私の短歌:「書店」を詠んでみた
「ハイライトですね」と我に背を向けてたばこ店主に替わる本屋は
売れるのは東野・宮部だけだよとぼやく店主もkindleを読む
2021年11月28日、NHK短歌のお題は「書店」。平凡ではありますが、私の投稿歌を紹介します。
1首目は学芸大学駅の近くに実在する(まだあるかな?)書店兼煙草店の話。レジに並ぶと、いきなり背を向けられてびっくり。書店員さんが道路に面した煙草の窓口に応対している間は、本屋のレジはお休み状態です。
2首目は似た作品があったかもしれません。キンドルは便利なので、どうしても使ってしまいます。結果として紙の本は売れなくなりますね。
賢しらに本屋に並ぶ嘘たちを暴きたくなる日曜の午後
突っ込まぬよう駆け足で通り過ぐ我が専門の投資指南書
この2首は本屋に行くといつも平積みにされている投資指南本について。チャートで株に投資するなんて、占いで・・・っていうのとほとんど変わらないのに。そういえば反ワクチン本も平積みにされていました。書店員には専門知識はないし、売れるから仕方ないのでしょうが・・・
百五十年後の「資本論」を売る本屋の奥に幽霊がいる
ソ連、中国と、マルクスの壮大な社会実験はとうに失敗しているのに、いままた資本論ブームだそうです。恐ろしや、恐ろしや。歴史から学ばないのが人間なのでしょうか。ちなみに、マルクスはブルジョワジーつまり資本家に養われていたようですね。
片親で育ったけれどうらやんだことはほぼない本屋以外は
本屋にも御用聞きありクリムトの画集を買ひし初任給の日
幼いころから本が好きで、書店の子供だけはうらやましかったですね。で、初任給で買ったのがクリムトの画集。画集なんて貧乏学生には手が届かないから、宝物みたいに思えたものです。(終わり)
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