売りたければ、解像度を上げるべし

こんにちは、営業コンサルタントのダイキです。

今回は「営業における解像度の重要性」についてお話しします。

皆さんは「解像度」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
普通はカメラやディスプレイの画質を表す言葉ですよね。
でも、ビジネスの世界でも「解像度」という概念が非常に重要なんです。

特に営業の現場では、「解像度の高い」営業マンが圧倒的に成果を出しています。

では、営業における「解像度が高い」とはどういう状態なのでしょうか?

簡単に言えば、「物事を具体的かつ詳細に理解・説明できる能力」のことです。

例えば、ある営業マンが上司に「最近売上が落ちてるんです。どうすればいいですか?」と相談したとします。
これは解像度の低い状態です。

一方、解像度の高い営業マンはこう言います:

「直近2ヶ月の売上が前年比15%減少しています。原因を分析したところ、新規顧客への訪問件数が30%減少していることが分かりました。これは四半期に一度の大型会議の準備に時間を取られたためだと考えています。

対策として、会議資料の作成を簡素化し、新規訪問の時間を確保したいと考えています。具体的には、現在使用しているパワーポイントをワード形式に変更することで、1件あたりの資料作成時間を2時間から1時間に短縮できると見込んでいます。

この施策により、月間の新規訪問件数を現在の15件から20件に増やし、3ヶ月以内に売上を前年比プラスに転じさせたいと思います。」

いかがでしょうか?
同じ「売上が落ちている」という状況でも、解像度の高さによってこれだけ違いが出るんです。

解像度の高い営業マンの方が、より具体的な分析と対策を提示できていますよね。
これにより、上司からの信頼も得られますし、実際に成果を出しやすくなります。

では、どうすれば営業の解像度を上げることができるのでしょうか?

私が特に重要だと考えているのが、以下の3つのポイントです:

  1. ロジックツリーで考える

  2. 広さ・深さ・時間の3つの視点でチェックする

  3. 現場感を反映させる

まず、ロジックツリーについて説明しましょう。

ロジックツリーとは、物事を階層構造で整理する思考法です。
大きな課題を、より小さな要素に分解していくイメージです。

例えば、「売上を上げる」という課題があれば:

  • 売上を上げる

    • 既存顧客の購入単価を上げる

      • クロスセルを強化する

      • アップセルを強化する

    • 新規顧客を獲得する

      • 紹介営業を強化する

      • Web広告を活用する

    • 客数を増やす

      • リピート率を上げる

      • 新規来店を増やす

というように、階層的に整理していきます。

このようにロジックツリーで考えることで、漏れのない網羅的な分析ができるようになります。

次に、広さ・深さ・時間の3つの視点でチェックすることが重要です。

広さ: ロジックツリーの横の広がりを十分に検討しているか
深さ: それぞれの項目について、十分に掘り下げているか
時間: 時間の経過によって状況がどう変化するか

例えば、先ほどの「売上を上げる」というツリーで考えてみましょう。

広さの視点: 「売上を上げる」方法として、単価・新規・客数以外に考えられる要素はないか?
深さの視点: 「クロスセル」を強化するための具体的な方法は何か? 数値目標は?
時間の視点: 3ヶ月後、6ヶ月後、1年後で、どの施策の効果が変わってくるか?

このように3つの視点でチェックすることで、より精度の高い分析と対策立案ができるようになります。

最後に、現場感を反映させることが非常に重要です。

机上の空論ではなく、リアルな現場の状況を反映させることで、より実効性の高い対策を立てられるようになります。

具体的には:

  1. 詳しい人にインタビューする

    • 成績優秀な先輩営業マンに、具体的なノウハウを聞く

    • 顧客に、商品購入の決め手や不満点をヒアリングする

  2. 実際に体験する

    • 自社製品を実際に使ってみる

    • 顧客の立場に立って、購買プロセスを体験する

このように、生の声や体験を通じて得られた情報を元に分析することで、より説得力のある提案ができるようになります。

ここまで、営業における解像度を上げるポイントについてお話ししてきました。

しかし、ここで一つ注意点があります。

それは、「解像度を上げすぎない」ということです。

確かに、解像度が高いほど良い分析・提案ができますが、その分時間もかかります。
ビジネスの世界では、スピードも重要な要素です。

例えば、ちょっとした商談の際に、毎回何時間もかけて緻密な分析をしていたら、チャンスを逃してしまうかもしれません。

つまり、状況に応じて適切な解像度を選ぶ必要があるのです。

  • 大型案件や重要な意思決定の際は、高い解像度で丁寧に分析する

  • 日常的な商談や軽微な判断の際は、ある程度の解像度で素早く対応する

このようにメリハリをつけることで、効率的かつ効果的な営業活動ができるようになります。

いかがでしたでしょうか?

営業における「解像度」の重要性、そして解像度を上げるための具体的な方法について、お分かりいただけたでしょうか。

これらの手法を意識的に実践することで、より説得力のある提案ができ、成約率の向上にもつながります。

ぜひ、明日からの営業活動に活かしてみてください。
きっと、新たな気づきや成果が得られるはずです。

最後に、私からのおすすめの本を1冊紹介させてください。

「解像度を上げる」(著:馬田隆明)

この本では、今回お話しした内容をより詳しく、体系的に学ぶことができます。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

それでは、また次回のメルマガでお会いしましょう!

営業コンサルタント ダイキ

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