユーザー募集

スクリーンショット 2020-04-03 8.10.35

スクリーンショット 2020-04-03 8.10.47

スクリーンショット 2020-04-03 8.11.03

無料版のリリースを控え、HPが誕生しました!「書類の自動作成」「タスク管理」「入社手続き」「役所へのweb申請」といったα版の機能が4つと、「退社手続き」「社会保険手続き」「給与計算システム」など拡張予定の機能が6つほど並んでいます。現在のSmartHRは給与計算システムはなく、人事・労務に特化したサービスとなっていますが、この頃はまだ今ほどサービスの方向性を鋭く絞っていなかったようです。水色を基調としたブランドイメージはこの頃から健在でした。

【2015/8/8】Demo版のリリース

スクリーンショット 2020-04-03 8.19.34

スクリーンショット 2020-04-03 8.19.47

スクリーンショット 2020-04-03 8.20.01

α版がリリースされ、Demo版の準備中です。拡張予定の機能も大きく変わり、「給与計算システム」は外されています。

【2015/10/8】マイナンバー導入

スクリーンショット 2020-04-05 0.37.47

新機能としてマイナンバー機能導入について大きく打ち出されています。マイナンバー制度の利用開始は2016年1月からなので、まさにこの機能がリリースされる頃ですね。当時多くの事業者は、マイナンバーによって何が変わるのか、マイナンバーをどう運用すればいいのかわからなかったと思われます。そんなマイナンバーに追加の課金なしで対応してもらえるのは、相当魅力的に映ったんじゃないでしょうか。マイナンバーがSmartHRの導入の追い風になったことが伺えます。

スクリーンショット 2020-04-03 8.34.30

セキュリティへの取り組みも追記されています。今となってはSaaSを利用することへの抵抗感はなくなってきていますが、やはり当時はまだセキュリティ面がネックになっていたことが伺えます。

【2016/1/20】400社導入

スクリーンショット 2020-04-05 0.39.07

導入企業数が400社を超えました!Wantedlyやeurekaなど、従業員数が50~100人程度のスタートアップ企業や中小企業に導入されていたことがわかります。

【2016/3/13】700社導入!従業員数100人超えの企業にも

スクリーンショット 2020-04-05 0.41.56

導入企業数700社を超え!mercariや弁護士ドットコムが追加されています。当時mercariは従業員数300人程度でしょうか。少しづつ100人以上の企業にも導入され始めたことが伺えます。

【2016/5/3】900社導入

スクリーンショット 2020-04-05 0.43.08

900社で導入!SPACE MARKETやREADYFOR?などやはりスタートアップが目立ちます。やはり、まずは従業員数500人以下の企業からドンドン営業をかけていく戦略のようです。この後も約一年ほど、このフェーズが続きます。

【2016/6/3】1000社導入

スクリーンショット 2020-04-05 0.44.16

【2016/7/29】1300社導入

スクリーンショット 2020-04-05 0.48.55

【2016/9/9】1700社導入

スクリーンショット 2020-04-05 0.49.59

【2016/10/25】2000社導入

スクリーンショット 2020-04-05 0.50.51

【2017/6/3】4000社導入!エンタープライズ企業開拓

スクリーンショット 2020-04-05 0.53.41

ZOZOUSEDが導入開始し、4000社を超えました!「10名未満から1000人以上まで」と記載があり、従業員数1000名以上のエンタープライズ企業の開拓が始まったことが伺えます。ここにたどり着くまでリリースから約1年半でした。

【2018/1/23】HP一新!導入企業数は8000社へ

スクリーンショット 2020-04-05 1.06.47

1クリックで資料請求ができる、よりコンバージョンを意識したHPにリニューアルされています。

スクリーンショット 2020-04-05 1.07.10

導入企業社数は8000社となり、従業員数8000人の企業にまで導入されたようです。

スクリーンショット 2020-04-05 1.07.48

これまではなかった、「自社システムと併せて使える」との文言が追加されています。おそらく、エンタープライズ企業を開拓する上で自社システムとの併用が可能なのは必須だったのでしょう。

スクリーンショット 2020-04-05 1.17.30

スクリーンショット 2020-04-05 1.17.54

自社のニーズを選択すると、そのニーズがどう解決されるかが表示される設計。ペインドリブンな感じがめっちゃいい…!利用している様子が想像しやすく、思わず導入したくなってしまいますね。

【2018/12/4】年末調整時期は書き入れ時

スクリーンショット 2020-04-05 1.33.12

製品HP本体と別に、年末調整特設サイトができています。

スクリーンショット 2020-04-05 1.33.53

スクリーンショット 2020-04-05 1.34.03

サイトの中身を見てみると、smartHRを導入することによって、管理者にとっても従業員にとっても悩みが解決されることがわかります。従業員数が多ければ多いほど年末調整に関する悩みは深刻なはず…。この時期は、SmartHRにとって一気に問い合わせが増える書き入れ時なのだと推察されます。

【2020/4/4】現在

スクリーンショット 2020-04-05 1.51.34

スクリーンショット 2020-04-05 1.52.12

現在はこんな感じです。コスト削減シミュレータで従業員数・1年の入退職者数を入力すると、どのくらいコスト削減可能かがわかるようです。連携サービスも載っており、よりきめの細やかなHPになっていますね。

以上でSmartHRのHPタイムトリップツアー終了です!
リリース時からHPを遡り、わかったことは以下の通りです。

まとめ
・リリースから約1年半は中小企業を中心に地道な顧客開拓
・マイナンバーなどの法改正は超追い風
・ニーズドリブンなHP設計
疑問点
・大企業は既に自社システムを持つことを考えると、SaaS企業の営業戦略は中小企業から開拓するパターンが多いのか→追って検証していきたいと思います。

HPを追う中で、SmartHRが多くの人事労務担当者の悩みを解決してきた素晴らしいサービスであることが伝わってきました。水色を基調としたサービスイメージも可愛くて、HPを見ているだけで楽しかったです!

ここまでお読みいただきありがとうございました。訂正や異議あり!などございましたら、いつでもお待ちしてます!笑
他の企業についても随時更新していく予定ですので、よろしければいいねをお願いします!

#ビジネス
#スタートアップ
#SaaS
#企業研究
#ユニコーン企業
#SmartHR

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?