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基礎のきそ:金融リテレシークイズ(3)回答編

問11 発行日、表示通貨や償還期限など、他の条件が同じ場合、利回りが高いのは一般にどちらの債券ですか?


A. 信用格付けがAAAの債券
B. 信用格付けがBBBの債券
C. 信用格付けと利回りは関係ない

正解はB 信用格付けがより低い、BBBの債券です!他の条件が同じと仮定すると、元金や利金が支払われる確実性が低い(信用度が低い)債券は、その確実性が高い(信用度の高い)債券より利回りが高くないと投資家に買ってもらえません。詳しくは日本証券業協会のサイトを見てください。


問12 問11の関係は、通常、異なる国の国債の間にも当てはまりますか?


A. 当てはまる
B. 当てはまらない(国債は別扱い)

正解はA. 当てはまる です。日本と米国の国債は円とドルというように表示通貨が異なりますが、多くの新興国がドルで国債を発行しています。この国債の格付けと利回りの関係を見れば、おおむね信用度の低い国の債券の利回りが高くなっています。

問13 同じ発行体(企業や国)が発行する同じ通貨建ての債券で、通常はどちらの利回りが高いですか?


A. 10年ものの債券
B. 1年ものの債券
C. 同じ(年率換算)

正解はA. 10年物の債券 です。年限が高い債券に投資するということは「長い期間お金を貸す」のと同じ。それだけ、返済や利払いについての不確実性が増えます。その不確実性(リスク)の分だけ、高い利回り(年率換算)が要求されるのです。
ただしこれは平常時のことであり、中央銀行により金融引き締めが行われている時には、「逆イールド」と言って短期金利の方が高くなることがあります。詳しくは、「イールドカーブ」の説明を見てください。

問14 これから景気が悪くなりそうで、物価は安定しています。その場合、通常は、


A. 長期金利は下がる
B.  長期金利は上がる
C. 景気は長期金利の変動に関係ない

正解はA. 長期金利は下がる です!これから景気が悪くなるということは、設備投資などへの資金需要が少なくなるということです。需給の面でだぶついた資金が債券市場に流れ込むという推測と、また政策金利(短期金利)も引き下げられるだろう、という推測の二つの面から長期国債は買われ、長期金利は下がります
つまり上記の「イールドカーブ」でいうと「フラット化」が起こります。
ただし、景気が後退するなかで物価が上昇する「スタグフレーション」の環境では、長期金利が上がることがあります。

一方で信用格付けの低い「投機的格付け」の社債などは、景気後退でより信用度が低くなるという懸念から売られる場合もあり、同じ年限の債券でも、国債と低格付け社債の価格の動きは同じとは限りません。

問15 問13で述べた債券の償還までの「長さ」と利回りの関係は一定していますか?


A. 一定している
B. 逆転することもある
C.  長さによって違いはないので変化はない

正解はB. 逆転することもある です!問13の「イールドカーブ」の話が分かれば「逆イールドの時もある!」と理解できますね。

さて、ここまでの質問はどうでしたか?債券に対する理解が深まったでしょうか?金利と景気は密接に結びついており、皆さんの生活にも影響を及ぼします。引き続き金利と債券を学んでいきましょう。(続く)


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